《學生騎士と語《パンドラボックス》》第12話 亜紀斗の決意

その日の夜。

亜紀斗は全をさすりながら自分の部屋のベッドに橫たわる。

クソ全が痛い。それに、トーナメント戦までかすなとか保健室の先生も酷な事を言ってくるな。

保健室擔當の鳴上翔子(なるかみしょうこ)先生曰く、の筋や骨に結構な負擔がきており、激しい運をしたら何処かの筋が切れるらしい。一応回復系のスキルを掛けてもらったが、それでもの負擔がデカ過ぎて治すのに一週間は掛かる。

「そんな狀態でトーナメント戦とか無理ゲーだろ…」

今日の赤月との一戦。あそこでヒートアップし過ぎたのが一番の原因だな。こればかりはどうしようもない。やはりトーナメント戦は諦めるか。

「はぁ〜」

そうため息をついていると、

「主人も大変そうだな」

目の前かららしき聲がする。亜紀斗は顔を上げると目の前に居たのは、

「キュウ、居たのか?」

人間の言葉を喋る狐事キュウが尾を振りながら亜紀斗の目の前に座る。

「居たぞさっきからな」

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「そんな事よりも」

「そんな事なのかさっきのは…」

「キュウ〜マッサージよろしく」

「人の話を聞かんな。で、何処に乗れば良いのじゃ?」

「腰だな。結構いたから腰にきてさあ」

「全く、わしはお前さんの召使いとかじゃ無いぞ」

と言いつつもキュウは亜紀斗の腰に乗り、前足や後ろ足で腰を押したり、んだりする。

「あ〜そこそこ。やっぱり上手いなぁ〜キュウは」

「お前さんが毎日やらせるからじゃ」

「かんにんなぁ〜」

キュウはため息をつき、マッサージをするのを辭める。

何だもう終わりか?

「やはり人型の方が良いな」

「え!?それはちょっと…」

「よっと」

いきなりキュウはから人間のへと姿を変える。それも亜紀斗の腰の上で。

「ぐはっ!」

そうキュウは亜紀斗の使い魔のキュウビである。魔獣の中でも最高ランクの魔獣である。

ただし、別はメス。人間で言うところの。人型になると耳と尾は出したり消したり出來るが、キュウは亜紀斗の前では消さない。

「お、すまぬな」

亜紀斗の腰から降りると、キュウはクスクスと笑う。

「何がおかしいんだ?」

「これはもう笑うしかなかろう?お主は魔獣を扱える力は充分にあるはずなのになぁ。現に我を従えておるのだからな」

笑った理由はその事か。

「お前の存在はここではブラックリストに載っているからな。下手にバラす訳にはいかないんだよ」

「本當にそれだけか?」

指でほっぺを數回突くと、急に引っ張る。

「痛えよ。本當にそれだけだ!!」

ほっぺを引っ張っている指を急いでどかす。

「ああ、つれんのぉ」

口元に手を當て、フフフと笑う。

「レッドリストならまだしも、ブラックリストだからな」

レッドリストは政府が捕獲して管理をする必要がある魔獣の事。ほとんどは観察や能力の安全を確認し、魔界へと返す。

だが、ブラックリストは違う。見つけ次第即殲滅。多くは過去に大量殺人などをして載る事が多い。

が、ごく稀に能力だけが危険と判斷され、リストに載る者もいる。一応キュウも能力が危険と判斷されリストに載っている。

キュウの能力は『真似』コピー。他者の能力をそっくりそのまま真似できるチート能力。側から見たら最高の能力かも知れない。ただ欠點が一つだけある。それは見ただけでは真似は出來ない。理由は簡単だ。報が無いからだ。能力が全て同じとは限らない。能力一つ一つが別の力を持っているからだ。

例えるなら同じ火でも風を加えると加えないとでは火力に違いが出る。それと同じで報があるとないとでは威力の差が激しい。

じゃあどうやって報を集めるかって?それは真似したい能力の攻撃を見てける。そうした場合、直接自分の中に能力の報がって來る。ただし、一度だけではダメだ。最低でも五発くらいはけないと完璧に真似出來ない。

一つの能力を真似するだけで自分のはボロボロになる。メリットはあるが、デメリットの方がデカイ。言うならハイリスクハイリターンだ。人によるが、使えるようで使えない能力だ。

「だが、そのリストはとやらは人間達が勝手に作っただろう?それに我らは力を貸す側だ。いわばライオンとハイエナみたいなだぞ」

確かに。そう言われるとそう聞こえる。

「ちなみにどっちがライオンでどっちがハイエナだ?」

聞かれるとは思ってもいなかったのだろう。キュウは無言になる。そして目を逸らす。

「おい逸らすな」

顔を摑み、強引に目を合わせる。

「主よ…顔が近いぞ」

「知るか。で、どっちだ?」

顔が數メートルの距離で、亜紀斗はキュウのほっぺを摑みながら質問する。

「えっと、その〜」

おかしい。いつもならすぐ答えるはずなのに。今日はやたら遅い。

キュウを間近で見ていると、だんだんキュウの顔が赤くなる。

「うう、主のバカ〜!!」

大聲でそうぶと、亜紀斗の布団の中に潛り込む。

「おいキュウどうした?」

そう聞くも、主が悪いんだ!と言って亜紀斗の布団から出てこない。

困ったな。今日は俺床かよ。

渋々、押れから布団を取り出し、床に引く。

今が冬じゃなくて良かった。

そう思わされるような気溫の高さに亜紀斗は軽い涙が出そうになる。出ないけど。

部屋の電気を消すと、亜紀斗は目を閉じる。

それから數時間後、亜紀斗の目は急に覚める。

時刻は午後十二時。日付けが丁度変わっていた。

「またいつもの時間。今月にって何度目だ?」

ここの所、毎日のように十二時になると勝手に目が覚める。原因は分からない。けど、その時はいつもそばに必ず母親の寫真立てが飾ってある。これも原因は特に分からない。が、今ならしわかる気がする。

「自分の母校を守ってしいのか?」

今の亜紀斗にはそんな風に思ってしまう。何故だろう。必死になって考えるが、分からない。

から、まず迷ったら行。自分が正しいと思う事をする。母さんが最初に教えてくれた事の一つだ。

だから行くよ。俺は自分の正しいと思った方の道を。

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