《極寒の地で拠點作り》衝撃
視界が開ける。
上方向には何も無い。橫も同じ、真っ白だ。
「ん、うぁ……?」
神様との最初の邂逅以來のその真っ白空間は、あまり質素で無く、私から見て中央にはソファやテーブルが置いてある。壁があるのかよくわからないけど時計が右側のソファの後ろにかかっていて、神様の空間とはだいぶ違う様子を見せている。
「あら、起きたみたいですね」
起き上がって辺りを確認していると、いつの間にか紫の長い髪をしたの人が橫に立っていた。
「あん……いや、貴方は……?」
と呼べるくらいの容姿ではあったけど、私達よりも歳は上っぽそうなじなので貴方、と言い直した。
「私ですか? 私は『セルトート』、毒の神っていう設定になっていますね」
設定なんてそんなメタなこと言っていいの?
って言うか、毒の神って…………。
「ッ!」
そうだ。柚葉をあんな風にした張本人、許していい相手でも目の前にして油斷してもいい相手でもない。
「ああ、いえっ! そんな警戒なさらずとも結構です」
「どの口が! ユズは何処? 早く教えて!」
「……隣の部屋です」
「っ」
敵が目の前に居て、その敵が罠へ導しているとも取れる発言だったけど、ユズが心配だから警戒は解かずについていく。
部屋とわかる様な仕切りも壁もわからなかったけど、ある場所を通ったらベッドや燭臺、三面鏡などが置いてあったのでまた別の部屋だとわかった。で、そのベッドに上に誰かが寢ていた。それが誰か理解した途端、私は飛びついていた。
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「ユズっ!」
その、誰かというのは紛れも無くユズだった。見た所何処にもおかしい所は無い。問題は起きてからだ。
「ユズ。ねぇユズ! ユズったら!」
「うぅ……」
「ユズ!」
反応した。良かった、そもそも起きないということは無かった。
「ハープさん。この度の非禮、お詫びします」
「…………!」
さっきからそうだったけど、この毒の神と名乗るは戦闘になっている最中とかなり話し方が違っている。それだけじゃない、格もだ。
だから、私はそうした相手がこうして頭を下げてきたのが意外だった。
「私の犯した罪は到底赦されることではありません。しかし、決してこうしたかったという訳ではありません」
「…………」
「苦しい言い訳に聞こえるやもしれませんが、どうか聞いてください」
「……わかった」
「ありがとうございます…………!」
私が許可してやるとぱあっ、と顔が明るくなったけどまたすぐ真剣そうな顔に戻った。まあ聞くだけ聞いてあげよう。ユズが起きるのにもまだ時間がかかりそうだし。
私達はまた元の部屋に戻り、セルトートさんに言われてソファに腰掛ける。テーブルを挾んで反対側のソファにセルトートさんが座り、向かい合った狀態になる。
「それでは、単刀直に申し上げます。私がこの度、この様なアクションを起こした大元の理由というのは、『アフィポスの暴走』を止める為です」
「アフィポス……あ、神様のことね」
神様神様言い過ぎて完全に名前の方を忘れていた。それにしても暴走って?
