《極寒の地で拠點作り》完全勝利
「そうよね、リザ」
「……はぁ」
信頼してか意地悪してか、はたまた両方かもしれないローズィさんの発言にリザさんはため息を吐きつつも構える。そしてすぐにリザさんはく。
「うん、まあ、そうです……ねっ!」
「はっ?」
リザさんの相手をしていた一人が気の抜けた聲を発して勢を崩した。リザさんが足を払ったのだ。
突然のソレに対応出來ずに隙を見せた男の人はその後グサッと首に一刺しけ、もれなく短剣の餌食となった。
その間僅か數秒。唐突、そして一瞬の出來事にもう一人は終始呆けるばかりだった。でもすぐに我に返って足下を気にしつつ構え直した。
「うおおっ!」
そしてすぐさま反撃に出る。それほど距離の離れていない二人の間を思いっきり駆けていく。対してリザさんはかかってこいと言わんばかりにかないままでいる。
「ナメやがってぇ!」
その様子に激昴して思いっきり振り下ろそうとする。そのタイミングでリザさんは手慣れたじの作で避けて、ついでに一人目と同じ様に足を払った。彼は勢い余って大袈裟に見えるくらい大膽な転び方を見せて気のっこに頭を打ち付ける。
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そうしてけなくなっている所をリザさんが馬乗りになって、
「あーあ、ちゃーんと足下見てたら良かったのにね」
「この……っ」
男の人は自分がさっきまで一番気にしていたことを指摘され、最期まで悔しそうな顔を浮かべてを掻き切られた。
「ぐっ、お前ら!」
「挑発に乗って勝手に注意不足になった方が悪いんだよ。それでローズィさん、殘り三人だけどどうします? 加勢しましょうか」
服に付いた土を払いながら提案するリザさんだせど、ローズィさんは首を橫に振る。
「その必要は無いわ。三人なら私一人でも問題無いもの」
「あ? 何だよそれ。さっきから黙って聞いてりゃ、々ナメ腐ったことばっか言いやがって。流石の俺達もそろそろ我慢ならねぇぞ?」
黙っても流石でもなければ、とっくのとうに我慢なんてしてないのでは、と思ったのはきっと私だけではないでしょう。でもそういうのを態々口にするのは野暮というものなので心に留めておきますが。
さて、數対多數という狀況でそれを明白にしたローズィさんですが、この後どうするのでしょう。優勢ではあるし人數をほぼ同じになるまで減らすことが出來たとはいえ、どの程度かはわかりませんが本気になったと言っていますしここから不利にならないとは言い切れません。何にせよ、目が離せません。
「……そうね。それにしても今日は良い天気だと思わない?」
「は?」
そんな不安を他所に、ローズィさんはいやに暢気なことを何の脈絡も無く言い出した。これには彼らも困して、
「お前、何言ってるんだ。いや、マジのボケだったら悪いが、ふざけてんのか」
と、若干心配と引きの混じった言葉を語気も比較的弱めに返してきた。
「失禮ね。學生時代はそれこそ『不思議ちゃん』とかあだ名は付いていたけど私は今も今までも至極健康よ」
「なっ! んだと? ふざけた奴だ、やっぱ我慢ならねぇ」
「あら、でもその割りに心配してくれたのよね。優しいじゃない」
「っ、その微妙にニヤニヤして言うのマジ止めろ。本気でブッ潰すぞ」
どうやら今のローズィさんは笑っているそうだ。あの口元かし緩む程度の笑みでしょうか。いやでも、ニヤニヤというくらいだからもうし頬を吊り上げているかも。し見てみたいと思いましたが、今はそんな狀況ではないのでした。
「ええ、やればいいじゃない。さっきから本気本気言ってもいるのに……あぁ、それにしてもほんとに良い天気」
「あぁ? マジでお前何言って」
「そのまんまの意味よ。良い天気、ええほんと――」
ローズィさんは言いかけて天を仰ぐ。表は確認出來ないけど語調はとても清々しそうなもので、私もつられて空を見上げようとした時、ローズィさんが後の言葉を紡いだ。
「――巖でも降ってきそう!」
瞬間、ズゥゥンという音と強い風が同時に起こった。低く重い大きな音と衝撃に私は思わず顔を引っ込めて目を瞑った。
揺れが収まってから私が最初に見たは立方だった。その印象的な巨大なに私は確信した。南の原っぱに現れた大や突起、そして立方はローズィさんの仕業だと。
それからもう一つ、例の謎のギルドホームはあの家のことだと今更ながら思い出した。もしかしてもしかしなくても、たった今あの立方に潰された、最初に案をしていた人が投稿者だったんだと思う。あの時も、ローズィさんは単に防衛策としてやっていたんですね。
「あれほど注意してあげたのに。潰れるのは貴方達の方だったわね」
私の決意や不安、迫した空気は何処へやら。ローズィさんはこうしてさらっと彼らを倒してしまった。
私が參戦することもなく二人で終わらせてしまったけれど、それはそれでいい、か……な?
