広い広い大海原をボロボロの小型船で進むアズ

何か見つけたのでしょうか？

気持ちいい風にあたりながら海面をのぞいているようです

◇

「オロロロロロロロ！」

船旅に出て何度めかのリバースをした俺は船の上で大の字に橫になる 

空はどこまでも青く、上空では鳥が楽しそうに飛んでいる

「うっぷ・・・」

胃の中からじる酸っぱい覚で俺は魂が抜けたように空を見つめ呟く

「いつになったらつくんだ・・・」

オクトリア目指して一何日がたっただろうか

當初危懼していた食料や水分の問題はなんとかなった

しかし俺は長い船旅で食がなくなり完全にダウンしていた

視界の端には風でカピカピになったぬいぐるみのアル

「いつの間にか海獣のアミュレットも落としてるし・・・」

暗い気持ちで船の上を転がり回る

う・・・転がったせいでまた気持ち悪くなってきた・・・

再び船の端に移して海面をのぞく

そんな俺を気遣ってくれているのか

アルがキーキー言いながら俺のローブの裾を引っ張る

「アル・・・気持ちはありがたいが・・・いたい！？アル！？やめ！？」

裾を引っ張るのをやめて引っ掻き出したアルに違和をじて周りを見渡す

よくよく目を凝らして遠方を見ると何かの建造が見えてくる

「・・・陸だ！」

急ぎマップを開くとオクトリアという文字が浮かんでいる

「ついに・・・ついに著いたー！」

歓喜の雄びをあげながら再びリバースするのであった

◇

海園都市オクトリア

その歴史は深く、まだ人類が生まれ前、神々の時代から存在していたとされている

海辺には白亜の城が建てられ、この世界では數の教育機関が存在する

                                                      グラフ幻想譚

商業地區を歩きながらオクトリアの基本報を確認する

「教育機関・・・學校があるのか！」

白亜の城の隣に建てられている巨大な建造に視線をやる

「今まで王様に會いにきたりで実はあんまり探索してないんだよなぁ・・・」

興味はあるが・・・今回は神様召喚の儀式道探しに來たのだ

思いの外船旅に時間がかかったし寄り道している暇はない

マップを開き目的の場所を見つける

「神様といえばここだろう」

白い石材で出來た建、一番高い位置には十字架が飾られている

そう、教會だ

教會にるとちょうど何もせずに歩き回っているシスターを見つける

地味なシスター服に丸眼鏡、茶のおさげが特徴の

パッと見あまり話が好きではなさそうなイメージだ

長話するつもりもないし、聞くこと聞いたらさっさと退散しよう

そう思いながらに近寄る

「あのー」

はビクリとを震わせて俺から距離を取る

「な・・・なんでしょうか？」

これはもしかしたら人選ミスだったかもしれない

の反応に若干傷つきながらも話を切り出す

「実は神様について聞きたいん「信希の方でしたか！」

が一瞬で距離をめて俺の手を握っている

「あ・・・いや・・・神様ってどうやってウマレルノカナーッテ」

「偉大なる神々の生誕について興味がおありなのですね！」

は満面の笑みでウンウン頭を振るうと大聲で語り出す

あまりの大聲に近くにいた神達が集まってくる程だ

これは・・・人選ミスだったな・・・

教會の椅子に半ば無理矢理座らせられた俺は

抜け殻のように數時間の演説を聞く羽目になった

「であるからして！我々オクトリアは海神アトラハルトにより永遠の繁栄をもたらされたのです！」

が両手を広げて教會の奧に設置されている彫像に跪くと祈りを捧げだす

周りでは神達が涙を流しながら拍手している

そんな様子をゲンナリと見つめる俺に再びが歩み寄って來る

まだ興の余熱が殘っているのか頬を赤く染め若干息が荒いが俺の肩を摑む

「では！信されますね！」

「いやいやちょっと待って！？そんな流れだったか！？」

は不思議そうに小首を傾げる

これはマズイ

「そそそそういえば神様って召喚できるんですよね？」

このままでは勢いに押されて信させられそうなので當初の目的を話して話題を逸らす

しかし俺の言葉を聞いたの目がすわり怪しくる

あ・・・あれ・・・？

「・・・その通りです、ですが一何故そのような事を聞かれるのですか？」

今までと全く違う雰囲気のの様子に頭の中で警報が鳴り響く

よく見ると周りの神達も各々杖や短剣を取り出している

「ええええっと！そんな偉大な神様なら是非會ってみたいと思いましてええええ！」

俺の発言には俯いてプルプル震えだす

流石に苦しすぎるか！？

いつでも逃げれるように退路を確認しながらの顔をのぞく

「そこまで熱心な信徒は初めてです！ええ！ええ！」

俺の視界がの顔で埋まる

近い近い近い！

「これは報なのですが！この街の學園には偉大なる神の書が保管されているのです！殘念ながら學園には立ちることは出來ませんが貴方ならいずれお目にかかる事が出來る事でしょう！さぁ！この信書類にサインを・・・あれ！？迷える子羊は何処に！？」

が書類を取るためにクルリと背を向けた瞬間に隠を発

こっそりと教會から抜け出した俺は汗をぬぐって學園への道を歩き出す

「危ない危ない・・・どこの世界でも宗教団には関わらないほうが良いのかもなぁ」

そんな想を抱きながらしばらく歩くと學園の門にたどり著く

門では見張りが二人こちらを警戒して睨んでいる

すごい睨まれようだ・・・何かおかしいかな？

近くにあったお店の窓ガラスに映るボロボロのローブ姿を見て納得する

「流石に怪しいな」

俺は口笛を吹きながら近くのお店に逃げるようにり込む

「さてどうやってるかな・・・やっぱり潛が一番手っ取り早いかな？」

店の窓ガラスから外を確認て作戦を練る

「となるとやはり夜に「いらっしゃいませー！！！」

突如後ろから話しかけられて棚にダイブする

「何事！？」

「いらっしゃいませ！いらっしゃいませ！その商品をお求めですか？」

俺の手元には棚にダイブした拍子に手にした服が一著

商品を急いで元あった場所に戻すが店員は満面の笑みで俺の戻した服を手に取る

「學園への転生の子ですね！」

「へ？」

店員は俺の背丈を確認すると店の奧に引っ込み同じ見た目の服を持ってくる

「ではこちらをどうぞ！」

店員に押されるように試著室に押し込められる

「どうしてこうな・・・いや・・・制服なら堂々と潛出來るんじゃないか？」

俺は渡された服を試著する

ふとももまであるセーラー服のような裝飾がされた上著と短パン

これが制服だというのか・・・？

俺は頬が熱くなるのをじながらワンピースの裾を摑んで試著室を出る

「おい店員！男の制服は無いのか！？」

そんな俺の抗議の聲に店員は相変わらずの満面の笑みを浮かべる

「學園は男共にその制服ですよ？なんでも學園長と國王の趣味だとか」

だめだこの國・・・はやくなんとかしないと・・・