「はい。設定にもありますが神みたいなですね。貴方達なら話しても問題無いのでこの際、話しますが、私達『神』と呼ばれる八柱はご存知の通り、AIです。私達は文字通り……」
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そのまま普通に話が流れていきそうだったけど、何か重大なことを聞いた気がする。
「ちょ、ちょっと待って! AI!? どういうこと?」
ご存知の通り、って私知らないんだけど。
「あら? ご存知無かったのですか?」
「……うん」
AI、AIかぁ……ナントカインテリジェンスとかそんなだったっけ。まあいいや。人工知能って奴だよね。神様とか毒の神が人工知能? まあ、よくよく考えればNPCだったらあんなにバリエーション多く反応しないし、そもそもちゃんとした會話も難しい筈だ。
そう考えると、どうして今まで気づかなかったんだろう…………ああいや、単に気にしてなかっただけか。
「続けますね。私達『神』は文字通りこの世界を管理しています。イベントの企畫やアップデートなどは外の開発の方々がしておりますが、出來上がっていることは基本私達にやらせ…………いえ、任せています」
なるほど、これもまた驚くことだ。
私達が今までシステムとかを運営に散々文句を言ってきたけど、運営ってよりかは開発だったのか。それから通常の問い合わせにも反応しにくいのも、もしかしたらその辺りのズレが関係してるのかもしれない。話聞いてると任せっきりっぽいしAIのことはバレちゃいけないみたいだから。
「そして本題にるのですが、最近アフィポスの様子がおかしいのです」
「おかしい?」
「ええ。私達は現界……通常フィールドに降り立つことですね。一方通行でこちらに戻ってくることが出來ない故に基本、決められた時期に決行する予定なのですが、あの方は突然降りていかれました」
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「そして私達がそのダンジョンに遭遇した、と」
こくん、とセルトートさんは頷く。
「私達は現界する前は通常フィールドとは別の世界に居るのですが、先程述べた様に時期を見て現界します。現界する理由としてはより近場でプレイヤーを監視することにあります」
「その別の世界とやらからは監視出來ないの?」
「元から現界させて隠れボス的立ち位置に置くつもりだったのでしょう。開発の方々は全ては把握出來ないように監視は定點カメラによるとなっています」
「でも現界したらしたらで監視狀況に変わりはあるの?」
「はい。まあ攻略されなければ意味は無いのです。ですが攻略されて貴方達の様にギルドホームに宿れば監視域が広がります。その八柱全員が現界し、個々がそれぞれを監視・管理することになります」
「全員が降りた後、マップはそれ以上広がらないの?」
「いえ。その都度監視域が飛び地になるか、はたまた新屬が追加されるかどれかだと思います。その辺りは私達の決めることではありませんがね」
「ふーん。あ、それで私達の所みたいな神様の宿るギルドホームが陥落したらどうなるの?」
「はい。今度の話の中で最も重要なことの一つになりますがね。実は一度あったんですよ。私達の一柱がマスター諸共、何者かに消されたのです」
「消された? 何者かに?」
「はい。當時、原因不明のバグが発生しまして、定點カメラが一時的に使えなくなってしまったのです」
聞けば、そのバグに追われて修復しようと神達で頑張ったっぽいけど、完了した頃には既にそのギルドホームは綺麗さっぱり無くなって人一人居なかったって訳だ。
その後の各場所の様子を見る限り、有力ギルドに後処理されたみたいだと言う。
「そんな簡単に倒せる訳ないのですよ。正直言って、私達神が手を差しべたプレイヤーは他のプレイヤーにとってかなりイレギュラーな存在となりますから」
「じゃあ同業者……って言ったら変か。同じく力を與えられたプレイヤーになら有り得るんじゃないかな」
するとより真剣な表で私の目を見つめて頷いた。どうやら、これが核心の様だ。
「我々もそう踏んでいます。私達未現界の神々は勿論、ギルドホームに宿った神々はその場をくことは出來ず干渉することは不可能です。ですが、ギルドホームの持ち主、つまり力を與えたマスターなら可能、攻略することも比較的容易になります」
「もしかしてそれが私達の神様、アフィポスさんの仕業だって言うの? そんな筈無いわよ! 私がそんなことをしていないというのが一番の証拠よ」
「いえ、ですから可能があるというだけの話。確証は無いです。が、しかし最も疑いのある者があの方という訳です。貴方達を遣わさなくともあの方は広報擔當、何とか他のプレイヤーを大勢巻き込んで數で攻めて攻略したということも無くは無いですから」
「そんな…………」
