《極寒の地で拠點作り》偵察

「それも、神様の宿る……ね?」

そうなんだよね。もし私達の神様みたいに高度な知能を持っていてギルドホーム自を管理する様な立場の存在が相手方のギルドホームにいたとしたら普通の戦い方は出來ないだろう。

さっきはそれこそ、私は自らの闇魔法に自信を持ってるなんて言ったけど、それは個人対個人の時の話だ。そんな々超越した存在を相手取ったら、私の暗転は全く効かないとなるかもしれない。でも私は不安になんてならない。

今は今、後は後、大丈夫大丈夫、何とかなる!

あーゆーおーけい?

「ま、説明はこれくらいだ。じゃあ、ハープちゃん達には早速偵察に言ってもらおうかな」

「はい、わかりました!」

「偵察だからな? 危なくなったら帰ってくるんだぞ」

「はい!」

という訳で、私達は偵察に向かうことになった。

ブラストさん達の見送りをけながら魔法陣で外に出る。目標である相手ギルドホームは、ここから森をひたすら南下した所にあるらしい。

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「じゃあ、行こうか」

「うん」

急ぐ必要は無いので歩いていく。

因みに、今回リンちゃんはお留守番だ。今までよりも一歩踏み込んだ形の偵察なので、有効打になるであろう私とAGI値の高いハープ以外の人員を割いても逆に囚われてしまう可能もあるのでそうしてもらった。

という訳で、たった二人の、最早部隊とも呼べない偵察部隊が構されたのである。

「えっと、相手方の人數は……」

「あ、そうそう、シェーカさんからメモけ取ってたんだよね!」

シェーカさんは出発前の私達にチャットに箇條書きで相手ギルドの報を書き記してくれた。

私達はそれを歩きながら確認する。

「傘下含めてだと三桁は余裕で越してるらしいね。ああ、でも本拠地の見張りにそれだけいる訳じゃないからそれは安心だね」

「うん、でもこの相手ギルド自の人數が『不明』ってなってるのってどういうことなんだろ?」

「そうだよね、見張りの人も傘下のギルドの人達みたいだし……まあそれを含めて、相手ギルドの部を調べに行くのが私達の役目なんだけど」

「じゃあ、頑張らなきゃね!」

「だね!」

そんな意気込みで森を進んで行くと、木々の隙間から真っ白い建がちらっと見えるようになってきた。

「ハープ、あれ?」

「うん、あれみたい」

そこに建っていたのは、城。

が反して眩しいくらいに白いソレは、まるで自らを放っているかの様な雰囲気だ。

「もうちょっと近づく?」

「そうだね。り口前の様子は調べときたいし……そこの茂みに隠れようか」

お城から見て右側の茂みに隠れると、見張りがり口に八人程立っているのが見て取れた。でも退屈なのか、欠をしてる人がいれば、仲間同士で楽しそうに喋ってる人達、果てには思いっ切り寢てる人もいた。

それでいいのか、見張りさん達よ。

まあこちらとしては嬉しいことだからいいけど。

「じゃあ、行っちゃう?」

「行っちゃいますか……じゃあ、ユズ。ちょっと待っててね」

「うん」

茂みから飛び出したハープは、お城の右方向から突っ込んで角にいた一人をさくっと行く。

「まず一人、っと」

斷末魔のびすらあげさせずに倒す所、本當にハープは奇襲が上手い。一人目を塵にしたハープは勢いを殺さず、仲良く喋ってた三人組を一気に葬る。

最近気づいたけど、AGI値って足の速さだけじゃなくて、突きの速さとか手のきにも作用するみたいなんだよね。ハープなんかは、それがプレイヤースキルとも上手く噛み合っている様に見える。そんな様子に舌を巻いていると、ハープが戻ってきた。

「全員倒してきたよー」

「う、うん……ハープ、もうさ、その手の道に進めば?」

ユニークシリーズも暗殺者だし……

でも本當に、一突き二突きで相手を倒す技力は賞賛する。ただ、STR値が高いだけの私とは違うね、うん。

「あはは、何言ってんの、ユズ!」

「うん……ほんと、凄いよ。うん」

なんかし悲しくなってきた。

まあ私にはINT値に頼らない闇魔法があるしね?

