《極寒の地で拠點作り》闇の迷宮

窟を下っていくとそこにはちょっとした広場があり、その奧には重そうな両開き扉があった。

「あの扉の先がその闇の迷宮っぽいね。ユズは準備大丈夫?」

「うん、問題無いよ」

問題無いとは言ったけど、プレイ開始二日目でこんな所に來てよかったのかな?どのみち引き返す道は無いから進むしかないんだけれど。

「それじゃあ、行こっか」

私達はその重厚な扉を二人がかりで押して、中へとっていった。

「うわっ!結構暗いね」

扉が閉まると広場からのも途絶え、辺りは暗闇に包まれた。

「ユズ、明るく出來る?」

「あっ、そうだった!」

私は々狼狽えながら杖を掲げて、

【ユズのフラッシュ! MP20/22】

…………

「あれ?」

「どうしたの、ユズ?」

「いや、でも……もう一回!」

【ユズのフラッシュ! MP18/22】

「えっ?」

もう一度試してみたけど、相変わらず辺りは暗いままで明るくなる気配が全く無い。

「……魔法が、使えない?」

「え?」

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「使えない、というより掻き消されてるみたい……どうしよう。ごめんね、ハープ」

私は何とかなると思ってこのダンジョンにったけど、早くも躓きそうで焦りもあって泣きそうになる。

「ユズのせいじゃないよ。どういうシステムなのかは知らないけど、とりあえず進もう?」

そういって私の手を握る。やっぱりハープは優しい、私はそう思った。

けれど同時に、甘えていては駄目だ、とも思った。元々先に進むと決めた案は私のだし、何より二人で頑張るって、そう決めたから。

「うん!」

そうして私は元気よく、そう答えた。

「よし、じゃあ手を離さないで。迷うといけないから」

「わかった」

「うーん、魔法が使えないとすると……壁伝いで行くしかないね」

「そうだね。でも敵が出現しないって言うなら安心して進めるね」

敵が出現しない上、迷宮って言うくらいなんだから、多分このダンジョンは複雑な迷路で出來ているんだろう。時間はかかるけど壁伝いに行くしかない。

「うん、でもトラップとかが心配だね」

「罠、ってこと?」

「そうそう、敵の代わりに仕掛けられてる可能も拭いきれないから」

的にはどんなのがあるのかな」

私の想像する罠は、落としとか網が絡む系とかそのくらいだ。もしかしたら想像を超えるが出てくるかもしれない。

「それは、私にもわからないけど……まあとりあえず進むしかないよ」

まあ悩んでても仕方ないのは外と変わらないか。

そして、私達はスタート地點から進み始めた。

どれくらい広いのかはわからないけど、とにかく進まなければいけない。

角を曲がり、道を進む。そして地図は宛にならないので時折、足の覚だけで分かる様な目印となる窪みを地面に刻む。それの繰り返し。

どのくらい経ったんだろう。

暫く歩いているけど進んでいるのか、戻っているのかは分からない。それに、普段ならこれくらい経てば目が慣れてしは見えてくるがある筈なのに、目の前は闇。これもどういうシステムか、何も見えないのは相変わらずだった。まさに『闇の迷宮』と言った所で、気が狂いそうだ。

唯一の救いはこのダンジョンが単純な迷路の様で、トラップの類は一切無いことだった。

「ハープ、いるよね?」

「何言ってるの、ユズ。ちゃんと手繋いでるでしょ?」

あはは、と私のことを笑いながらハープはそう言う。でも私はこうでもしないと心配になって仕方が無くなってしまう。

「でもやっぱりいるのか確認しないと怖くなっちゃって……」

「安心してよ、私はここにいるから」

心配になっている私をハープはそう言って勵ましてくれた。でも、もしかしたら私のためにそう言ってくれているだけであって、実はハープも私と同じ様な心境になっているのかもしれない。

それなら、私がこんな調子では駄目だ。さっきそう決めたばかりだろう、と私は私をいたたせる。

「ありがとう、私もここにいるからね?」

私はもう片方の手を握っている方の手に重ねた。

「どうしたの、急に。まあでも……ありがとう」

ハープがそう言ってきた。何故か今までより更に仲良くなれた気がする。

私達は再び先へ進む。たまに、私がハープを、ハープが私を、という様に勵まし合いながら。これがこのゲームのテーマ、『協力』となるかは分からないけど今はこれのおかげで前へ進めている気がする。

また暫く進んで角を曲がろうとした。するとハープが立ち止まる。どうしたのかな、と思って私はハープの前に回るとその先は上り坂だった。

やっとゴールに著いた、そう思って私はハープの手を引いて坂を駆け上がろうとする…………が、

「あれ、どうしたの?ハープ」

ハープがこうとしない。

実はハープじゃなくて白い著を著た髪の長い恨めしそうなの人でした、なんてホラー映畫みたいなオチを想像したけど、ここには敵は出ないと予め書いてあったし他のプレイヤーが混じったなんてことは更にありえない。

そんなことを考えている間もハープはだんまりとしていて固まっているばかりだった。

「ねぇ!本當にどうしたの?」

「……ユズ」

「え?」

やっとハープが口を開いた。

良かった、と安心したけどそれも束の間、ハープの口からあまり聞きたくなかった言葉が発せられた。

「あまり言いたくないんだけど…………ここ、口だよ」

「……え?」

「私達、戻ってきちゃったみたいなの……」

冗談だよね、ハープは冗談を言ってる、そう思わせる程に狀況は酷かった。

ハープによれば、どうやらこの迷路は出口が外側にあるタイプでは無いという。そもそも壁伝い方式は口が外側、且つ出口も外側である時に功するやり方でこういった場合は、虱潰しにやるしか無いらしい。でもこんな暗闇じゃ、それもかなり難しい。

正直、もう時間では何時間もここでさまよっている。限界も近い。

思った以上にこの迷路攻略は絶的だった。

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