確かに神様は私達と初対面の時にあんなことやってきたけど、それ以來特に何も無く、寧ろプラスになることばかりで、とても格の良い人だ。とてもじゃないけど、そんなことする様な人だとは思えない。
「そこでです。またこれも重要な話になります。聞いて頂けますか」
「……まあ、あまり信じられないけど私が聞かなきゃ誰が聞くのって…………だから続けて」
私がそう決めると、セルトートさんは、わかりましたとだけ言った。
「では次に、今回の件です。貴方達がここに來た理由。それはこの、『邪の毒杯』でしょう」
彼が手を橫に挙げると、その掌の上にトロフィーとかによくある形の杯が現れた。その杯は紫ので満たされていて、絶えず絶えずが外へ溢れ出ていた。
「この邪の毒杯は、本來のやり方では手にれることは実質出來ないことになっています。私を倒せば手にるのですが、HPがとんでもなく高いので」
が掌へ床へと流れ落ちるのも気にせず彼は話し続ける。
「えっ? じゃあ、神様は私達にどうやって……」
「恐らく、ユズさんなら何とか行けると踏んだのでしょうね」
そこでようやく毒杯を仕舞って、どういう仕組みかわからないけど水溜まりになってた毒々しいも一緒に消えた。
「そんなを取らせようやっぱり設定って奴を越えたなのよね」
「邪の毒杯とは、アイテムであると同時に全ての狀態異常の管理、及び新たな狀態異常の作ツールでもあります」
さっきからそうだけど、手れられないとはいえアイテムになってるのってどうしてだろう。こうして萬が一あるかもしれないのに。
するとセルトートさんはそれに気づいたのか続ける。
「……ああ、そうは言っても誰でも出來るという訳ではありません。ちゃんと私達や開発しか作出來ないようにしてあります。態々アイテムにしてあるのは取り扱いが楽ってだけですね、はい」
「あ、そんな理由……」
考えてみれば、全ての大元は私達が運営だと思ってた開発なんだよね。適當さは健在だ。
「まあですから、邪の毒杯さえあれば時間はかかりますがアップデート無しで新しい狀態異常を追加したり変更出來たりしますね」
「それを持ってるってことは相當大事なポストに居るのね、セルトートさんは」
「はい。これは他人に易々と、というか絶対に渡してはいけない代なのです。これを悪用されればゲームバランスが崩壊するどころか、プレイヤーの皆さんが危険です」
「そんなに?」
「はい。だから妨害させて頂きました。を助けるクエストの時は完全に予想外のタイミングでしたが」
「えっ!? ヤケにすぐそこで見つかったなぁ、って思ったらセルトートさんの仕業だったの!?」
驚きだよ。まさかそんな……うーん、もしかして、ウィアちゃんとルミナちゃん追いかけて都合の良い橫無かったらどうしてたんだろ。いや、それに合わせて空けたんだろうな。
「ええ。それからですね。あの最初のもや、魅了(超強)、そして狂気です」
読み上げてる最中から、申し訳無さそうな表になっていく。
「そう……」
「改めて謝罪しますが、こちらもを守る為。ご理解頂きたい」
「わかってるよ。もうそこはいいから」
「ありがとうございます」
「で? その三つが邪の毒杯で創造しただって言いたいんでしょ?」
「ご名答。ただ、あのもやだけはアフィポスの再現ですがね」
再現? それってどういうこと?
「えっと、神様のもやって……」
「邪の毒杯に載ってない上、私が関與したということもありません。本當の所、私はアレの正を理解出來ていないのです」
「つまり、狀態異常じゃないってこと? え、でもアレに私達、影響をけたし……」
「それも暴走のと考えております。リアルなことを言ってしまいますが、狀態異常とはプレイヤーの脳に暗示をかけて引き起こしているので、何とか出來るかもしれません。しかし、その何とかがわからないのですよ。私以外の神々、ましてや広報擔當なんてそんな蕓當不可能な筈なのに」
私はそこで、初めて恐怖を覚えた。
私達の知ってる神様って、イコールアフィポスじゃない様な気がした。なら、私達がアフィポスだと思ってる神様って何?
でも、考えても答えは出ない様な気がするから話を進めてもらう。
「それで、他の二つは?」
「魅了(超強)の方は…………いいとして狂気は」
「ちょっ、ちょっと待って! なんでスルーしようとするの!」
あははー、というじで誤魔化して次に行こうとしたので思いっ切り止めた。
「駄目、ですよね?」
「駄目」
「わかりました。魅了(超強)はですね…………趣味です」
「趣味? ケイ君とリンちゃんの見て?」
「いえ。そっちもそうなんですが……貴方達です」
「私? 私と、ユズ? えっ? セルトートさん、まさかそっちなの?」
「正直な所、どっちでも……」
「あー」
「あぁ……私を作った人はどうしてこんな風にしたんでしょうか」
なんだかこれもこれでこのまま話を進めるべきじゃない様な気がする。私としてもこのまま進めるとヤバいかもしれないし、ね?
