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突如、木佐が大聲で笑い出し、源は眉を顰めた。

「何笑ってんだ」

「いや傑作だと思ってな」

「何がだ？……おぃテメェいぃ加減笑うのやめろ！」

「……すまない。余りに簡単に目的が果たせたからね」

そういやぁ、と源は軽く息を呑む。

この男の目的を、その口から聞けていない。

正岡絵は「最強を目指して跳んだ」と推察した。

だがそうなると、當初木佐が目指した200年後への跳躍の筋が通らない。

『コイツの目的ねぇ……正味、クソどぉでもいぃな』

「だが絵は違う」

「あぁ？」

「お前は今どうでもいいと思っただろうが、絵は聞きたがるぞ」

自信たっぷりに言い切る木佐の目は本気だった。

しだけ、源の中で好奇心が疼く。

「何で」

「言い切れるんだって？むしろお前はどうして分からない。何となく察しは付いているぞ。お前、絵のパートナーなんだろ？」

「……」

「お前の力はこの目で見た。だから分かる。あのがお前みたいな確かで強い力を傍に置かないはずはないからな」

饒舌な木佐を見下ろしながら、源は反芻する。

かつて、源は人間兵である自らの主を絵と定めた。彼だけが自らを兵として扱うべきであると認め、そう振る舞って來た。

その決意は未だ変わらず、源は絵にとって良い結果にるようにを捧げ、力を割いている。

だが、彼がどういったロジックで判斷の優先順位を定めているかまでは、さすがの源も知らない。

すでに源の好奇心は、をかすほどには膨れ上がっていた。

「吹くじゃねぇか、面白れぇ言ってみろよ。元パートナーさんよ」

１人の主を巡って、２人の男武が腰を據えて話し合う。

鈴蝶が聞いたら「見たかった！」と泣いて悔しがるだろうな、と他人事のように源は思った。