《BioGraphyOnline》第㊙の2の後話 そして伝説へ

悪魔界の掟には、悪魔の王をイタズラで決める風習がある

その風習はイタズラの大小関係無く、イタズラを功させた者を勝者とする

故に悪魔種にとってイタズラとは己が全てをかける儀式である

そして全ての悪魔種の頂點たる存在は、イタズラにおいて決して負けてはいけない

by グラフ幻想譚

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「つまりヴァンプの琴線にれてしまったわけだ」

俺はBGOのwikiを閉じて後方を振り返る

不気味な程白かったは、マントが溶け込むように取り込まれ真っ黒

細見だったは筋が隆起し、その全長を縦にも橫にもばしている

そんなヴァンプが腕を振るうと、大気が振して地面が跡形も無く蒸発する

「ふむ、貴様の國ではこういうのだったな」

ヴァンプが牙を剝き出しに獰猛に笑う

「トリックオアトリート!」

「イタズラってレベルじゃないんだけどぉ!!??」

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むしろ完全に殺しにきてるんだけど!?

とととりあえず、このままイタズラを続行するのは死を意味しそうだ

ヴァンプが放った衝撃波の方向を確認すると、大地が裂けて黒い薔薇のようなが生えてきている

俺自はリスポーンすれば良いだけの話だが、このままでは俺よりも先に街が消え去る

「待て、待ってくれヴァンプ!イタズラっていうのは冗談だ!」

「ワッハッハッハ!ならばこの國の消滅を持って詫びとしようではないか!」

どっちもバッドエンド直行なんですけどぉ!?

ヴァンプから繰り出される拳圧によって街の一角が蒸発する

「ヴァ・・・ヴァンプ!?お菓子持ってるんだよね!?なら俺のイタズラは立しえない!」

「ワッハッハッハ!ならばこの菓子を手にれる事が出來たならば認めてやろう!」

つまりどっちにしろ暴れるんですね!?

俺はヴァンプが懐から取り出した菓子を確認する

袋にはポップな文字で、涙確定!みどろ風味のロールケーキの文字

なんとも食をそそらないネームタイトルだ

あんな誰もしがらないだろう!?

俺は心の中でびながら相棒を振り返る

「ルピー!とりあえずヴァンプを街から遠ざけ・・・ルピー?」

俺のびにルピーは立ち止まりヴァンプに相対する

「あの?ルピーさん?なんで立ち止まって・・・なんで剣構えてるの!?」

ルピーは俺の方を振り向くとメモをこちらに向ける

[あの人はお菓子を持っています]

書き毆ったように書かれた文字から、彼にしては珍しくマジギレしている事が伺える

[その事を隠したあの人は・・・萬死に値する]

あっ、しがる人いましたねぇ!

ルピーはメモをこちらに向けると同時にヴァンプに向かって突進する

ああ・・・この子は一どこを目指しているのだろう

ルピーはおおよそ人の目では視認不可能なレベルまで加速すると、多數の殘像を殘しながらヴァンプの首筋向かって振りかぶる

「おお!?これはもしかしてやったか!?」

いくら悪魔種といえど首筋を切り裂かれたらただでは済まない筈!

俺は期待に顔を輝かせ・・・

キィンというおよそ刀で斬られるのとは無縁の音を耳にして真顔に戻る

「ワッハッハッハ!!中々良いきをするではないか!」

ルピーの剣を首の筋のみで防いだヴァンプ

高笑いをあげながら刀事ルピーを上空に投げ飛ばすと、そのまま両手を広げて全からビームを出する

遙か上空に投げ出されたルピーは空中を蹴って避けようとするが・・・

ヴァンプから出された極太ビームにすすべなく粒子になって消えていく

その表は心底悔しそうであった・・・

俺はプレデタールピーに向け合掌する

「さよならルピー・・・そして・・・」

ルピーの消滅を確認したヴァンプは満足そうに頷くとこちらを振り向く

ヴァンプがヒュンという音と共に俺の視界から消えると共に、背後から強烈なプレッシャーが放たれる

「ワッハッハッハ!次は貴様の番だぞ!」

ああ・・・今回もダメだったよ・・・あいつは話を聞か(ry

凄い激痛を覚えた俺が、次に目覚めたのはリスポーン地點であった

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二人の冒険者を跡形も無く消し去ったヴァンプは、悪魔領に帰る為にグラフ平原を橫斷していた

「ワッハッハッハ!あの冒険者であればもしやと思ったが・・・」

どうやらまだ時期尚早だったらしい

ヴァンプは一人納得したように頷くと、自分の視界の端に映る文字を興味深そうに見つめる

<システムログ>

急クエスト発生中:荒ぶる悪魔の王>

以前は視認出來なかった、しかし見えるようになったシステムログという謎の文字

「いつ見ても奇異なであるな!」

ヴァンプは笑いながら空中に浮かぶ文字が消えるのを待つが

しかしどうやらクエストとやらはまだ継続されているようで、一向に消える様子が無い

はてどうしたものか?

ヴァンプが首を傾げると、視界の端に小柄なゴスロリ服のが映る

「ワッハッハッハ!そういう事か!頭が弱い死霊種にしてはよく考えたではないか!!」

笑いかけられたは首をありえない程傾けると愉快そうに笑う

「アハハ!トリックオアトリート!悪戯大功だネ!」

なるほど全てリッチーの企みであったか!

そうであればこのイタズラの首謀者は実質三人となる

クエストが消えないのも、三人目がいまだ健在だからであろう

しかしこの愉快な馬鹿にそんな事を考える脳は無いと思っていたが?

「ヴァンプは知ってると思うけド!ボクは相當負けず嫌いだからネ!」

何の事を言ってるのか記憶を掘り起こしていると、ネクロニアでリッチーと戦った事を思い出す

おそらく以前途中で戦いを辭めた時の事を話しているのだろう

「頭の良い亡者がいてネ!この國で存在を確立させる代わりに知恵を借りたってわけサ!」

リッチーが黒いを手にとると、名狀しがたきに形を変形させる

「頭の良い亡者とはまた面妖な輩であるな!」

しかし再戦がおみなのであればこちらからしてもありがたい

「ワッハッハッハ!冒険者の國では死人に口無しという言葉があるらしいぞ?」

イタズラを功させてしまったという憤りのせいか

魔力が溢れ出し、日中にもかかわらず月が浮上する

そんな様子を見たリッチーはコロコロ笑う

「殘念!ボクは喋りつづけるけどネ!」

これまたリッチーから溢れ出る魔力により、地上に亀裂が走り亡者が溢れ出す

かくして、再び雌雄を決する事になった二の戦いの結末は

グラフ平原東の消滅と共に、誰にも知られる事は無かったのであった

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