《VRゲームでもかしたくない。》第1章12幕 麻雀<Mahjong>

2度目のお風呂から上がり、今度はちゃんとを拭きます。

こないだふっと魔法で乾燥させる方法思いついたのですが忘れてしまったのでしかなくタオルで拭いています。

そろそろファーナが到著する頃なのであまり時間はかけていられないですね。

髪がまだしっかり乾ききっていないまま服を著ます。

ほっとけば乾くって天國のばぁちゃんが言ってました。

下の階に降り、売り場に行くとちょうどファーナが到著しました。

「おじゃまします」

「お待ちしてました。では代金お支払いしますね」

400萬金を渡します。

「毎度ー!今度メイドさんたちの寫真とらせてくれるかな?」

「恥ずかしがる子もいるので何とも言えませんがノリノリそうな子がいたらいいですよ」

「りょーかい!よしじゃぁ打とうか!」

「麻雀ですか?」

「うむ。今日は役満が和れる気がするよ!」

「あっごめんなさい。もう一人見つけてなかったです」

「ふふん。そうだろうと思って二人連れて來たよ!」

逃げ場がない。できれば麻雀は時間を食うのでやりたくないんですが……。

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「きたっすー」

「よばれてきたよー!」

ハリリンにエルマ……。

麻雀打てたのか……。

「チェリー、地下室で打とうか!」

エルマが結構乗り気ですね。

「俺も今日は勝てる気がするっす。いつもファーナにまけてるっすからね。今日はいつもみたいに簡単にいかないっすよ!」

ていうかこの3人接點あったんだね……。

地下室に場所を変え、ファーナが雀卓を取り出します。

「どーん! これが<Imperial Of Egg>の雀卓だー!」

どこにでもある電の雀卓ですね。

「あれ? が薄い」

「普通の雀卓だったので」

「もっと禍々しいの想像してたっす」

「なんかゲーム間違えた? って思ったよ」

うん。エルマこれは麻雀ゲームじゃないからね。その想が正しいよ。

「とりあえず打と!」

「まぁしだけならいいですよ」

「ぜってー勝つっす」

「ラスだけは引きたくないねー!」

半荘一回を遊び終わり私は3位でした。

「エルマ強すぎ!」

「運が良いだけだよー!」

「ファーナさんに1000點差で負けた……。立直さえしてなければ……!」

「手も足も出なかったっすー」

「さぁもっかいいくよ!」

あー。もう次で終わりたい。

「チェリー? テンパってるね?」

「さて、どうかな?」

「通らば……立直!」

「殘念っすー! それロンっすー5800っす」

「ハリリンの連荘だと……?」

「ヤキトリ回避っすー1本場いくっすよー」

白熱した2度目の半荘もエルマが制し、一度目と変わらない結果に終わりました。

「くー……! 次は負けないからね!」

「俺も負けないっすよー!」

「三人まとめてかかってきなさい!」

あっまだ続けるつもりなんだ……。

「ごめん。私ちょっと出かけるから3人で打ってて」

「いってら!」

「いってらっしゃいっす」

「いってらー!」

やっと解放されました。

麻雀楽しいんですけどね。

疲れるんですよ。

出かけると言ってでてきたはいいのですが、特にやりたいことがないんですよね。

所かギルドでも行ってみましょうか。

先にギルドに行くことにします。

「こんにちはー」

「こんこんー」

「こんにちはー」

ジュンヤと纏花がいるようですね。

「VRでは初めましてだね」

「そうですね。初めまして」

「纏花は今日初ログインなんだとよ」

「そうなんだ」

「ええ。ちょっと出張に行ってたので」

「そっかー。VRにはなれた?」

「慣れたというよりはもともと相當數VRやってきましたからね。いつも通りですよ」

「そうだったね」

「それで纏花が來たから<Imperial Of Egg>のVRを教えてやろうと思って模擬戦したらもうコテンパンにされちまったよ」

「えっ? ジュンヤが?」

「おう。さすがにVRたくさんやってるだけあってきがちげーんだよなぁ」

「そこまでではないですよ」

「チェリーも一戦やっとくか?」

「えっ? お斷りします」

「お? 逃げんのか?」

カチン……。

「逃げますよ。いけないですか?」

「おーおー。こえーこえー。纏花はチェリーと一戦えたいか?」

「戦ってみたいとは思いますね。チェリーさんかなり強いですし」

そんなわけないだろ。

「私は嫌なんですが?」

「まーまーそういわずに一戦……な?」

「はぁー……。仕方ないですね。一戦だけですよ?」

「おっこりゃ見ものだな!」

「ありがとうございます」

開始直後速攻降參して≪テレポート≫で逃げる。

「あれチェリーさん【暗殺者】じゃなかったですか?」

「武変えたんだよ」

「なるほど。準備できました」

【ゲート・ブック】を裝備して準備を済ませます。

「私も準備できましたよ」

「よーし。じゃぁ試合開始!」

來た! 速攻降參してやる!

