《VRゲームでもはかしたくない。》第0章7幕
起きたら日付が変わっていました。
夜中の2時ですね。
冷蔵庫から牛を取り出し、一口飲みます。
特にお腹は空いていなかったので、すぐ<Imperial Of Egg>にログインします。
見慣れたホームにログインするとギルドチャットが流れてきます。
「それでよー? 一昨日すぐ秋葉の家電量販店いったわけさ。そしたら後ろにめたんこ可いの子が二人並んできたんだ。桃のカーディガンきた高長のの子と髪のがふわふわカールしてた小さい子だった。あんな可い子も<Imperial Of Egg>やってるんだなぁっておもったらうれしくなってよ……」
ブバッという音を立てて飲みかけの牛を吹き出しました。
ちょっとまって! 私達の前に並んでたのがファンダン!?
驚きすぎて畫面が真っ白になりました。牛でですけど。
「うらやましいなぁ。俺前のほうにいたから全然見えなかった。男ばっかでむさかったなー」
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ジュンヤも並んでたみたいです。
「その子達なら俺も見たっすよ? どっちもかなりでかかったし嫌でも目に付くってじっすね。トイレ行くとき橫通ったんすけど二人ともめちゃくちゃいい匂いしたっす」
ハリリン……お前は殺す……
「えっちょっ? エルマ? なにす……」
エルマも見ていたみたいですね。
ハリリンが悪い。
蘇生狩りするか……。
「≪ダーク・ネクロフィア≫」
絶級闇屬魔法に存在する、遠距離拘束魔法をハリリンに発します。
座標さえわかっていれば中てられるので便利です。
「えっ? 蘇生したてなのにけないっす! なんでっすか!?」
「≪ダーク・ボルテックス≫」
「ぎゃあああああああああああああ」
これでハリリンは消滅しましたね。
鉄拳制裁は完了したのでギルドホームまで行くことにします。
「こんばんわ」
「チェリー! ばんわわー!」
「こんばんー!」
「こんばんわーっす」
「こんこんー」
エルマ、ファンダン、ハリリン、ジュンヤが挨拶してくれます。
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「そういえばエルマとチェリーは端末買えた?」
「あたしは買えたよー!」
「私もなんとか買えました」
「一安心だぜ。うちのギルドでアクティブなメンバーは全員買えたわけだ。買えなかったメンバーには俺が抑えた分譲ろうと思ってたが無駄になっちまったな」
こういうところがギルドマスターとして人に好かれるジュンヤの良いところだと思います。
「お久しぶりですー」
纏花という弓使いの人が珍しくログインしてきたみたいです。
みな口々に「久しぶり」といっています。
「<Imperial Of Egg>がVRになるみたいなんでもどってきました」
「おう。來週のアプデが楽しみだぜ」
「ところで端末は買えた?」
「買えましたよ。秋葉原の家電量販店に仕事終わりに並んだので」
あっめっちゃ嫌な予。
「なー。列にめっちゃかわいいの子2人いなかった?」
やっぱり……。
「そうですね。いましたね」
……ハリリンが変なこと言ったら狩るために≪【見えざる手】≫を発しておきます。
「めっちゃいい匂……」
プチッっと召喚した手で握りつぶします。
「なんでええええええええええええ」
「またハリリンが死んだ。呪われてんのか」
「なんでだろうねー?」
エルマがすごいニヤニヤしてそうです。
纏花さんはVRに向けてレベリングと<転生>に向かうそうです。
たしかLv1+98だったのでもうすぐですね。あと5日ですがなんとかなるでしょう。
「私は闇系のブック作るために、『冥界』降りしてきますね」
「気を付けてー」
「いってらっしゃいー」
「がんばっすー」
「はい。ではまた」
とギルドメンバーに別れを告げ、まず市場に行きます。
ブックレットを制作するには5つの素材が必要になります。
〔糸〕〔〕〔皮〕〔覚〕又は〔角〕もしくは〔牙〕〔紙〕の5つです。
〔糸〕や〔〕や〔皮〕は結構市場に出回るのですが、『冥界』レベルのモンスターだとあまり出回りません。
やはり市場にはありませんでした。
行くしかないですね。
『冥界』にるためのアイテムは市場で購できましたので、ホームの地下に行き使用します。
『冥界の門を開きます。』
そうテロップが流れ畫面が暗転し、転送されました。
ここに來るのも久々ですね。
