《【ダークネスソウル・オンライン】 ~追放された銀髪のために『極振り』で頑張ってたら、たったの3日で『魔王』にり上がっちゃいました。なので1週間で世界征服します~》4:【タルタロス地下窟】
──ちょうど一か月前に始まったという『初心者狩り』。
それによって新規の魔人種プレイヤーはぐっと減ってしまい、聖騎士たちの派閥に一層押されることとなったそうだ。
さらに一定數以上の魔人種をキルしたパーティには【暁の神】の幹部どもからレアアイテムがもらえるそうで、どいつもこいつもぶっ殺しやすい初心者たちを相手に暴れ回っているらしい。
(俺はそいつに巻き込まれたっていうわけか。にしても幹部連中……大膽なことやりやがるなぁ)
単純かつ橫暴な策だが、効果は絶大だっただろう。初心者を中心に殺させていけば低リスクで魔人種サイドの勢力を削ることが出來るし、狩られた奴らも最初のならキャラを作り直して聖騎士のほうに流れてきてくれる可能が高い。そうしてどんどん良い狩場を抑えることが出來れば、幹部共も報酬として支払うレアアイテムを簡単に手にれられるようになる。それを配っていけば、聖騎士全の力はさらに充実するという寸法だ。
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……うーん、完全に詰んでる流れだ。
近いに運営のほうから“一定レベル以下の相手には攻撃出來ない”というじの調整がるかもしれないが、もはやそれだけでどうにかなるとは思えなかった。
そもそも、連戦連敗を重ねて魔人種サイドがすっかり舐められまくってるからこそ、聖騎士連中はこんな強行策を実行してきたのだろう。
「……なあアリスさん。【暁の神】と同じように、魔人種サイドにだってトップギルドはあるはずだろ? そいつらは今なにやってんだよ。こんだけされてだんまりか?」
そんな俺の質問に、アリスさんは気まずげに顔を曇らせた。
「……さあ、何をやってるのかしらね。噂だと最近、幹部全員でギルドマスターのを追放したらしいわよ。
ウサギよりも弱いどうしようもないだったそうだから、『これまでの連敗はアンタのせいだ。アンタがいるだけで負けムードになる』って言い放ってね……」
ひ、ひっでぇ話だなぁおい……! てかめしてる場合かよ……?
あー……俺も正直どうしようか。ここまでダメな空気になっていると、俺も何だかキャラを作り直したくなってきた。
心なしか酒場の雰囲気もっぽい。……まぁ、客は俺とアリスさんの二人だけで、そのうち片方はすっかり元気をなくしてるのだから當然だろう。
うーん、襲撃に怯おびえながらプレイなんてしたくないし、これからどうしたものか……、
「……アラタくん」
は、はいっ!?
今後の進退について考えていると、アリスさんが俺の眼をじーっと見つめてきた。
しっとりと潤(うる)む彼の瞳は、まるで寶石のように神的なを放っていて──
「ねぇ、アラタくん。もしも本當に嫌になっちゃったのなら、キャラを作り直してもいいからね?
……私のことは、忘れてくれてもいいから……!」
──って、そんなこと言われたら見捨てられるわけないだろおおおおおおおおおッ!?
てか俺のことを安心させようと必死で笑顔を作るアリスさん、クッソかっわいいいいいい!
俺は彼の手を強く握ると、のままに強い口調で言い放つのだった。
「アリスさんッ! 俺はアンタを裏切らないっ! 俺とアンタで、この現狀をひっくり返してやりましょうッ!」
──俺のレベル、まだ1なんだけどねッ!
◆ ◇ ◆
「──さぁ著いたわ! ここが序盤のレベル上げにはぴったりのダンジョン、【タルタロス地下窟】よ」
「おぉ……!」
その後、アリスさんに連れられていった先にあったのは、丘をくり貫いたような広大な窟であった。てらてらと濡れる鍾石の柱や、不気味に襞ひだ打つ天井などは、とても人間がポリゴンから作ったとは思えないほどリアルである。
(あぁいいなぁ! こういうところは男としてテンション上がるなぁ!)