「さ、ユズ。見張りの人が戻ってくる前に突しよ?」

「あ、うん……わかったよ」

私は々と忘れることにして、立ち上がる。

ハープは、見張りの人がギルドの中の人に連絡する前に倒し切ったために中の人は私達が來たことに恐らく気づいていない。

という訳で正面から堂々とることにした。

「ユズ、行くよ?」

「うん、何時でもいいよ!」

「わかった。何かあったらいつものお願いね」

そうして私達は相手のギルドホームった。

ってみると、そこは天井がドーム狀になった広間で、外から見たら有り得ない高さなんだけど、私達のギルドホームもこんなじなので驚かない。

「……何も來ないね」

「そうだね。でも油斷しないで」

「うん」

しん、と靜まり返った広間の先の通路に向けて歩く。ブラストさんの話ではった瞬間にが放たれた筈、でも何も起きなかった。油斷させるのか張させるのか、どっちが狙いなのかわからないけどとりあえず進むまでだ。

慎重に進み、結局何も起こらなかった広間を抜けて一本道の通路にる。因みにここでも何も起きなかった。次に出たのは、石像のある部屋だった。

「ハープ、ここって……」

「うん、おかしいよね」

私達が言えたことでは無いけど、り口から単純な造りの通路や部屋を抜けてすぐに辿り著いてしまった石像の部屋、ギルドホームの中心。ここまで何も無かった故に、罠だと疑わざるを得ない。

「絶対石像とか壊しちゃ駄目だよね……」

「まあ、確かに。罠かもしれないからね」

「じゃあ私達他にどうすれば……?」

「…………」

「ん? ハープ、どうし……!」

突然黙り込んだのでどうしたのかと思ってハープを見たら、目付きが変わっていることに気づいた。それを見て、私は杖を構える。ハープがこの鋭い目付きをするのは何か異じ取った時だけだ。

「……そこッ!」

ハープが右手側の闇ノ短剣を何も無い空間に向けて投擲する。正確には何も無い様に見える空間みたいだけどね。

そして、ハープが投げたダガーはカンッ、と音を立てて地面に落ちる。

「戻って!」

ハープが投擲で投げたダガーに向かってぶと、ダガーが戻ってきた。そういえば、投擲とセットで覚えてたみたいなんだよね。

そうして再びその空間に向けて構えていると、その空間が炎の様にぶれて、そこからフード付きの白いローブを著た年が現れた。

「あーあ、つまんないのー」

「……っ!」

「素直に石像壊してくれれば良かったのに。まさか僕の居場所まで察知しちゃうとか」

「他の人は?」

「メンバーってこと? 僕以外にはいないよ……プレイヤーはね?」

『プレイヤーは』と言った。

意味深な言葉っぽく言ってる辺り、これはもう確信していいんじゃないかな。

「それってどういう……」

「ああ、気にしなくていいよ……これから君達はここで暮らすんだから」

「……っ!? ユズ!」

「心配しなくていい。優しくするから……『一面の』!」

瞬間、周りが発を始めて、私達は文字通りに包まれた。私は咄嗟にこう返した。

「『暗転』!」

すると、私の周りからが消えて闇が辺りを包み込んだ。

それにしても良かった。効かないんじゃないかって心配してたから安心した。でも、安心しきってはいけない。現にまだ脅威は拭いされていないから。

「……何だ、それは」

「ふふっ、

相手が脅威ならこちらもそれに対抗するまでだ。

そうして、私達の偵察はリーダーらしき年と當たることで、偵察では無くなりそうになるのであった。

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