《學生騎士と語《パンドラボックス》》第5話 學式での失敗《前編》

言い終わる時にはすでに亜紀斗の背中は地面に付いていた。

「そんなものじゃ僕どころか、月野さんの相手にすらならないよ」

しまった。早めに勝負を終わらせようと思っていたのが仇となったな。

し考えが甘かったね。まだ続ける…と言いたい所だけど、もう學式が始まる頃だから早く出よう。遅れるとまずい」

そう言い殘すとシンはこの場から立ち去る。

「私も遅れるから早く行かないと。貴方はどうします?」

「ああ。俺も出るよ」

シンが出た數秒後に二人もこの場を立ち去る。

                                         ♪

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學式が始まる數分前に二人は何とか新生の列に並ぶ。

正直間に合わないと思っていたが無事に間に合ったな。

並ぶ途中に月野は別の列だった為、ここで一回別れる。

列に並ぶと同時に新場の合図の音楽が流れ、新生は全員自分の指定された席に著席する。

その間、亜紀斗はずっと考え事をしていた。考え事と言ってもあの副會長の事だ。名前は確か…本山シンだったかな?あいつは間違えなく強い。明らかに手を抜いていた。その他の発言は別に良い。ただ勝負事に手を抜かれたのが一番腹立つな。今思い返すとさらに腹が立ってくる。くそッ次は絶対に膝だけじゃなく背中まで付かせてやる。

が、その考え事は席に著いた途端に、考えるのをやめた。

それは座った瞬間、急な眠気がしたのだ。

まずい。この眠気は一度寢たら絶対に起きないやつだ。起きろ俺 ︎

そんなかけ聲虛しく寢てしまう。

數時間後

目を覚めると目の前には怖い顔をして亜紀斗をにらむ赤月の姿があった。

まだ俺の脳は寢ぼけているため誰がいるのか分からないが、取り敢えず挨拶して置こう。

「…おはようございます」

返ってきたのは挨拶ではなく一発の拳。余りの威力に思わず椅子から転がり落ちる。その痛みのおで完全に脳が起きる。

「ちょっと!?暴力は反対ですよ!!」

パーでは無いグーだ。ビンタならまだ分かる。でも毆るのは無しだろ。

「月影よ。これは罰では無い。教育だ」

屁理屈か!!それでもあんた教師か ︎毆る教育とか聞いたことないぞ!?

「だからな。お前は私に毆られる理由がある」

「理由?」

「ああ。學式とゆう大事な時に堂々と寢ていたのだ。しくらいならまだしも、式丸々寢ていたのだ。毆られるにはこれ以上に無い理由だろう?」

「…はい」

たしかに毆られるには充分過ぎるほどの理由だ。俺も同じ事をされたら毆るとまではいかないが反省文くらいは書かせるな。けど納得がいかない。

「だけど、毆るのは…」

「ん?」

「……」

最後まで言う前に口を閉じる。本能がそれ以上言うなと言っている。怖いよこの人。

赤月はポケットから一通の封筒を取り出すと、亜紀斗に向かって投げつける。しかも顔にヒット。この人まじで容赦ないな。

鼻をさすりながら封筒を手に取る。

差し出し人が書かれていない。誰からだ?

「誰からすか?」

「ウチの生徒會長からだ」

「ふ〜ん」

軽い返事をすると封筒を破り、中を確認する。

「何々…って字丸!?」

それは驚くくらいの字の丸さ。まるでラブレターみたいだった。いや、ラブレターの字が全部丸いって訳じゃ無いけど。ついに來た俺のモテ期?

「字が丸い?見せてみろ」

そう言って亜紀斗から手紙をけ取る。

「あ、すまん。これは生徒からの冷やかしだ」

「冷やかしかよ!!」

「こっちだったな」

またポケットから封筒を取り出す。今度は手渡しだった。

「次は手渡しなんですね」

また投げつけられるかと思った。危ない。

「どれどれって何これ?チケット?」

封筒を開けると次は何かのチケットだった。もしかして、剣の試合か?

「それはコンサートのチケットだな。また間違えてしまったか」

またかよ。しかもこれ剣の試合じゃなくてライブのチケットだし。しかもこれ人気バンドALIVE(アライブ)のチケットだよ。手困難のやつだよ。どうやって手にれたの?

「坂本先生の貰いだし、お前にやろう。どうせ行かんしな」

「マジで!?って言っても俺もこのバンド名前しか知らんしな」

有名なのは分かるただし曲は知らん。けど せっかくなので貰って置こう。

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