「じゃ、じゃあ次っ、次行こう!」
「次、ですか……狂気ですね」
「うん。ちゃんと説明お願いね」
もうお互いに理解しあっているので、最初の様な重苦しい雰囲気はあまり無い。まあ、まだ會ったばかりだし、筋は通ってても信じる訳じゃない。
「ユズさんは、『混沌の克服』を持っていますよね」
「うん。というか、よく知ってるね」
「狀態異常関連のスキルも把握していますので、その中でも究極系とも言える混沌の克服は知らない筈がありません」
そうなんだ。だったら、私の『無作為な混沌』も知ってるのかな。
「本來ならそんなスキルに対して狀態異常なんて効くはずがありません」
そこからは私が戦闘中に予想した通りで、即時解除だからその一瞬に効かせればいい狀態異常を作ろうとして狂気になったらしい。その一瞬効くという実験は毒の川で実行したみたい。
で、魅了(超強)よりも強い暗示を脳に與えて文字通り強い思い込みをさせて、思考を一時的に変えさせたんだって。
「人実験なんて出來ないでしょうから、それが人にどの様に影響するかわからない。何度目かわかりませんが、それ程にまで守らねばならなかったのです」
「今も戦闘中のことを思い出すと嫌になるよ。ユズがあのままで、あのままじゃなくても後癥が殘っちゃったりとか…………こっちも何度も言う様だけど、貴方の言うことを信じ切ってる訳じゃないからさ」
「構いません」
「でもさ、どうして狂気、それからユズだけにしたのさ。攻略を阻止したかったんだったらもっと他のでも良かったじゃん」
自滅、とかもうそれ狀態異常じゃないじゃん、ってレベルのをユズだけじゃなく、皆にかけていればすぐに終わった筈。それをしなかったのはどうしてかな。
「こうして話をしたかったからですよ。まあ、話し相手は予定とは変わりましたが」
「え?」
「あの二人、お連れの方ですね。話はなるべく人數にしたかったので、アフィポスから直接影響をけていない二人は折角ですが退場して頂きました。貴方達のギルドメンバー全員がアフィポスを疑い始めても危険なだけですからね」
「えっと……」
「最初はユズさん、若しくはユズさんとハープさんに聞いてもらうつもりでした。しかし、刺激が強過ぎた様で」
ここでふと思い出したことを聞いてみる。
「そういえば、どうしてあのタイミングでここに呼んだの?」
「ええ。それも狂気にした理由に含まれておりましてですね。ユズさんから杖を離してしかったのですよ」
「それはまたどうして?」
「発信機です」
「発信機?」
発信機というとGPS発信機とか、そういう位置報的な?
「概ね考えている通りだと思います」
「えっ!? だったら、今こうしてセルトートさんと居ることも…………」
「ですから、あの杖に付いているんですってば」
「あ、そうだった……」
「それにここは、私以外には干渉することの難しいかなりプライベートな空間で、時間加速付きですからあちらからしたら一瞬だと思います」
「へぇ…………ってかなり偶然だったんじゃない? 私が杖を吹っ飛ばしたのって」
「まあ、狂気の効果はサイコパス風になったり理的に闘いたくなったりさせて魔法を封じる特殊なにしましたからね。はっきり言って導してました」
「導って……さっきも話したかったからとか、セルトートさん、もしかして途中から諦めてた?」
魅了(超強)とかもう趣味だって言ってるし。
「実を言うと……はい、その通りです。最初のもやの時點で何となく貴方達の互いの関係の破壊は失敗だとじていましたから」
「當然でしょ? 私達はあんなじゃ崩れないわよ」
「ふふっ。今回ので充分理解出來た気がします…………おっと」
セルトートさんは笑みを浮かべてそんなことを言っていると、何かに気づいたみたいで突然ウィンドウを開き出した。
「ユズさんがそろそろ起きる様ですよ」
「ほんと?」
「はい。同時に暫くお別れです」
「あれ? ユズと話さなくていいの?」
予定としてはユズもれて話すんじゃなかったっけ。
「気が変わりました。杖を使っている本人に発信機のこと含めて話しても警戒し過ぎて、アフィポスに勘づかれてしまうかもしれませんから」
「じゃあ私は誰にも言わない方がいいってことね」
「ええ。ですので、今回お話したことは他言無用にお願いします」
「わかったよ」
こうして私はユズの所へ向かう。
