「いや不可抗力やってん！道端で満腹度0で今から死にますってじやってん！！」

これ以上何か言うと逆に自分の首をしめそうな気がするが・・・

そんなフーキを片目に今も尚姉に抱きしめられながら飯を食べ続けるルピーに視線を向ける

今日は和裝にボディアーマー裝備

あぁ、多分好きなだけ食べさせて自分のR全部使い果たしたな

そんな視線を知違いしたのか姉が小聲で

「そんなに羨ましそうにしなくても後でぎゅーってしてあげるよー？」

誰も頼んでないしそんな事しようものならLV差にを言わせて即狩る

未だ弁明を続けているフーキに助け舟を出す

「まぁフーキなら仕方ないか」

「みき君なら大丈夫だねー良かったー」

姉もフーキという事で安心したようだ、しかし

「姉さん、ゲームの中ではゲーム名で呼ぶのがネチケットだよ」

姉は頭にはてなを浮かべているとフーキが補足する

「ネチケットっていうんわネットのルールみたいなものやねん、んでネットではリアルネームで呼ぶのはあかんくてわいの場合フーキ、青姉さんの場合はサトミさん、ひろの場合はアズみたいなじやね」

ほへーっと半分わかってないような姉はわかったように頷いている

「じゃあルピーちゃんも本名は別にあるんだねー」

いくらキラキラネームありきのご時世でもルピーと名付けるのはなかなかの猛者だろうに

「そういう事、ところで姉さん、BGOの、想はどう？」

「んー！すっごいねー！まるで海外旅行に來た気分だよー」

まぁまぁの好のようだ、このまま布教を続けてこの前の過ちを繰り返さないようにしなくては

「じゃあこのままブルーラット討伐に行こう！戦闘もこのゲームの醍醐味なんだよ！」

戦闘と言う言葉に姉がし悩んだ顔をしたが

オンラインゲームで戦闘しないってのもなかなか味気ない

「それなんやけどアズ、西の町に迷宮都市があるのは知っとる？」

全くの初耳だ、俺はこの街近辺しかまだ行ったことがない

「1日1回場可能なんやけど、その迷宮ダンジョンやと皆んなる時レベル1になるんや、スキルはそのままでステータスが今の能力をLV1にした時の數字になるねん、簡単にいうと不思議のダンジョンみたいなじやね」

それは面白そうだ

「けど隣町に行くには大分時間かかるんじゃないか？」

「一回行ったことがあるメンバーがいたら転移ポータルで一瞬やで」

つまりフーキは行ったことあるのか

「面白そうだな・・・kwsk」

「まずそのダンジョンは階層ごとにモンスターが違うんや、ブルーラットに慣れたわいらと一緒ならわいらも楽しみたい。それに裝備品はレアなが出ることが多いんや、金欠な今そこで一攫千金をねらいたいんや」

恐らく後半が本音だろう

だがなかなか魅力的な提案ではないか

「いいね！じゃあ俺、サトミ姉、フーキの三人で行こうか！」

「わたしはー二人についてくよー」

姉がのほほんと言う、姉の裝備も落ちると良いんだが

そこで袖をクイクイと引っ張られる

ルピーがメモを持ってこちらに見せている

[私も一緒に行きたいです、ダメですか？]

斷る理由なんてない

「もちろ・・・」

「あったりまえだよー！ルピーちゃんは私が守るよー！」

俺の決め臺詞を取った姉

多分姉が守られる事になるんだろうけどなぁ

「じゃあフーキ、移ポータルへの案頼んで良いかな？」

「かまへんよ、はなからそのつもりやったし」

死累々の酒場を抜け出し街中を歩く

店地帯では姉が興味津々といったじなのでショッピングがてら先に進む

「あんらぁ！アズちゃんじゃなぁい！今日は大所帯ねぇん・・・」

耳にねっとりしたボイスが聞こえてくるので冷たく返事をする

「どうも、人形の修理お願います、あとちゃんはやめろ」

「珍しいもんやね・・・人形屋・・・知っとる所やとわいらしか會った事ないで、この人」

「ここの人形も可いー！・・・あれ？店員さん・・・どこかで會ったような」

姉が頭をかしげている

「この前のリアルでの買いの時じゃないの？」

「うーんそんな最近の事じゃなくて・・・思い出せないからいっかー」

なんだ、この前の事ではないのか、というよりやっぱりあの時あの後の事が思い出せないな

[食べを作れる人形はありますか？]

隣の金髪っ子に関しては平常運転だ、気より食い気といった所か？

「ざんねんだけどぉん、それは育て主次第よぉん」

ルピーが目を輝かしている、育て方によっては作れるって事だもんな

アイテムストレージを開いてションボリしている、さっきのクイーンとしての仕事で全財産使い果たしたなこの子

アリスアルとジローをけ取ると

手早く裁道を取り出し耐久値をＭＡＸにする

「かんせいよぉん！」

ピカピカになった二をアイテムストレージに戻し禮を言う

「最近惚気メッセージがうざいんでやめてください」

「いやぁん！のろけなんてぇん！はずかしぃん！」

アリスがクネクネしだす、これが俺からの最大級の禮だよ、ほんとメッセージはやめてくれ

アリスをその場に殘し店通りから離れた所で他の三人が変な表をしている

「まぁあんなんだけど良い人なんだよ」

三人は頭に？を浮かべている

ん？おかしなこと言ったかな？

「なんやろ・・・なんや意識が朦朧としとんねん」

[頭グルグルします]

「うえーお姉ちゃんなんだか疲れちゃったみたいー」

三人とも人込みに寄ったのか？し休みながら行くか

店通りを抜けた空き地でし三人を休ませ再び移ポータルに向けて歩き出す

初日に門した門の、監視小屋につく

「ここの監視小屋に移ポータルがあるんやけど」

「あるんだけど？」

「そういや一人20R必要やったわ」

フーキを見るとお金がないアピール、ルピーはもちろん0、姉は持っているだろうが初心者に出させるのは言語道斷

溜息をつきながらフーキに80R渡す

「ちょうど大森林クエストと廚房クエストで余ってるから使って良いよ」

フーキが「堪忍な」と小聲でつぶやき、門番に話しかけると中にれてもらえる

中は狹い空間、足下に魔法陣が白く発している

これは熱だ

ワクワクしながら魔法陣に乗る俺を姉が微笑ましく見ているが好奇心には勝てんのだ

四人が魔法陣に乗ると厳かなローブを著た魔師が現れる

「準備はよろしいかな？」

皆んな一斉に首を縦に降る

「よろしい・・・他に客はいないようだな、では・・・」

ゴクリとがなる

「若き旅人達に幸あらん事を」

魔師が杖で魔法陣を叩くと視界が真っ白に染まり浮遊に襲われる

思わず目を閉じ、目を開けると別の空間にいた

紫の魔法陣の上、石造りだった部屋から木造の部屋に

ブーメランパンツにマントをつけた魔師が杖を片手に某ゾンビゲームの武商人の如く言う

「ウェルカム！」

どうやらまずはこの出狂を倒す事から始めなくてはならないようだ