《VRゲームでもはかしたくない。》第2章10幕 炎の< flame spirit >
散り散りになった私達はパーティーチャットを用いて會話をしていました。
『やつが何なのか知ってるのか?』
そう聞いてくるジュンヤにステイシーが答えます。
『やつは〔イォマグヌット〕、外なる神って言われる奴だねー』
『それってゲーム外での話?』
私はそう口を挿みます。
『うん。元はクトゥルフ神話の神だったかなー』
クトゥルフ神話……。私もTRPGは結構かじっていたので名前に聞き覚えがありました。
『どんなゲームをやってもついてくるって?』
先ほどからの疑問を口にします。
『その通りだよー。僕がどのゲームで遊んでいても結局、敵としてあいつが現れて、すべてなかったことになっちゃう』
そういえばMMOで謎のモンスターが襲來し、運営でもリカバリーできない事があり、サービス終了したゲームがいくつかあったはずです。
私はてっきり、サービス終了のための言い訳なんだと思っていましたが、上空にうかぶ環狀の炎からはそれほどの力があるとじ取れました。
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『とりあえず倒さないとゲーム自もヤバイってことか?』
『そこまでは斷定できない。でも倒さないと……』
その言葉の後に何が省略されていたのか、ステイシーはどんな気持ちなのか、読み取ることができませんがやることはただ一つですね。
『倒そう』
『しかねーよな?』
しの間があり、ステイシーから返事がきます。
『ありがとう』
改めて倒す決意をし、作戦を立てます。
『まず接近はできそう?』
『いや。熱くてちかよれねぇ』
『じゃぁ魔法系か。水は効きそう?』
『屆く前に全部蒸発するー』
『なら氷も無理そうだね』
手の打ちようがない……。
苦し紛れに腰につけていた【神 チャンドラハース】を≪投擲≫してみます。
すっとが剣を包み、手を振っていないのに飛んでいきます。
おお! 投げるモーションなくてもいけるんだ!
すこしのを覚えますが、飛ぶ先は見失わないように目線は剣を追い続けます。
ある程度〔イォマグヌット〕に近づくとドロリと溶け出し、跡形もなくなってしまいました。
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TPを消費したら溶けた武も元通りになり腰に重みが増します。
「チェリー」
私が行をしている間に二人とも近くまで來てくれたようです。
すこしステイシーの顔が元の味にもどってきてますね。
「ステイシー大丈夫?」
「うん。でもまー一人だったら逃げ出してたねー」
「辛かったら言って。ジュンヤが何とかする」
「俺かよ!」
「さてどうしよっか」
【神】ですら溶かされてしまった事を伝えます。
「俺の【聖槍】ならたぶん通る。こういう手合いにはぴったりな武だしな」
ジュンヤの【聖槍】が頼りってわけですね。
「どのくらいで裝備できる」
「そうだなぁ。あと10分はかかる」
「10分あったら私達全滅しちゃわない?」
「するだろうな」
「…………」
「チェリー。いったんあいつを閉じ込められるー?」
「できるかわからないけどやってみようか?」
「お願いー。屬は聖屬でー」
私達と會話することで平靜を取り戻したのか、いつもと同じテンションに戻ったステイシーが言う通り聖屬でキューブシェイプの魔法を使ってみます。
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「≪ホーリー・キューブ≫」
一時的に閉じ込めることはできましたがすぐに≪アンチスペル≫され解けてしまいました。
「≪アンチスペル≫もあるのか」
「本當に攻撃手段がなくなっちまったぞ」
「いやー。これでいいのさー」
ステイシーが何かを確信したような表で言いました。
「≪フレイム・ハイネス・レジスト≫、≪ホット・ハイネス・レジスト≫」
ステイシーが炎耐を得る魔法と熱耐を得る魔法を発してくれたのでし熱が下がったような気がします。