アリスさんも俺という後輩が出來たことで、周囲に花が咲いてるように見えるほどに上機嫌な様子だ(かわいい)。
──あれからアリスさんは、俺の言葉を聞くや満面の笑みを咲き誇らせてこう告げてきたのだ。
『ありがとうアラタくんっ! それじゃあさっそくレベル上げにいきましょう! 先輩として何でも教えてあげるから、一緒に強くなっていきましょうね!』
うーーーーーーーーーーーーん、あの時の笑顔は最高に可かった。いま思い出しただけでも、思わず顔に手を當てて天井を仰ぎ、姿勢を逸らせて『嘆のポーズ』を取ってしまうほどに尊いものだった。
アリスさん尊い……尊いアリスさん。もうあの笑顔を見れただけで、魔人種として生きていくことを選んでよかったと思えるほどである。結婚しよ。
「ちょっとアラタくーん! 変なポーズ取って何してるのー? ぼーっとしてると、先に行っちゃうわよー」
っておぉっと、アリス先輩がお呼びである。これは急いで駆けつけねば!
「すいません、アリスさんの可さにしてました!」
「っていきなり何を!?」
びっくりさせてしまった。でも本當のことだから仕方ないよね。
──その後は二人で窟の奧へと進みながら、アリスさんは俺に々なことを教えてくれた。
まず常識として、【始まりの街】みたいなところは『不干渉エリア』と呼ばれていて、戦闘行為が出來ないという設定になっているそうだ。
ゆえに、魔人種も聖騎士も普通に共存しているわけだが……一歩でもフィールドに出れば俺のよく知る通りである。うーん……低レベルプレイヤーには厳しい世界だ。
次に、世界中に溢れている『モンスター』についてである。
こいつらは死した魔王の死を食らって兇暴化した生たちという設定であり、どいつもこいつも理なんて絶無なのだそうだ。ゆえに仲間っぽい魔人種にも普通に襲い掛かってくるため、聖騎士と魔人種の両者から目の敵かたきにされているらしい。
……でも倒せば経験値と素材が手にるそうなので、プレイヤー的にはなくてはならない存在なんだがな。
そしてモンスターとくれば──ついに待ちに待った、『戦闘』である。
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Kラノベブックスf様より書籍化します*° コミカライズが『どこでもヤングチャンピオン11月號』で連載開始しました*° 7/20 コミックス1巻が発売します! (作畫もりのもみじ先生) 王家御用達の商品も取り扱い、近隣諸國とも取引を行う『ブルーム商會』、その末娘であるアリシアは、子爵家令息と婚約を結んでいた。 婚姻まであと半年と迫ったところで、婚約者はとある男爵家令嬢との間に真実の愛を見つけたとして、アリシアに対して婚約破棄を突きつける。 身分差はあれどこの婚約は様々な條件の元に、対等に結ばれた契約だった。それを反故にされ、平民であると蔑まれたアリシア。しかしそれを予感していたアリシアは怒りを隠した笑顔で婚約解消を受け入れる。 傷心(?)のアリシアが向かったのは行きつけの食事処。 ここで美味しいものを沢山食べて、お酒を飲んで、飲み友達に愚癡ったらすっきりする……はずなのに。 婚約解消をしてからというもの、飲み友達や騎士様との距離は近くなるし、更には元婚約者まで復縁を要請してくる事態に。 そんな中でもアリシアを癒してくれるのは、美味しい食事に甘いお菓子、たっぷりのお酒。 この美味しい時間を靜かに過ごせたら幸せなアリシアだったが、ひとつの戀心を自覚して── 異世界戀愛ランキング日間1位、総合ランキング日間1位になる事が出來ました。皆様のお陰です! 本當にありがとうございます*° *カクヨムにも掲載しています。 *2022/7/3 第二部完結しました!
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