「≪こうさ……「させませんよ」」

ッチィ読まれてたか!

「≪ホーミング・アロー≫」

何処までも追いかけてくる矢を打ち出す魔法ですね。これまた厄介な……!

裝備を転換し、【神 エレシュキガル】を裝備します。

「≪煌く軌跡≫≪アンチ・グラビティ≫≪フライト・レギュレトリー≫」

いつも通りのスライド移を発し、ついでに魔法を打っておきます。

「≪ダーク・ボール≫」

纏花に向かって打ちますがきっと防がれるでしょう。

まぁこれはおとり……目くらましなんですけどね!

「……。≪ホーリー・シールド≫」

よし! 今のうちに次の魔法を……?

そう思ったときにはすでに數本の矢が私のを貫いていました。

「いたあああああああああああああああ」

痛覚設定切ってない!!

初期設定のままだ!!!

「痛覚切ってないんですね。これは強敵だ」

何自己完結してんの?切り忘れだよ!!

「めっちゃいたい……ぐすっ……」

「さぁ続けましょう」

くっそ……。この戦闘狂め……。

絶対泣かせてやる!

降參や逃げを考えず、倒すことにします。 まぁ初VRの対人ですからね。

やれるだけやってみましょうか!

しつつ痛覚設定はしっかりオフにしておきます。

これで痛みはないでしょう。

まだ矢が刺さってるところジンジンしてますけど。

【神 エレキシュガル】の武固有スキルの初お披目です。

「≪【冥界神の施し】≫」

ぶわっと自分を中心に黒い靄が広がっていきます。

たぶんこれならある程度の認識阻害効果があるはずです。あとはおとりになる何かを……

「≪ネクロマンシー≫」

インベントリに殘ってたモンスターの素材をばらまいて使用します。

こうなったら辺り一帯塵にしてでも倒してやる……。

結界があるので外に被害は出ませんし、詠唱魔法でもぶっ放してあげましょうか。

VRで初めて使いますけどきっとうまくいきます。

一度使用したことがある詠唱魔法ではなく、もうし呪文が短そうなものを選び、呪文を眺めつつ読み上げます。

『怒レ 怒レ 遍ク力ヨ ベ べ 全テヲ滅セト 我ガヲ犠牲トシ 命芽吹カヌ場所トセヨ』

詠唱中にHPを約半分ほど消費していました。

こちらはHPを対価に発するみたいですね。

『≪遍ク全テヲ灰塵ニ≫』

私を中心に外へ外へと衝撃波が広がっていきます。

床をえぐり、天井をえぐり、結界に衝突します。

結界にぶつかった衝撃波が結界をミシミシ言わせていますが壊れない……とおもうので大丈夫……でしょう。

見回すと黒い靄も晴れ、纏花、ジュンヤの姿がともに見えませんね。

あっジュンヤ巻き込んじゃった……。

相変わらずすごい威力ですね、詠唱魔法は。

ふぅーっと息を吐き戦闘態勢を解きます。

「油斷大敵ですよ」

纏花の聲が後ろから聞こえました。

「ッ……!?」

振り向いたときにはもう遅く、纏花が左手に握ったナイフが私の首を刈り取っていました。

初VRの死亡験と初蘇生を終え、纏花のほうを見ます。

「どうしてよけられたの?」

「たまたまです」

「……」

「このスキルは確かに強力ですが、自分を中心として発生するスキルにみえましたので著すれば助かるかなって考えまして」

「なるほど」

「それで回避できるのはたぶんお前だけだぞ」

「そうでしょうか?」

「それとチェリー」

「ん?」

「俺を巻き込むんじゃねぇ!」

「いやだってこんな強力なスキルだってしらなかったんだもん」

「試し打ちくらいしておけよ!」

「次からは気を付ける」

「あと結界裝置壊れたんだけど?」

「それは焚きつけたジュンヤが悪い」

プンプンと怒って結界裝置を買いに行くジュンヤを見送り、纏花と會話をします。

「めちゃくちゃ強いね」

「いえ。もっと強い方いますから」

「もう戦いたくないけど、もし次に戦うことがあったら絶対負けないから」

「次は負けそうなのでしっかり訓練しておきます」

ジュンヤに続いて私も纏花にコテンパンにされししょげているとふと気付きます。

纏花って最初にスキル使ったっきりで他に発してなかったよね……?

いやいや。まさかね……。

その思考を頭の隅に追いやりホームへ帰ります。

地下室から大聲が聞こえてきたのですぐに向かいます。

「またまけたっすー」

「いえーい6連勝ー」

「エルマ手加減して」

…………。

まだやってたのかよ。

聲をかけずに去ろうと思って回れ右をしましたがエルマにつかまり椅子にしばりつけられてしまいました。

「さぁチェリーが返ってきたし打つよー!」

「いくっすよー」

「まけないよ!」

このまま夜まで麻雀を打ち続ける羽目になりました。

to be continued...

    人が読んでいる<VRゲームでも身體は動かしたくない。>
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