《デスゲーム》クリア報酬

俺は校門を飛び出し、進高への道を全力で走った。

「ちっ、んだよ!はぁ、こんな時に!はぁ、もしもし!?」

「お前、何やってんだ!?なんで學校から出てった?」

「今、はぁ、取り込み中だ!はぁはぁ、後で、話す!」

それだけ言うと電話を一方的に切り、走ることに専念する。

進高までの距離は約4キロ。

今まで近いことに謝したことはなかったが、今回ばかりはこんな近くに立ててくれた昔の人に謝しよう。

走り続けること20分、進高に到著した。

何故こんなに早いかって?これでも一応サッカー部だからな。

うん、閑話休題。

靜かだと思っていたがそうでもないようだ。

言い合いをしているのが分かる。

おかげでどこにあいつらが居るか分かりやすい。

まあ最も、俺の目的の人間はただ1人、電話をかけてきた奈々という中學時代から仲良くしてる子だ。

ブブブブブブ!

ここで再び電話がかかって來る。

もちろん克己からだ。

「どうした?」

「お前、どうやって學校から出た?」

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「どうやってって、普通に、いつも通り通り抜けた」

「・・・噓だろ?俺ら、出れねぇんだけど?」

「はぁ?冗談は・・・いや、そうか、あれはそういう・・・」

「は?あれってなんだよ?」

「悪い。全部後にしてくれないか?」

「・・・分かった」

「とにかく俺以外は絶対に學校から出られないから、無茶はやめろよ」

「了解。お前からの連絡を待つことにする」

電話を切って、進高にる。

校舎の中にり、聲の聞こえる方に向かう。

今は走っていない。むしろゆっくり歩いている。

俺自、頭の中がぐちゃぐちゃだから整理する時間を取りたかったのだ。

言い爭いをしてると思われる聲が聞こえる教室の前に辿り著く。

ガラッ!

躊躇うことなく、かつ勢いよくドアを開け、注目を集める。

既にここもうちの學校と同じ狀況なのは確認している。

「よぉ、奈々。ことごとく電話無視してくれやがって」

1番無事を確認したかった人の姿を確認して、思わず笑みを浮かべながら

「ホント、すいませんでした!!」

それを隠すように全力で土下座した。

教室はさっきまでのざわつきが噓のように靜まり返る。

奈々が反応する様子はない。

あ、いや

「顔、上げて」

「はい」パンッ!!

いや、うん、はい。痛いです。超痛いです。

「これで、許す。許すから、もう二度とあんな事言わないで」

「うん、もう言わない。ごめんな」

一息ついて、立ち上がる。

しゃがんで目線を合わせていた奈々も立たせる。

「はぁ、思いっきりビンタしやがって。・・・さて」

ぐるっと全を見渡して話し始める。

「さっきの言い爭いの容は、大方、學校から出られない事について、でいいか?」

何人かが大きく頷いたので、まずはその事について話す事にする。

と、その前に

「お、もしもし」

「待ってたぞ。さぁ、話して貰うぞ」

「分かってる。進高のみんなも聞いてくれ」

どこから話そうかし迷って、話し始める。

「まず、克己にはさっきも言ったけど、學校を出りできるのは俺だけだ。もちろん、この先目覚めた奴らの中に俺みたいな奴がいるかもしれないが、現時點では俺だけが自由にける。さて、じゃあ何故俺だけなのか、なんだけど・・・さっきのデスゲームのクリア報酬のせいだと思う」

「「『クリア報酬?』」」

進高の全員と電話越しのクラスメイトの聲が重なる。

「・・・みんなが出した後、俺だけあの空間に殘されたんだ。そこでGと名乗る奴がクリア報酬を選ばせるために殘したと言った。そしてクリア報酬の中にあった"自由の権利"と言う報酬を選んだ。だから俺が學校を出りできるのはその報酬の効果なんだと思う」

全員、黙ってしまった。

なので、続ける

「俺は最初、殘されたのは人を殺した代償だと思った。そのままあの空間から出られないのかもしれない。本気でそう思った」

奈々がぴくっとして俺を見た。

さっき二度と言わないと約束した。これは約束とは関係ない。

そんな意味を込めて奈々と目を合わせる。

「だけど用件は報酬を與えるだった。報酬をけ取った奴が言える事じゃないかもしれないが、俺は代償として閉じ込められる方が良かった。あんなのが報酬なら、俺は、選びたくなかった」

俺はあの時見たリストについて、話す事にした。

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