青髪をたなびかせ宿屋の中の酒場の一角に陣取る浮浪者アズは、今日も今日とて悩み中

「フレンドって・・・どうやってつくるんだ・・・」

生まれてこのかた友達が數えるほどしかいない俺はいきなり窮地に追い込まれていた

酒場ではまず自分のプロフィールを書き、その條件を見て仲間にしたいと思った冒険者が付に申請

顔合わせをして改めてPTを組むパターン

その逆で自分から付で付名簿を確認、仲間にしたい冒険者を紹介してもらうパターン

そして勝手に話合って勝手に仲間になるというパターンがある

ちなみに紹介してもらう上二つは手數料として5R必要となる

よって所持金の無い俺は必然的に自分からスカウトするかされるかになるのだが・・・

俺は人と話すのが苦手だ、特に初対面の人にはどうやって接すればよいか全くわからない

そうこうしているうちに酒場の一角に陣取るという形になっているのだ

今いる待合い場に冒険者は俺含め12人、珍しく冒険者もいる

腰までばした金髪にサイドテール

赤い瞳のし背の低いの子が黙々とごはんを食べている

時折こっちやを見て「話しかけようぜ！」「でもなんか話しかけるのに張するな」等という聲が聞こえる、なんで俺だと張するんだ？あの子ならわかるが、と疑問に思っていると酒場の廚房からスタッフらしき人が現れる

「お客様、大変申し訳ありません！食事が間に合わず大変お待たせしております」

あまり混んでる風には見えないが？

不思議に思いながら様子を見ていると、スタッフが二階スペースに食事を持っていくのが見える

なるほどここの宿は部屋まで食事を運ぶサービスもあるらしい

急に冒険者の宿泊が増えた事により廚房が回らなくなってるのかと一人納得

ホールから見える廚房はスタッフがせわしなくき回っている

これ以上待っている事に気がめいった俺は廚房のスタッフに聲をかける

「よかったら手伝いましょうか？接客は無理ですがこれでも料理はそれなりにできます」

スタッフは驚いたような顔をしたがすぐに真剣な顔になり

「本來頼めるものではないが雑務を頼んでも良いだろうか？」

その時システムログが流れた

＜クエスト：廚房の悪夢が発生しました＞

連日賑わう廚房が今日はさらに大繁盛！今は貓の手でも借りたい！

達條件；廚房を落ち著かせる　達報酬；50R、料理人の包丁

思わぬところでクエストが発生した、元々手伝うつもりだった俺は迷わずYES

さぁ！ファーストミッション開始だ！

廚房には髭面の強面ドワーフ系のコック帽とスタッフが6人

「皿洗いをお願いしても良いかな？」

スタッフの一人から頼まれる

普段家で慣れてるのが幸いしてささっと終わる、これなら一人でも余裕で捌ける

途中宿に宿泊してるであろう冒険者が大喜びでんでいる、緑髪のミディアムヘアー、なかなか整った顔立ち、背も平均より高くイケメンといえるだろう、名はグレイ

「やった！ついにLv10になったぞ！」

「おいおいまじかよ！やったなひっきー！」

「10になるとどうなるんだ？ひっきー？」

「10になると新しいスキルが一つと・・・転職ができるようになるぞ！説明では、あなたのステータスによって冒険者ギルドからなれる職業が用意されます・・・だとよ！俺ちょっと行ってくる！」

