《T.T.S.》FileNo.4 『Sample 13』 Last Chapter-2

~2176年12月24日PM5:06 東京~

無神論者ばかりの國ゆえに、本來の祝祭日より何故か盛り上がるその前夜イブ。本來だったら、スタッフたちとピザやチキンを肴にワインを傾ける予定だった。

そんなささやかな時間も、もはやない。

《Master、いかなはじめ源が今しがた応急措置を終えてT.T.S.より離したと報告がありました》

「……そう」

その別れを惜しみたいが、生憎そんな時間もなかった。

「帷子ギルバートの護送はどうなってる?」

《大分苦戦していましたが何とか……アグネスさんにはお世話になりましたとお伝え下さい》

「アギーにはアナタが謝しているのはお見通しだよ」

複雑な心境を窺わせる笑い聲を聞いていると、鈴蝶の視界にポップアップが躍り出る。

チラリと流し見して、彼は溜息を吐いた。予想した通りの展開に、しばかり呆れてしまったのだ。

『君らはホント、両思いもいい所ね』

文面はシンプルなモノだった。

一部の隙もなく、真っ直ぐで正しい。

の人柄そのものの一文。

《Master、溜まりに溜まった有給、使いますね 絵

それは労働者の當然の権利にして、管理者が絶対に保証しなければならない魔法の4文字だった。

當然、鈴蝶はこの申し出を斷れない。

だが、そうなると別の問題が顕在化してしまう。

「……明日からどうやって纏めようアイツら」

正岡絵お目付役の不在が奔放なT.T.S.メンバーにどんな影響を與えるか。それを想像するだけで、甘鈴蝶の胃がキュッと締め付けられた。

しかもその期間たるや、ざっと計算しても約1ヶ月半ほどある。果たしてその間、問題児たちをどう纏めればいいのか見當もつかない。

かくして正岡絵は休暇の過ごし方を元相棒バディのサポートに充てる決意をした。

した、のだが。

『隨分とお楽しみじゃない、いいご分だこと』

もはや相棒バディでもない男に、無に腹が立った。

出來るなら、一発くらい引っ叩きたい気分だ。

『そもそも何であの子全なの?癡なの?大分若く見えるけど、今いくつなの?まさか源アイツ、がせたわけじゃないでしょうね……』

揺の余り緒がでんぐり返っているが、絵の疑問ももっともだった。

自然と、源もその疑問を口にする。

「ところでお前幾つなんだ?」

「ん?何?スリーサイズの話?」

「違ぇ。年齢だ」

「18だけど?」

何でもないことのようにあっけらかんと明かすエリカだったが、対する源と絵の頭は真っ白になった。

年の全室で2人きり。

そんな事件しかじない構図に巻き込まれた元相棒バディが流石に哀れで、絵學迷彩カメレオンを解く決意をした。

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