「あれ?」
向こうの木に誰か居る? 薄暗い中に人型の……っ!
「ローズィさん!」
本當にチラッとだけど微かにし込んだがその誰かの手に握られている金屬っぽいに反していた。そしてその人の視線はローズィさんの背中に向けられている様にもじられた。これはもしかしたら、と思って咄嗟に聲を挙げた。
「っ、『跳躍』!」
するとその瞬間、潛んでいた誰かがローズィさん目掛けて一直線に飛び出していった。リザさんはまだ立方の向こう側だし、一番近いのは私だと思って考える暇も殆ど無くその技名をんだ。私は杖を振り上げて斜め前に跳ぶ。
「へっ、せめてお前だけでもっ!」
「やあぁっ!」
丁度、同じタイミングで背中に到達した私はその人の脳天に杖の先を勢い余さず思いっきりぶつけた。
「ぐぇっ」
男の人はカエルの様な間抜けた聲を出してよろめく。
「よくやったわ」
私が聲を掛けてからここまで一瞬の出來事。ローズィさんは振り返りざまに槍で一撃、それをもろにけた彼はそれから間もなく沈んだ。
「ふぅ、注意散漫だったのは私の方だったみたいね。ありがとう、リン」
周りを確認してからローズィさんは私に向かってお禮をしてきた。
「い、いえ、殆ど奇跡の様なものでした。もしかしたら失敗していたかも」
それに対し、私はし自なさげに返す。
実際、同じタイミングで同じ場所に行けるともわからなかった上に、行けたとしてもたった一撃ではきを止めるまでに至らなかったかもしれなかったから。
「それでも、よ。貴方が行を起こしてくれたから助かったの。大事なのは結果、素直に禮ぐらいけ取りなさい」
「は、はい! どういたしまして!」
ローズィさんに諭されて、私はし照れながら応える。やっぱりこの人、會ってまだ間も無いけど良い人だ。し不思議な所はあるけど、それもまたローズィさんの良い所だと思う。
「さて、後片付けでもしようかしら」
そうして彼は再度仲間が居ないか見回してから切り替えて言った。
「後片付けですか。確かに邪魔ですからね」
こんなにでっかい箱、こんな所に置いてあったら目立つし大変だ。あ、でもそんなこと言ったら草原にあのまま放置しているのはどういうことなんでしょう。
「そういう訳ではないのだけれど」
そうしたら他の意かある様だった。他のこととなると……何かありましたっけ。
「これから々お話を聞いてあげるんだよ」
「あ、リザさん。あの、その『お話』って?」
背後から現れたリザさんに私が振り返ってそれを問うと、何故か二人は見つめあって、
「ふふ、どう言えばいいのかしら」
「あはは、まあすぐにわかるよ」
と不気味に笑いあうばかりで勿ぶって話してはくれなかった。
私はこの後、自分の周りのが如何に怖いか知ることになる。
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