ここには〔ユニークモンスター〕が數多く存在し、場合によっては〔神話級モンスター〕まで登場することがあります。
いままで1度しか遭遇したことはありませんが。
MOBである〔アヌビスの使い〕等を闇屬魔法で倒して奧へ奧へ進みます。
【イナーシャグローブ】の効果で耐がないようなものなので闇屬魔法でも倒せるのはいいですね。
いままでそんな強い防だとは知りませんでした。
しばらく進むと瘴気の濃い場所に著きました。
こういう場所から〔ユニークモンスター〕が湧くんですよね。
最近誰も來ていなかったのか全の瘴気も濃いので、強敵が出てきそうではあります。
遠目に神殿が見えてきました。
定期的にマップが変更され、ランダムな位置に現れる神殿はたどり著くことが難しく、一度逃すともう行けないといわれるほどに希な場所です。
過去に一度だけエルマ、ステイシーとパーティーを組んだ時に迷い込みましたが、恐ろしいほどの強敵が待っていました。
その話は機會があったらさせていただきます。
『冥界』ではパーティー同士のチャットしかできず、外部と一切隔離された空間になってしまいますので増援を呼ぶこともできません。
一人では無理でしょうが、やるだけやってみます。
『テル・イブラーヒム 隠された神殿』という場所だそうです。
開いている門をくぐり中へと侵します。
真っ暗で何も見えません。
進んでいるのか、戻っているのかそれすらもわかりません。
10分ほど彷徨ったのち、音聲が聞こえます。
『迷い込んだ魂よ。すべてを捧げよ。エーリスに住まう同胞の魂を宿すものよ。答えよ。我をするか。我がするか。
答えよ。』
やってしまいました……。
完全にタゲられています。
固有名は〔冥界神 エレシュキガル〕……つまり、〔神話級〕です。
『答えぬのならばよい。我に奉仕せよ。ネルガルに引継ぎし我が力。殘りの一端にて其方を屠ろう。』
『≪フィールディング・ネクロマンシー≫』
神クラスの用いる広範囲環境改変魔法が発しました。
おびただしい數の骸が地面から湧きだし、瘴気でを構し私に向かってきます。
「≪シャドウ・スパーク≫っ!」
広範囲に闇の雷を走らせる絶級魔法ですが數が多すぎてなんの役にも立ちません。
だったら……
「≪セメタリー・インシネレーター≫」
とりあえず闇の炎で焼き盡くしてみます。
プスプスと煙が上がっていますが、まだ半分も減らせていません。
「≪ダーク・スピア≫」
面倒になったので〔冥界神 エレシュキガル〕を狙います。
『足掻くな。』
直撃する直前に消失しました。
おそらくは召喚した骸を倒すまでダメージが與えられない仕様ですね。
【神 プルトーン】の裝備効果でMP消費が10%になってるとは言え、最大MP量は20020しかなく、魔法の連続使用で殘りは17970というじです。
ポーションが飲めるのでし大膽に行ってみますか。
「≪シャドウ・シールド≫」
障壁を張り、骸の進行を抑えます。
絶級魔法には詠唱魔法と呼ばれる高威力魔法があります。
詠唱に時間がかかるのであまり使う人はいませんがせっかくですので使ってみることにします。
『歌エ 歌エ 原初ノ闇ヨ 踴レ 踴レ 原初ノ闇ヨ 我ガ神ヲ供トシ 有ルベキ姿ニ戻リ給フ 出デヨ 出デヨ 常闇ヨ ゼヨ ゼヨ 死ノ闇ヨ』
詠唱中に私のMPがすべて消費されました。
『≪常世ニ溢ルル消エヌ闇≫』
一瞬の靜寂。
畫面を覆いつくす暗闇。
発後そこには何も殘っていませんでした。
骸は一片も殘さず消え失せ、私のキャラクターはどこにも見當たりません。
『見事。』
そう音聲だけが屆きます。
『古の。我が軍勢は敗れ、果てた。』
『同胞の魂を持つものよ。』
『機會を與えよう。』
『さぁ來るがいい。本當の闇は此処に在る。』
その音聲が屆いた後、畫面にが戻り、キャラクターがいました。
殘りMP0で魔法は使えません。
ポーションを飲んでみましたが回復しませんでした。
詠唱魔法のデメリットは消費MPが時間経過でしか回復しないことみたいです。
裝備を転換し両手に【ナイトファング】と【ペインボルト】を裝備します。
駆け出して〔冥界神 エレシュキガル〕との距離を詰めます。
「っし!」
膝下あたりを切りつけますがダメージはあまりっていません。
『効かぬぞ。只人。』
MPが自然回復するまで死なずに、〔冥界神 エレシュキガル〕の攻撃を堪え切ることができれば勝機はあります。
どれだけの時間が掛かるかはわかりませんがやりきって見せましょう!
