《BioGraphyOnline》第八十九章 グラフ城のシンデレラ
「あんらぁん!さいっこうにキュートよぉん!」
奇聲をあげてクネクネするアリスにタックルをかまして黙らせる
「・・・なんか喜んでる?」
「可い子がじゃれてきたら誰でも喜ぶわよぉん!」
視界を覆い盡くす紫の化けにゲンナリしながら立てかけてある鏡を見る
「なぁ?やっぱちょっと可すぎないか?多分このドレス著てればそれだけで・・・」
「ダメよぉん!」
珍しく本気の形相のアリスにたじろきながら頷いてしまう
「わかればよろしぃん!」
「まさか俺からこんな格好する事になるとは・・・」
現在俺はリッチーから貰ったゴシックドレスを著ている
しかもアリスによってとびきり可いく仕上げられてしまったやつをだ
今回時間が無いという事で急遽アリスに二週目をしている事を告げたのだが・・・
當初は驚いていたアリスだが現在は嬉々として俺の髪をいじっている
「これは世界の為これは世界の為これは世界の為」
虛空を眺めながら呪文のように自分に言い聞かせる
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そう、今日は舞踏會の日
今日の夜グランが召喚した神により世界が滅ぶ
そう・・・時間が無いのだ・・・そして時間がない末に考えたのが・・・
「これならハニートラップ作戦も完璧よぉん!!」
そう・・・ハニート・・・國王と二人きりになった所を襲って王冠を奪うのだ
國王は海獣のアミュレットを裝備出來る人間を探している
それを最大限に利用しようという事だったのだが・・・
かつてこれ程の試練はあっただろうか
舞踏會場までの道を俺はアリスとドルガさんの影に隠れながら歩いている
知り合いにバレないようにというアリスの好意なのだが・・・
「ほらほらアズちゃん!ここからは一人よぉん!大丈夫?」
「あのぢいさがっだアズ様がごんなに立派になりやがっで・・・」
なんか完全にオトンとオカンみたいなじになってしまっている
俺は震える足に気合をれ、二人を後方に殘して周囲を見渡す
元々アリスとドルガさんという異の組み合わせで目立っていたのがまずかった
二人から離れた所に出た俺は完全に注目されていた
『おっふ・・・て・・・天使か?』
『なあ!おっふ・・・アズさん!?』
『おっふ!?アズ様のお通りだだ!道を開けろ!』
俺の前の冒険者達が英雄の凱旋のように左右に分かれてポーズを取っている
「アズちゃんいってらっしゃ~いん!」
呆然としていた俺はアリスの聲で我に返り後ろを振り向く
「いってきます!」
俺の言葉に後ろでドルガさんが洪水のように涙を流しているが
「だからなんでオトンみたいになってるんだよ・・・」
左右に分かれた冒険者達を背後に、王城の前に著いた俺は會場にるため転移ゲートに足を踏み込む・・・前に門番に止められる
「ああ君!君はこっちだよ」
「・・・どういう事?」
門番は転移ゲートではなく門を開けて待っている
「國王様の新しい政策でね、小さい子は小さい子同士で仲を深めたほうが大人になって自由な発想が出來るとかなんとか」
門番が遠くを見ながらコピペしたような文章を口にする
なるほど一理ある
俺が最初にったルームでは貴族と冒険者の間にどろどろとしたがあったもんな
でも・・・
「ほんとのところは?」
「・・・」
門番は遠くを見ている
「ほんとのところは?」
「実はそれと一緒に人探しもしているとか・・・おっとほんとにこれ以上は言えないぞ?」
門番がさっさといった!いった!と押してくる
大方海獣のアミュレットを裝備できそうな子を厳選しているのだろう
「まぁそのほうが都合が良いけどさ・・・」
俺は溜息を吐きながら會場のドアを開け・・・
にこやかな表で料理を食べるルピーを見てドアを閉める
「・・・ドウヤラココニモクテキノモ「アズちゃん!」
背後から軽い衝をじ後ろを振り向くとアクアが満面の笑みで抱き著いていた
「ど・・ドチラサマカナ?ワタシアズチガ「アズじゃないか!!」
更に後ろからアレクが顔を覗かせてくる
「アズちゃんその恰好のほうが可いよ!」
「けど僕達より大分前に場したはずなのになんで口に?」
二人が各々の想を口にする
「あの・・・その・・・」
何と言えば良いのか頭を悩ませていると背後の扉がガタンと開く
そこにはチキンのような何かを口に頬張ったまま仁王立ちするルピー
ルピーは手元のメモ紙をこちらに見せてくる
[話は食べながら考えましょう!]
ルピーの威圧に俺達はそのまま會場にりテーブルに座る
そして何事も無かったようにまた食事を再開するルピー・・・だが・・・
彼は基本飯の事しか考えていないがたまに仲間思いな所もある
もしかしたら今回も・・・
俺は隣で食事を食べるルピーを見る
もしかしたら・・・・
ルピーが新しい料理を催促し始めた
やっぱ食べたいだけだったのかもしれないな!
ルピーに催促された料理人は慌てながら會場を往復しているのを眺めながら溜息を吐いて今までの経緯を話す
「そ・・・そんな事が起きているのか!?」
「へー!すっごーい!」
[お腹が空きました]
俺の説明に三者三様の答えが返って來る
「というわけでちょっと王様を探してるんだ」
壊れたおもちゃのように首を縦に振るアレクが我に返って料理人を指さす
「それなら問題無いんじゃないか?」
そこでは料理人が誰か貴族にぶつかったのか土下座している
「一何事であるか!余を誰と心得る!」
「ははあ!申し訳ありません國王陛下!」
あ・・・國王じゃん
國王は料理人の謝罪に「もうよい!何があった?」と優しく肩を叩く
「ははあ!実はかの剣豪様が料理をご所でして!」
「ほう・・・」
あ・・・國王がこっち見た
「・・・・」
「・・・・」
國王が目をこすってまたこちらを見ると、驚きの速さでこちらに近づいてくる
「そこの君、しこのアミュレットを裝備してくれないか?」
俺は言われるがままにアミュレットを裝備する
國王はアミュレットが裝備された事を確認して頷く
「おまえが・・・しい!」
どうやら國王は今度こそパニックに陥いったようだ
「ま・・・待ってください!何か々話が飛んでるんでとりあえず二人で話さないですか?」
國王は俺の提案を瞬時に諾
俺の手をとって會場を出ると近くの部屋に案する
「えーっと・・・それで・・・」
「しばし待たれよ!」
國王は深呼吸をするとブツブツ一人で何か言いだす
「実は余は・・・ずっと・・・ずっと・・・」
・・・今なら時間の確認が出來そうだな
俺は時間を確認するべくシステムウィンドウを開いて・・・
長らく表示されていなかったログアウトが表示されている事に気づく
「まさか・・・!?」
今までとの違いに嫌な予が走るが
ついでに國王も走ってきた
「ア〜ズ子ちゃ〜ん!!!」
俺はルパンダイブをしてくる國王を杖で毆り倒す
「はっ!ついやってしまった!!!」
息をしているか確認をする
國王は痙攣しながらもどこかうれしそうに白目をむいている
・・・どうやら生きているようだ
「と・・・とりあえず!!!」
俺は國王の裝備から神々の石を取り出してベランダに出る
そこでは大きなコウモリ姿のロビンが待っていましたというように翼を広げている
俺は急ぎ巨大コウモリに神々の石を渡してログアウトする
「もう・・・時間がない!!!」
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