10年前、俺は目を奪われた。誰にも予測されなかった彗星に。その後、人々は不可解な能力に目覚めた。人々はその能力を魔法と呼び、それに特化したものを魔師と呼ぶようになった。

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「ふう。」

俺、黒宮 優くろみや ゆうは道場で大の字に寢転がった。俺は立ち上がるとまた竹刀を握り振る。とはいえ、これは剣道ではない。でも闇雲に振っているわけではない。俺の父さんから目で盜んだ剣だ。

俺の父さんはある剣道の流派の師範代だった。しかし弟子などはとらず自分をただ強くしたいという思いで剣を降っていた。俺はその剣を目で盜み、俺の自己流の剣に利用した。

でも、全部盜む前に父さんは死んだ。俺が14歳、強盜に襲われ奇跡的に俺は生き殘った。俺はそれから１人暮らしだ。

俺は自分を守るために鍛えた。俺は魔法が使えない。

このことを何回も恨んだ。もうどうしようもないのにな。

さて、腹が減った。昨日の殘りのご飯を溫め茶碗に掬う。冷蔵庫の中から納豆のパックを取りだし、蓋を開ける。タレをかける前に箸でかき混ぜ、タレ、からし、ネギ、生姜、胡麻油をかけ、またかき混ぜる。

できあがった納豆をご飯の上に乗せ、次は味噌を準備して食べる。溫かく味しいご飯を口の中にかきこんだ。

「ご馳走さま。」

俺は皿を洗い、制服に著替え、リュックを背負う。そして、

「行ってきます。」

俺は影に挨拶をして、ドアを開けた。