《デスゲーム》狂・恐・怯

今回は早かった。いや、早すぎた。

だが問題はそこじゃない。あの言葉だ。あれの影響力は絶大だ。こっちに返される直前の誰かの行が証明してる。

「俺も、苦しみたくないな」

どこかからそんな聲が聞こえてきた。もちろん教室だから知ってる奴が言ったはずだ。

「あれにわされるのはやめろ。同じ事をしても解放される訳じゃない」

これは俺が言った。拠はない。

「解放されるだろ!死ねばこれ以上誰かの死を見ることもない!苦しむこともない!いいことだらけじゃないか」

「それは解放じゃなくて逃げてるだけだ」

「じゃあ!じゃあ、どうしろってんだよ...」

「最後まで生き殘る以外の選択肢は無い。生き殘れば解放される」

耐えられない。無理だ。死ぬのがオチだ。

々な聲が聞こえてくる。全部マイナスのから出てくる言葉だ。

みんなあの言葉に相當やられてるな。こっちまでネガティブになりそうだ。

「じゃ、生き殘るか!逃げて奴らの思い通りになるのは気にらない。何よりここで自殺したアイツみたいに逃げるのはダサいからな!」

「克己お前、バカだろ?こんな狀況でカッコつけるために生き殘るってか?」

「オレが男である限り、死ぬまでカッコつけてやるぜ!」

「今この瞬間、初めてお前をかっこいいと思ったよ」

これには下を向いて暗い顔をしていたクラス全員が大きく頷いて同意した。

「え、みんなして酷くね?オレっていつもかっこいいじゃん!」

「...あっははははは!やっぱお前バカだわ!最高!」

克己のおでクラスの雰囲気がだいぶ明るくなった。

絶対に直接は言えないけど、ありがとう。

あっちは、どうなってるかな。大丈夫かな。よし、電話しよう!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうしよう。どうしたらいいのかな?ねぇ、誰か教えて。ねぇ、祐介。助けて。

無理、だよね。分かってる。きっとあっちも同じ事になってるはずだから。助ける余裕なんてある訳ないよね。

「もう止めろ!」

「うるせぇ!こんな狀況になってまで委員長面してんじゃねえ!もう言葉じゃどうにもならねぇからで止めろ!」

「やめろよ!止めんじゃねぇ!おれは死ぬんだ!死んで楽になるんだ!解放、されるんだよ!だから、だから、死なせてくれよ・・・」

あちこちで同じやり取りが。みんな、自殺しようとする。あの死んだ子のせいだ。あの子があんなこと言うから、こうなったんだ。

もう、嫌。何も見たくない。何も聞きたくない。

〜♪〜〜♪

電話?・・・祐介!

「もしもし?」

『そっちは・・・大丈夫じゃなさそうだな』

「うん。ねぇ、どうしたらいいかな?私はどうしたらいい?助けて、祐介」

分かってる。本當は頼っちゃダメだって、分かってる。

だけど、どうしても頼りたくなる。昔から、頼ってばかりだ。

『俺の聲、みんなに聞こえるようにしてくれるか?』

ほら、絶対に助けてくれる。

「分かった」

ピッ

『自殺しようとしてるバカども、聞こえるか!?お前ら、俺のバカな親友を見習う気はないか?俺の親友は、カッコつけるために最後まで生き殘るそうだ。バカだろ?だけど、今この瞬間に限ってめちゃくちゃかっこいいんだよ。誰もが自殺したアイツの言葉に影響されてネガティブになって、死のうとしてる奴までいる。そんな中、カッコつけるために生きるって本気で言ってる。こんなしょうもない理由で必死に生きようとしてる奴がいるのに、死んで何もかもから逃げようってか?』

「「逃げてたまるかー!」」

え!?みんなそれでいいの!?ていうか、そんな影響されやすいの?

なんか、もう、必死に悩んでたのが馬鹿みたい!ダメ、笑いそう。

「ふ、ふふ。何それ、そんなのあり?」

『有りだよ。どんな理由であれ、生きてることが大事なんだから。バカみたいな理由でも生きる理由になるなら十分だ。みんなにも、生きる理由があるだろ?カッコつけたい。葉えたい夢がある。好きな子がいる。何でもいい。何か見つけろ。そんで、必死に足掻いて生きろ!全員で生きるんだ!』

雰囲気が変わった。明るくなった。やっぱり、祐介はすごい!

『これでいいか?』

「うん!ありがとう!」

ありがとう。絶対に生き殘ろうね。一緒に生きようね。大好き。

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