火魔法に対しては【アンゲーロ・ボトムス】で完全に近い耐を持っていますが、熱耐は一切なかったので助かりました。
「耐が上がっても攻撃手段がないんじゃねー」
「武が溶かされるなら魔法で生するしかないよね?」
「うーん。まぁそうなるよね」
「ちょっと試したいことがあるんだけど」
「なにかなー?」
「私が魔法で武を何種類か作って、≪【見えざる手】≫、これで斬ってみる」
しゃべりながら魔法を発し、手を4本召喚します。
「それなら……≪アイシクル・アーム≫エンチャント≪ウォーター・ブレード≫、≪サンダー・スカバード≫エンチャント≪フレイム・スカバード≫」
詠唱魔法に匹敵するほど長い言葉を聞き、ステイシーが作り出した魔法製の剣を召喚した手でけとります。
「氷の剣を水でカバーして、鞘は炎製で雷を付與してあるー。これでどこまでいけるかな?」
「試してみる」
2本の腕を作し、〔イォマグヌット〕にむかってばします。
今のところこの腕のばす限界は見えてこないので、距離的な問題はないでしょう。
しかし、いくらステイシーが作った特の魔法剣であっても、【神】を溶かすレベルの熱に耐えられるかは心配です。
殘り10mくらいでしょうか。
【神】は溶けてしまいましたが、魔法剣は溶けるじがしません。
行けるか!?
そう思い、抜刀し、斬りかかります。
スパッと環狀の炎は二つの半円となり、地面へ落下していく様子が見えました。
「やったか!?」
こういう時にフラグを立てるのはジュンヤの悪い癖ですね。
半円となった炎の環が地面に墜落し、音を奏でた後、周りの地面が溶けていくのが確認できました。
おそるおそる殘った2本の腕をばし、拾い上げてみます。
腕は溶けることなく、半円を摑みとりました。
「これほんとに倒せたんじゃねーの?」
そう言いながらジュンヤは【聖槍】を取り出します。
「まだスキルはつかえねぇけど、裝備は可能になったぜ」
「よかった」
一瞬ジュンヤのほうを見ていた顔を半円のほうに戻すと、目の前で半円がりだしました。
目がくらむほどの閃が発生し、つい目を閉じてしまいました。
數秒して目を開けると元通りになった半円とその中心に浮かぶクラゲのようなものが視界にうつりました。
「おいおい……」
「本のお出ましだね」
「でやがったなー」
無數の足のようなものを蠢かせ、こちらに向かってゆっくり、ゆっくり、近づいてきます。
先ほどの円環狀態の時ほど熱はなく、裝備が溶け出すことがないことにし安心し、〔イォマグヌット〕をキッとみます。
こちらの視線を意に介さず、〔イォマグヌット〕は近づいてきます。
「しゃぁねぇ! やるぞ!」
ジュンヤが完全ではない【聖槍】を構えます。
「チェリーはフォロー頼む」
「わかった。ステイシーもっかい耐スキルお願い」
「≪フレイム・ハイネス・レジスト≫、≪ホット・ハイネス・レジスト≫」
ステイシーの耐魔法を浴び、ジュンヤが駆けていきます。
「だらあああ!」
【聖槍】を突き出し、〔イォマグヌット〕の本であろうクラゲに差し込みます。
そして數歩バックステップし、こちらに聲が屆く範囲までもどってきます。
「通ってるはずだ! チェリーお前も攻撃に參加だ! 魔法剣で來い!」
そう言われたので召喚した4本の腕と自前の腕に系6本の闇魔法剣を裝備し、ジュンヤの橫に並びます。
「そうか! ≪【羅剎化】≫ぁ!」
先ほど獲得した【神 ラーヴァナ】を左手に裝備し、スキルを発し、強大化していきます。
「これで畳み掛ける!」
ズシズシと足音を立てつつ、ジュンヤが再び本に接近します。
私も本に近寄り、6本の腕を本を斬りつけます。
その間ステイシーは溫度上昇を下げるため、絶級水魔法で雨を降らせていました。
數分ほど斬っていますが終わりが見えません。
しかし〔イォマグヌット〕は反撃をせず、ただずっとそこに立っていました。
「っしゃぁ! 【聖槍解放】!」
ジュンヤが【聖槍】を真の姿にし、攻撃速度をさらに上げ、どんどんダメージを蓄積していきます。
すると先ほどまで反撃に出なかった〔イォマグヌット〕がついに反撃にでました。
本の口らしき部分をバカァッと開け、私を丸のみにしようとしてきます。
あぶなっ!
