《俺と彼と小宇宙とが織りす宇宙人とのラブコメ》二人の月兎
「と言ってもどうやって會いに行くつもりなの?」
「転移魔法。
創ったの覚えてる?」
「そう言えばそんなの創ってたわね。
そうと決まれば善は急げ。さっさと始めちゃお!」
「そうだねぇ。
『テレポー・・・」
「待って!置いて行っちゃやー!」
聲を上げたのはエマ。
し涙目。
「ごめんよぉ。
つい気持ちが先走っちゃって。
こっち來て」
月兎とマリス、エマは手を繋いで────
『テレポート』
フッ・・・と一瞬景が消え、次に目に映るのは菅原家のリビング。
「ようこそ菅原家へ」
月兎はどこか芝居めいた仕草で両手を広げ言う。
「ここが月兎君の家・・・」
そう呟いたのはエマ。だけ・・
1人足りない。嫌な予がする。
「あれ?マリスは?」
そう、マリスが居ないのだ。
テレポート中に手を離してしまった?
一瞬頭をよぎったその考えに月兎は囚われてしまった。
「────ッ!」
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい────!
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どうしたらいい?
誰か・・・誰でもいい!助けてよ!
(落ち著いてぇ)
どうすれば? 
(焦ったってなんにもならないよぉ)
今から戻れば間に合う・・・どこに戻るって?
(悲観的にならないでぇ!)
宇宙のどこを探せば?
(やめてぇ!飲まれないでぇ!)
マリス!
(こんな時の為に僕・がいるんでしょぉ!)
そんな思考の渦に飲まれる月兎。
マリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリスマリス!!!
真っ白になった月兎の脳にを取り戻したのは音だった。
ガタッ!
「?」
ガタッ!ガタガタガタドンドンドン!
「上から?」
親が起きたのだろうか。
しかし音は俺・の部屋から聞こえる。
恐る恐る部屋に近づくと、その部屋に居たのは・・・
「ムフームフー。
つー君のにおいーウェへへへへ」
月兎の枕に顔を埋め、足をパタパタさせるマリスだった。
「マリス!!!」
「ひゃんっ!」
月兎はダダダと駆け寄りマリスを抱きしめる。
「アッ⸝⸝⸝⸝ダメよつー君。朝から盛っちゃ・・・」
「無事で良かった!
本當に良かった!」
「え?何?何があったの?」
「君に何かあったと思うと俺は、俺は!」
「つー君?どうしたの?」
「そんなことも分からないの?」
部屋にってきたのは、
「エマ・・・」
「月兎君はね、貴がいなくなって凄く心配したのよ。
宇宙に置いてきてしまったんじゃないかって。いつもの冷靜さも失って・・・」
「そうなの?つー君」
「あぁ!あぁ!そうだよ、俺は凄く心配したんだ。無事で良かった・・・」
「ごめんね、心配させちゃったね、つー君」
マリスは震える月兎を優しく抱き留める。
「マリス・・・」
甘い空気が2人を包む。暫くそれが続き、やがてエマが口を開く。
「所で月兎君」
「何?」
「貴方は誰なの?」
「何の事?」
「貴方は私の知ってる月兎君じゃない。
私の知ってる月兎君はもっとのんびりした喋り方で、一人稱は『僕』だった。
貴方は誰なの?」
「あ・・・」
「ねぇ、答えてよ月兎君!」
月兎はふぅ、と深呼吸を1つ。
それから、
「・・・僕、いや、俺は俺だよ。
菅原月兎それその者さ」
「ふざけないでよ!」
「エマ、つー君は・・・」
「いや、いいマリス、俺から話す」
「でも・・・」
「エマ、ふざけてなんか無いさ、僕は俺で俺も僕なんだ」
「どういう事?」
「そうだな・・・し昔の話をしよう。
もう1人の『僕』の話を。
