《終末語》第4話「やるしかないよな」#3
・春人とひさぎの戦闘があってから5時間後、ヤクは商業施設の南側に來ていた。目的は1つ。5時間前の戦闘の後から今までずっとぶっ倒れていた友人を起こすために來たのだ。ヤクが目的の場所につくと、そこでは、自分の友人がを貫かれて倒れていた。普通なら恐怖するだろうが、彼は何の迷いもなく一言。
「おいバカ春人。起きろ。あれからもうだいぶ経つぞ。」
すると、その言葉に反応する様に年のがピクリとき、そして、のがみるみるうちに塞がる。そして目が開き、ヤクの顔を見て口をかした。
「おう、おはよう。あーイテテテ…久しぶりにを貫かれたな。やっぱり、ゾンビつっても痛いものは痛いな。」
「當たり前だ。バカチン。全く無茶しやがって。」
「あははははは…ごめん、ごめん。」
謝る春人。呆れながらも心配するヤク。事の発端は5時間前の春人とひさぎの戦闘だった。
・「あぁあぁぁあああぁ!」
怒號にも近いび聲をあげてひさぎは再び春人に斬りかかっていた。
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(最後の悪あがきか。でも、これって…)
春人はさっきまでと同じようにひさぎの攻撃をかわしながら、彼の攻撃に違和をじていた。というのも、彼のきがさっきからだいぶ変わったのだ。
(さっきまでは俺の知っているひさぎのいつものきだった。でも、今のアイツのきは…捨てを通りこして、がむしゃらになってるな…)
そう。春人の思っている通り今のひさぎのきは、全て力任せの大振りなきばかりになっていた。春人はこんなひさぎを見て、瞬時に行を起こした。まずひさぎが振るった刀を右手に握ったバットで用にいなし、余った左手で彼のみぞうちにボディーブローをくらわしてきを封じた。コヒュ、という音が彼の小さな口から聞こえたと同時に、ひさぎは自分の背中側にくの字で吹っ飛んだ。カハッ、コホッと肺に息を取り込もうするひさぎを見據えながら、春人は口を開いた。
「弱いな、お前。」
「……」
「そういえば、お前みたいのがもう1人いたな…」
「?」
「確か…春人とか言ったっけか…。」
「!」
(よし!かかった!)
自分の発言にひさぎが驚くのを見て、春人は自分の作戦の功を確信した。
「アイツは強かったなぁ…」
「今、春人は何処にいるの!?」
「んー?死んだよ。俺が殺した。」
「…え?」
「いや、だから俺が殺したんだって。アイツも誰かに會いに行くとか言ってたなぁ…まぁ、殺したけどさ。」
(まさか、自分で自分の死亡を報告しなけりゃなぁ…でも、これで。)
効果は抜群だった。これを聞いたひさぎは、力なくヨロヨロと立ち上がり、春人を鋭く睨みながら、刀を構えていた。
「殺す…殺してやる…」
「やってみなよ…お嬢さん。」
そしてひさぎは凄まじい殺意をもって春人に斬りかかって行った。
・「で、後はお前らが見ていた通りだ。」
と言いながら、春人は自分の後ろ側にある天井の監視カメラを指差しながらヤクに事の一部始終を説明していた。
「なるほどなぁ…でも、お前も無茶するよな。考えてもみなかったぜ。まさか、自分の死亡をネタにして彼さんを挑発して斬りかかってくるようにするなんて。」
そう。春人のの傷の理由はまさにそれだった。彼は自分の死亡をネタに彼を挑発して自分のを貫かせたのだった。これが、春人の考えたアイデアだった。
「でも、何で彼さんはその後に苦しそうにその場を去ったんだ?」
「あぁ、これを使ったんだ。」
そう言いながら、春人はジーパンのポケットから先に注の針がついたメリケンサックを取り出した。
「何だ、コレ?」
「あの人の使っていた護用の武だよ。これで毆りつけると、この針から特殊な薬が注されるんだ。」
そう、ひさぎが自分のを刀で刺すと同時に、春人はこれをひさぎのみぞうちに突き刺していた。
「なぁ、それって大丈夫なのか?」
「うん。薬は弱めの痺れ薬だからな。1時間くらいで効果がなくなるんだ。」
「ならいいけどよ…。まぁ、戻ろうぜ。」
「ああ、わかった。」
こうして、商業施設に侵したひさぎと、それを追い出そうとした春人の戦闘は終わったのだった。
・「灰崎春人、ただいま戻りました。」
「おお、お疲れさん。よく寢てたな!」
「お疲れ様ー!春人、大丈夫?」
ヤクに連れられて春人はタウンの廃墟のモニタールームに來ていた。中には今さっきまで様子を見ていたであろうヤクザとパピーがいた。
「いやぁ…まさかお前がを貫かれるとはな…」
「まったくだ。見ていたこっちはゾッとしたぞ。」
「いやぁ…ごめん、ごめん。でも、追い出しただろう。しっかり仕事はしたぞ?」
「でも、春人は痛かったでしょう?みんなで心配したよ?ほんとに大丈夫?」
「ああ、大丈夫だぜ。」
「でも、しはを気遣え。ゾンビとはいっても、普通に死ぬし、疲れるんだから。」
「そうだぞ。お前はこの廃墟に住んでいるゾンビ達皆の盾でもあり、料理人でもあり、仲間なんだから。」
「何だろう。俺のこのドラ○もん。」
そして、皆がその後にドッと笑いこの騒は終わった。だが、彼らは知らなかった。タウンの外側でまたさらに厄介な事が起ころうとしていることに。
・春人が騒の後、皆と話をしている間にタウンの外側では奇妙な2人組が歩いていた。というのもその2人組は雨も降っていないのに全黃のレインコートを著て、ガスマスクを著けていた。そしてそのうちの1人はアサルトライフルをもっており、もう1人はトランシーバーの様な何かの測定を持って、何かを測っていた。
「北緯52、西緯43…ここですね…。後8時間後です。」
「そうか…『救いの』まであと8時間か…フフ、楽しみだ。」
そう言って、ガスマスクの2人組はその場を後にした。そしてその8時間後にこの場所で大量の死の山が出來るのを彼らも、春人達もまだ知らなかった。いや、知るよしもなかった。
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