そう聲には出さず、數歩下がりギリギリで回避します。
「ジュンヤ!」
「もうおせぇ!」
注意を促そうとしたらジュンヤはすでに左足を食い千切られ、後ろに倒れそうになっていました。
増した腕ではない、本來の左手に握った【神 ラーヴァナ】を地面に突き立て、倒れるのはこらえたようでした。
「いってぇー」
〔イォマグヌット〕の猛攻はそこで止まらず、さらにジュンヤを貪ろうと口を開けたままゆっくりと近寄っていきます。
「ここで俺はアウトだな」
そういうジュンヤのつぶやきが聞こえました。
「≪解除≫、≪【聖槍技】全てを払うセイクリッド・聖なるエクソシズム≫」
普段のジュンヤの大きさになり、左手の槍を上手く使い上空に飛び上がり、スキルを発しました。
「うらあああああああ!!」
空中に浮かんだジュンヤの右手から【聖槍】が投げられ、本に刺さります。
「あとはまかせたぜ」
そう言い殘し、ジュンヤは口のようなに落下していきます。
「っ……!」
〔イォマグヌット〕は一瞬でジュンヤを食べ、すぐさま私に向かってきます。
反撃に出たってことは結構やばい狀態なはず……。
そう希的な観測をし、斬りかかろうとします。
「≪ハイエンド・ライトニング・エンチャント≫」
後方からステイシーの聲が聞こえ、全が雷に包まれます。
助かりますね。
いつもパーティーを組んでいるので魔法をかけるタイミングまで完璧です。
「はっ!」
ギリギリで無數の足による攻撃を回避し、その足を斬り落とします。
スライド移も併用しているのにこれほどまでギリギリの回避になってしまうのは敵の強さ故でしょうか。
それとも私が死にたがりなのか。
ジュンヤが削ったHPをさらに削り、追い詰めていきます。
6本の腕で何度も何度も斬りつけてやっと目に見えて減ってきました。
悲鳴をあげたいのかクネクネとをよじらせ、苦痛を表しています。
何とかすべての足を斬り落とし〔イォマグヌット〕の移を封じます。
4本の召喚した腕で雁字搦めにし、きを取れないようにもしておきます。
すぅと息を吸い、私は詠唱魔法を発します。
『歌エ 歌エ 原初ノ闇ヨ 踴レ 踴レ 原初ノ闇ヨ 我ガ神ヲ供トシ 有ルベキ姿ニ戻リ給フ 出デヨ 出デヨ 常闇ヨ ゼヨ ゼヨ 死ノ闇ヨ』
『≪常世ニ溢ルル消エヌ闇≫』
殘りのMPをすべて吸い取り、発した詠唱魔法により、またも視界が暗くなります。
倒したのであれば討伐アナウスが出るはず……。
しかし、その表示は出ず、視界が戻った先には拘束された狀態でピクピクとしている〔イォマグヌット〕が見えました。
瀕死には追い込んでいたみたいですね。
異常に重くじるを引きずるようにかし、〔イォマグヌット〕の近くまで來ます。
瀕死の狀態でも私を食らおうと口を開けている〔イォマグヌット〕に腰から抜いた剣を差し込みました。
『〔外なる神 イォマグヌット〕の討伐を確認しました。ユニーク武【神 イォマグヌット】をインベントリに獲得しました。【神絶やし】、【火の偽王】、【暴食】の【稱號】を獲得しました。』
【神 イォマグヌット】
裝備効果
  火屬魔法被ダメージ100%減
火屬魔法ダメージ100%上昇
熱耐50%上昇
武固有スキル
≪【星々から宴に來たりて貪るもの 】≫
≪絶級火屬魔法≫
武固有スキルの効果が特殊過ぎて私には理解できませんでした。
私のために食事が用意された場合、消費なしで転移できるかわりに全部食べきるまで帰れないって……。