興味深い話に聞き耳をたてる、しかしひっきー？名前はグレイと表示されているが？

と思案しているとコックが肩を叩いてくる、やっべサボってるみたいになっちまった

おろおろと振り返るとスタッフが豪快な笑顔を浮かべ

「おめぇ料理もできるっていってだな？下ごしらえの手伝いも頼めるが？」

サボったと思われてない事に安堵しつつ了承

下ごしらえをしてるとコックが真剣な眼差しで見てくる

その強面顔でガン見は怖いのでやめてほしい

「おめぇ・・・！料理を作ってみないか？」

更にグレードが上がってしまったが毒を食らわば皿までだ！

黙々と料理を作っていく、コックの強面顔がどんどん険しくなっていくのはやめてほしい

ガン見といえば先ほどから金髪も料理を作ったはしから食べつくしこちらをガン見している

よくそんな系でそんなに食べれますね？ゲームだからか？と疑問に思うほどだ

あれから數時間、やっと客を捌き終わった俺は機に突っ伏していた

途中夜の代のスタッフが來てからやっと解放されたのだ

＜システムログ：クエスト、廚房の悪夢が達されました＞

思わずげんなりしそうになったがスタッフが謝を述べている手前想笑いをしておく

「そうだ！これは報酬だよ！」

＜システムログ：50R、料理人の包丁を手にれた＞

報酬と聞くとやはりうれしいものがある、早速料理人の包丁の能力を確かめる

＜料理人の包丁＞　耐久値（100％）

スキル、料理人で素材を加工することができる

攻撃力＋2　俊敏－1　斬屬　１

武としても使えるのか！

「これは奇襲用の武として使えそうだな！」

包丁片手に喜んでいると強面コックがこちらに歩み寄る

「おめぇ・・・もしよかったらまた手伝いにきでくれ！これは俺がらのおまけだ！」

＜システムログ：100R、コック帽を手にれた＞

強面さん太っ腹！見た目通りの太っ腹！強面なんて言ってごめんなさい！でももうここで働きたくないです！

いそいそコック帽の詳細を確認

＜職人のコック帽＞　カテゴリー：頭防

防＋1

職人の汗が染みこんだ立派なコック帽、代々認められた者にけ継がれる

ん？これってつまり・・・

強面さんをチラ見、コック帽をつけていない

・・・この裝備はアイテムストレージから出る日はなさそうだ、遠い目をしていると不意にログが流れる

＜システムログ：アズはLvが４になった＞

「なんですと！？」

完全に忘れていた！肝心のスキルは一何を取得したんだ！

＜Ｌｖ4

＜ＨＰ18　ＭＰ7　力5　防3　知力6　俊敏5 運8　殘12Ｐ

 ＜スキル：見切り、隠、逃走、自然調和、獨力 枠外　霊、人形使い、料理人

＜料理人＞

料理の生産をすることができる、また店を買えば料理店を経営することができる

取得條件；廚房で料理を作る

やってしまった！よりによって生産職のスキルを手にれてしまった！

しかし料理店を経営出來るのか・・・將來的には店舗を持つのも悪くないのかもしれない

喜び半分悲しみ半分で酒場のホールに戻り視線を彷徨わせる

どの席も満席、恐らく料理を作っていた時に埋まったのだろう、來た時はこんなに人いなかったよな？

「仲間探しは諦めて包丁の切れ味でも確かめるか、それとも冒険者ギルドでクエストをけるか」

ポツリと呟くと引っ張られる覚に襲われそちらに視線を向けると先程のが服の端をクイクイと引っ張っている

「・・・」

「・・・」

お互い無言で數巡

気まずい！何！？何なの！？俺何かしたかな！？

するとはメモ帳を取り出しメモをこちらに見せる

[ご飯味しかったです、また食べたいです]

その文字と一緒にフレンド申請が飛んでくる

・・・えーと？

は無言でコクコクと頭を縦に降りまたメモをこちらにみせる

気なのか強気なのかわからない態度の差に戸うんですけどこれ

[一緒に食材探しに行きませんか？]

「つまり食材を探しに行ってあわよくばそのまま調理してもらいたいと？」

再びコクコクと頷く

理由はアレだがここで斷ったらフレンドを作るのにまた時間が掛かりそうだなーと申請にYES

というよりまだ食べるのかこの子

「えーとこれからよろしく？」

[よろしくお願いします！]

＜ルピー

＜Ｌｖ3

＜ＨＰ20　ＭＰ0　力15　防4　知力1　俊敏13 運8　殘0Ｐ

＜スキル：刀剣、魅了、移速度上昇、無言の圧力、飢狼 枠外、攻撃の型、狂人化

＜無言の圧力＞　エピックスキル

対象を威圧し恐慌狀態にする、音聲チャット、チャットを使用不可能になる

取得條件；無言のまま対象を沈黙させる

＜飢狼＞　エピックスキル

満腹度が減れば減るほど力が上がって行く、空腹になりやすくなる

取得條件：満腹度が０％のまま戦闘を一定時間行う

エピックどっちも呪いみたいなバッドステータスだな！？

だが攻撃方面に関しては期待してもよさそうだ

が無言でニコニコしているのでもうどうにでもなれだ！