1時間ほど過ぎたでしょうか、MPが3600まで回復しています。
先ほど詠唱魔法を使ったときに気付いたのですがあの魔法は恐らく”発に消費したMPを100倍化しHPへの直接ダメージに変換するもの”です。
先ほどは90%の消費減で17600のMPつまり総ダメージは1760萬くらいだったと思います。
骸のHPが約1000だったので恐らく合っています。
〔冥界神 エレシュキガル〕のHPは1000萬あり、殘りは970萬ほどです。
あと2時間耐えきり、もう一度≪常世ニ溢ルル消エヌ闇≫を使えれば倒せるはずです。
そう思考しながらも、両手の武で攻撃しなるべくHPを減らしておきます。
攻撃は遅く、私のAGIでなら難なく避けられます。
魔法攻撃のために周囲の瘴気を吸収し始めたら、攻撃を當て、中斷させます。
これをあと2時間続けるのは神的にキツイですがやりきるしかありません。
1時間が過ぎ。
2時間が経ちました。
「來たっっ!」
MPの総量が10800まで回復しました。
いける!
詠唱中をかすことはできませんが、私には関係ありません。
「≪煌く軌跡≫≪アンチ・グラビティ≫≪フライト・レギュレトリー≫」
3つのアクティブスキルを発させます。
これで移しつつ詠唱ができる!
『歌エ 歌エ 原初ノ闇ヨ 踴レ 踴レ 原初ノ闇ヨ 我ガ神ヲ供トシ 有ルベキ姿ニ戻リ給フ 出デヨ 出デヨ 常闇ヨ ゼヨ ゼヨ 死ノ闇ヨ』
何度も〔冥界神 エレシュキガル〕の攻撃が當たりそうになりますがなんとか詠唱を終わらせました。
『≪常世ニ溢ルル消エヌ闇≫』
再び靜寂が訪れました。
『〔冥界神 エレシュキガル〕の討伐を確認。【神 エレシュキガル】をインベントリに獲得しました。【冥府の覇者】、【冥界神】、【忘卻せし呪文】の【稱號】を獲得しました。』
〔神話級モンスター〕を倒したときの報酬の豪華さはすごいです。
【神 エレシュキガル】
裝備効果:MND+100 INT+100
消費MP90%減
消費EN100%減
、聖屬ダメージ200%増加
武固有スキル:≪絶級闇屬魔法≫
≪【冥界神の施し】≫
≪【冥界神の気まぐれ】≫
【神】だけあってなかなかいい武です。≪【冥界神の気まぐれ】≫で闇屬魔法の威力上がりますし。
【神 エレシュキガル】はブレスレット形態にし裝備しました。
【稱號】もなかなかいいですね。
【冥界神】Ereshkigal
闇屬魔法のダメージに50%ダメージボーナス。
≪ネクロマンシー≫
≪ネクロマンシー≫はモンスターの素材を使ってそのモンスター召喚できるスキルです。いりませんね。
【冥府の覇者】はアイテムなしで『冥界』に來れるみたいです。
アイテム代が浮きますね。
裝備と新しい【稱號】の裝備をすませ『冥界』から出します。
ホームの地下に帰ってきた私はLv.310になっていることに気づきました。
10ポイント分のステータスポイントを獲得したのですべてMNDに振ります。
MNDが補正込みで290まで上がったのでMPもなかなかの量になってきました。
さてMOBのドロップでも整理して今日は落ちます。
とても疲れました。
to be continued...
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