【火の偽王】は≪絶級炎屬魔法≫を使えますし、なかなかいい効果です。
【神絶やし】と【暴食】はお飾り稱號ですね。
先ほどの戦闘で7、今の戦闘で10レベルが上がり、Lv.331になりました。
85ポイント分のステータスポイントを獲得したので全てMPに振り、MNDが補正込みで405まで上がりましたね。MPの最大値は43300、ENの最大値は32050になりました。
いよいよ、魔法系の仲間りですね。
ステイシーも【稱號】やら武やらを獲得したようで確認しています。
「ステイシー」
「ありがとうチェリー。もう大丈夫だよー」
そういいニッコリわらっていました。
冥界から出し、地下室に戻ってきます。
目の前の雀卓の椅子に座り、茶をすすっていたジュンヤが聲をかけてきます。
「おかえりー。倒せたみたいだな」
「ありがとう。ジュンヤが居なかったら多分倒せてなかった」
「だろうな。もっと褒めていいんだぜ?」
「はいはい」
「ジュンヤもありがとねー」
「おう。もういいのか?」
そうし心配そうな顔をしていますがステイシーの笑みを見て納得したようでそれ以上は聞きませんでした。
「ステイシー。ちょっと話がある」
そういったジュンヤに連れられ、地下室から二人が出ていきます。
「チェリーはどうだった?」
「どうもこうもないよー。普通にいて倒してたー」
「なんでだろうな」
「仲間の命とか自分の命がかかってないとたぶんずっとあのままだと思うよー?」
「そっかぁ」
「おまたせー」
ステイシーが戻って來てそう言います。
「悪いな。ちょっと貓姫のことで相談があってさ」
「そうなんだ。疲れたし私はそろそろ落ちようかな」
「いい修行だった。あっあと『貓姫王國』の件だが明日くらいには進展しそうらしいぞ。またなー」
「チェリーまたねー」
「またね」
そう言って私はエレベーターに乗り込み、4階の自室の扉を開けます。
何かの気配がします。
「誰?」
となりで寢ているフラン達を起こさないように小さい聲で誰何します。
「じゃーん! エルマちゃんだよー!」
とエルマのサブアカウントのキャラクターがベッドの下からニョキっと生えてきます。
「びっくりさせないでよー」
「えへへーごめんねー。下でハンナちゃんに聞いたら冥界に行ってるって言ってたし、帰ってくるときはエレベーターで直接4階だから大丈夫かなってね!」
あー。全部読まれてますね。
「そうだエルマ。サブキャラって魔法系だったよね?」
「うん。火魔法と風魔法を使うかな? あとエルマじゃなくて風紅ふぁんふぉん」
「これあげる」
「えっ?」
そう言って私はエルマ……風紅に【神 イォマグヌット】を渡します。
「えっ? 【神】じゃん! いいの?」
「いいよ。裝備効果は優秀だけど武固有スキルがちょっとアレでね」
エルマがポチポチと畫面を作し、確認します。
「これは……作者いろいろと勘違いしてるんじゃない?」
「だよね。まぁ手にれた【稱號】が立派なもんだったからそれで十分だよ、私は」
「そっかー。じゃぁ遠慮なくもらうねー! チェリーに合いそうな奴手にれたらあげるよ!」
「気にしなくていいよ。それより聞いてよ……」
疲れてたはずなのに數時間エルマと話してしまい、気が付いたら二人とも寢てしまっていました。
to be continued...
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