帰りはセルトートさんがダンジョンの元居た所に転送してくれるらしい。そこから魔法陣で外に飛ぶことが出來るらしいので、怪しまれること無く自然に帰ることが出來るという。
「それでは転送します。ちょっと眩しいかもしれないので目を瞑っていてください」
「うん。あとさ、セルトートさん、これでもまだ貴方の言うことが本當だと思い切れてないの。ごめんなさい」
「いえ、私の戯れ言に最後まで付き合ってくださっただけでも嬉しいことです。なので、心に留めて置く程度で結構です」
彼はにっこりと笑ったので私も笑い返す。
「それでは、今度こそ転送します。くれぐれもお気をつけて」
「そっちもね」
そうして私とユズは、セルトートさんの下を後にした。
目が覚めると、そこはさっきまで居たボス部屋。戦闘の跡が殘り、時間もそれほど経っていない。
「あっ、ユズ! ユズ、起きて!」
「ん、んー……? あ、あれ、ハープ?」
「ユズっ!」
「わわっ!」
私はユズを抱き締める。
ユズは驚いていたけど、そのままで居てくれた。
「ハープ、ごめんね? 私、あんなじになっちゃって……」
「良いのよ。悪いのはこのダンジョンの主なんだから」
セルトートさんとの約束だから、しでもユズに本當のことを伝えることは無い。噓を吐いている様で悪いけどこれも確証が持てるまでの辛抱だ。
「あっ、そうだハープ。邪の毒杯は?」
「あっ!」
そういえばそうだ! セルトートさんに代わりになる聞くの忘れてた。そんなことを考えながら辺りを見回りしてみると、無くなった正面の石像のあった所に何か落ちているのを見つけた。
「えっ? 『邪の毒杯』?」
「やったね、ハープ! 皆で頑張った甲斐があったよ!」
ユズが手に持つアイテムには明らかに邪の毒杯という名前が付いている。しかし、それは私のみたトロフィーのカップみたいな形のでは無く、観地とかで良く見る平たい形の杯だった。どうやら、その辺りもすり替えたみたいだ。多分、神様も私達が騙されたと思って、赦してくれるんじゃないかな。
その後、私とユズは魔法陣に乗って外へと転送される。そこには復活したケイ君とリンちゃんが居たけど、ユズが謝ってそれを勵まして、皆でダンジョン攻略と邪の毒杯ゲットを喜ぶのだったが、私は心から喜ぶことが出來なかった。
セルトートさんと話したこともその容も。容が本當にせよ噓にせよ、よくわからない何かと私は戦い続けねばならない。何より獨りで、というのが怖い。正直、逃げ出したい。
「なーに怖い顔してるんですか」
「どうしたの? 調でも悪いの?」
「ううん。心配しないで、大丈夫だから」
「ハープさんも大活躍でしたから、きっと疲れてるんですよ」
神様の最終目的はわからないけど、とてつもなく大きなことの様な気もする。でもそんなこと、私を元気づけようとしてくるこの三人は知る由も無い。
なら、私が守ってあげるしか無いじゃないか。私が逃げ出したら今度こそ皆酷い目に遭うかもしれない。そんなこと、絶対にさせない!
こうして私は新たな決意をに、皆と一緒に街へと戻るのだった。
【書籍化・コミカライズ】手札が多めのビクトリア〜元工作員は人生をやり直し中〜
ハグル王國の工作員クロエ(後のビクトリア)は、とあることがきっかけで「もうここで働き続ける理由がない」と判斷した。 そこで、事故と自死のどちらにもとれるような細工をして組織から姿を消す。 その後、二つ先のアシュベリー王國へ入國してビクトリアと名を変え、普通の人として人生をやり直すことにした。 ところが入國初日に捨て子をやむなく保護。保護する過程で第二騎士団の団長と出會い好意を持たれたような気がするが、組織から逃げてきた元工作員としては國家に忠誠を誓う騎士には深入りできない、と用心する。 ビクトリアは工作員時代に培った知識と技術、才能を活用して自分と少女を守りながら平凡な市民生活を送ろうとするのだが……。 工作員時代のビクトリアは自分の心の底にある孤獨を自覚しておらず、組織から抜けて普通の平民として暮らす過程で初めて孤獨以外にも自分に欠けているたくさんのものに気づく。 これは欠落の多い自分の人生を修復していこうとする27歳の女性の物語です。
8 173【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
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