もう結構前の話、俺はめられていた。
理由?そんなの知らないね、確か目だったかな。目が反抗的で気に食わないんだってさ。俺は、弱い。怖いのも痛いのもツラいのも、大嫌いだ。だから俺は強くなろうとした。
を鍛えて何にも負けないようにした。だけど心が弱かった。芯がしっかりしていなければどんなにが強くとも役に立たない。だから俺は中も強くしようとした。だけど中の鍛え方なんて知らない。そんな時エマ、君だったらどうする?あぁ、答えなくてもいい。その時俺は新しく自分を『創った』。思えばこの時から俺は創造神だったのかもしれないな。まぁいい、とても弱い俺は、俺が傷つかないように、俺じゃない俺を創った。偽りの人格で生活すれば奴らは噓の俺を傷つける。噓の俺は所詮噓。噓を傷つけても本當には屆かない。そうやって自分を偽って、俺が傷つくのを恐れて生活していた 。この仮面もその頃つけ始めたんだっけな。僕と俺を分ける為に。められた時俺はバカみたいに悩んだんだぜ、この目か、この目がいけないのかって、悩みに悩んで俺、スプーンで目を抉ったんだよ。フフフ・・・バカだよなぁ、痛いのが嫌なくせに自分で自分を傷つけるなんて。まぁそんな所だ。どうだ?幻滅しただろ?」
そう言うと月兎は顔を伏せる。
スっと仮面に手を當て一瞬躊躇う。しかし直ぐに再び仮面に手をやり、仮面をとる。
「!?」
「これが俺が抉った目だ」
月兎が左目を指さす。
月兎の左目はいや、左目だった・・・ところはしかなく、ちゃんと処理をしなかったのかグジュグジュになっていた。
「うっ・・・」
エマが嘔吐く。
月兎は表を変えずに、しかし何処か寂しそうに
「嫌なモン見せて、悪かったな」
とエマに呟いた。
「そんな事!」
「無いってか?」
月兎は冷たく言い放つ。
「ッ!」
言葉に詰まるエマ。
「同も哀れみも要らない。大丈夫、エマの前では素顔は曬さない」
「月兎君・・・」 
「・・・」
2人の中に流れる沈黙。それを破ったのはマリス・・・ではなく。
バーン!という音。
「「きゃあ!」」
エマとマリスの悲鳴。
「な、なんの音?」
エマが聞く。
「玲浮兎ちゃんと麗兎ちゃんだ」
月兎は対して驚いてなさそうに言う。
ダダダダダダダダダダダダドンドンドン!バーン!
月兎の部屋が蹴破られる。
「「にぃに!」」
「やぁ、おかえりなさい」
「「にぃに〜!!」」
きゃあ〜と歓聲を上げ月兎に抱きつく2人のの子。1人は背の高い、1人は小柄の対照的な雙子だ。
「まだ授業中でしょ?なんで帰ってきたの?」
「にぃにの匂いが、」
「學校に漂ってきたから!」
「・・・凄いな」
「「でしょ!?」」
息ピッタリな雙子の妹。背が高い方が麗兎、
黒髪で活発な印象を與える。
背の低い方が玲浮兎、
日本人なのに何故か白い髪で、何処か浮世離れした印象を與える。
どちらも髪が長く、頭にぴょこんとあるアホが自己主張をしている。
「私たちのにぃにレーダーは」ドヤァ
「伊達じゃないのよ!」ドヤァ
ピコピコピコと2人のアホが揺れる。
「どうやってんだそれ・・・」
「「ヒミツー!」」
「おぉう」
「所でにぃに」
「そのはだぁれ?」
「場合によっては」
「ユルサナイヨ?」
「にぃにには」
「私たちさえ居ればいいんだから」
「「ねー!」」
「・・・ヤンデレ?」
マリスが一言。
「家族水らずで話したい。
悪ぃけど下に行っててくんないか?」
「・・・うん」
「暫くしたら行くから」
「ねぇ、聞いてるの?」
「あのは、誰?」
「にぃにの、何?」
「さぁ!」
「さぁ!」
「「さぁさぁさぁ!」」
「「答えてよ!」」
參ったなこりゃ
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