《VRゲームでもかしたくない。》間章2幕 迷子<stray>

突然旅行に行くといわれ、何も準備していなかった私は、流石に替えの下著ぐらいはしかったので途中で百貨店に寄るように提案します。

「いいねー。高勢屋がもうし行ったらあるからそこによろっか」

「おねがい」

老舗の百貨店ですね。

高校生の頃母親と何度か行きましたがそれっきり行っていません。

數分車を走らせた後、高勢屋の駐車場へと左折します。

「よかった! 空いてる」

今日は日曜日なので、百貨店などは混んでいると思ったのですが、運よく駐車場が開いていたようです。

66番と書かれた番號のスペースに停め、私達は車を降ります。

駐車場から百貨店部にでると、多くの人で賑わい、ほとんど外出していなかった私を苦しめます。

「くぅ……」

「どうしたの?」

「スキルが使えない……」

「はい?」

「まず有象無象を排除して……」

「おちつけ! ここは現実だぞぅ!」

「はっ!」

エルマの一言で正気を取り戻します。

「ごめんごめん。數年ぶりに人ごみにまれて、おかしくなってた」

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「お、おう。でもこんなに混んでるのによく駐車場空いてたよねー」

「だね」

そう言いながら私は案板を探します。

辺りを見回し、エスカレーターの橫にタッチパネル式の案板を見つけました。

そこに向かって歩いていき、案板を確認します。

「えっと……婦人服は……3階から5階までか」

タッチパネル式の案板を作し、婦人服売り場を検索しました。

「本館のほうだね。今いるのが別館だからし歩かなきゃ」

そうエルマに告げます。

しかし返事がありません。

疑問に思った私は、振り返り、エルマの顔を探します。

あれ? エルマがいない……。

迷子になっちゃったのかな?

そう思い、攜帯端末を取り出し、エルマに電話を掛けます。

『お客様がおかけになった電話番號は、電源がっていないか電波の屆かない所にいるためかかりません』

えっ。

あっ!

エルマ車に乗った時電源切ってた!

早く電源れてくれないな……。

念のため、もう一度かけてみましたが同じアナウンスが聞こえてきたので、諦めてエレベーター橫のベンチに座って待つことにしました。

數分待ってもエルマから連絡が來なかったので、待ってる間に思いついたいたずらを決行することにしました。

私は別館の総合インフォメーションと描かれている場所までやってきました。

そして、そちらにいる人のお姉さんに聲を掛けます。

「あの……すみません」

「いらっしゃいませ。いかがされましたか?」

うおぅ……笑顔が眩しい。

「友人とはぐれてしまいまして」

「かしこまりました。館アナウンスでお呼び致しましょうか?」

「お願いします」

「特徴等を教えていただけますか?」

「うすい紫でバラの柄がっているロングのスカートにフリルましましの白いシャツを著ています。名前は瑠麻ちゃんです」

「年齢はおいくつくらいですか?」

わたしの一つ上なので……。

「23歳です」

「……はい。どちらからお越しになりましたか?」

「東京都の文京區です」

「かしこまりました。では放送室のスタッフにお伝えしますので々お待ちください」

「はい」

総合インフォメーションの南場です。お連れ様のご連絡をお願いいたします。文京區からお越しの……。と彼に向かってしゃべっています。

アナウンスで呼べば一発ですね。

ええ。これはとても恥ずかしいですよ。

仕返しです。

『お連れ様のお呼び出しを申し上げます。文京區からお越しの瑠麻さん。お連れ様が別館1階、総合インフォメーションにてお待ちです。くりかえします。』

あれ? 思ってたのと違う!

迷子のご連絡をいたします。薄紫のロングスカートとフリルましましの白いシャツをお召になったの子、瑠麻ちゃんをお預かりしております。

的なのを想像してた。

「早く合流できるといいですね」

そう完璧なスマイルをうかべる人のお姉さんにちょっとデレデレしつつ、エルマを待ちます。

10分ほど待っていると、エルマがやってきました。

「チェリー!」

「エルマー!」

「どこ行ってたの!?」

「ごめんよー。人波にさらわれてどんぶらこっこどんぶらこーってわけだよ」

「えっ?」

「「ん?」」

私達が合流し、インフォメーションの前でし話していると人のお姉さん驚いた顔をして私達二人を見つめています。

「どうかされましたか?」

私がそう聞くと、彼は両手をの前に構え首を橫に振りました。

「いえいえ。なんでもございません。ごゆっくりとお買いお楽しみくださいませ」

お辭儀をして、見送ってくれました。

「さっきの人どうしたんだろう?」

そうエルマがポツリ呟きます。

「わからない。もしかしたらどこかで會ったことあるのかもしれないね」

どこであったかはわからないので、結論はでませんでした。

無事にエルマと合流できたので、本館5階にある下著売り場に行くことにしました。

「ここの下著屋さん知ってる!」

そうエルマがピョンと飛び跳ねました。

「有名なの?」

「うん! あたしとかチェリーみたいなちょっとおっきくて可いデザインがなかなか手にらない人にも大人気のブランドだよ!」

「おお!」

昔から、ちょっと悩んでいました。

いデザインのものがなかなか手にらないんですよね。あっても高いですし。

踴る心をなだめつつ、店にります。

「いらっしゃいませー」

迎える店員の聲を聞きつつ、自分のサイズが置いてある棚に一直線で行きます。

同様にエルマもエルマのサイズに一直線でした。

ちらっとエルマのほうを見るとE70を探しているように見えました。

うん。やっぱりエルマおっきいですね。

E70だと私と大差ないですね。私G65ですし。

數分眺め、気にったセットを2種類摑み、レジへと向かいます。

「サイズおまちがいないですかー?」

「大丈夫です」

「お客さん結構著やせするタイプですかー?」

「そうだとおもいます」

「そうなんですかー。あっお連れ様の方もお預かりしますー」

店員と話していると、エルマも自分がしいを見繕ったようです。

「お會計は別々でいいですかー?」

「いえ。一緒でいいです」

「「えっ?」」

エルマと店員さんが驚いています。

「無理やりだったけど旅行に連れて行ってもらうんだし、そのお禮だよ」

私がそう言うと、エルマより先に店員が反応します。

「えっ! 旅行ですかー? いいなー どこいくんですー?」

「いえ。私は目的地知らされてないんです」

「あららら? サプライズってやつですかー?」

「みたいです」

「いいですねー! ではお會計4點で32000點ですー。おっと失禮しました。32000円ですー」

いま、點っていった。

「カードでお願いします」

そう言って私は魔法のカードを渡します。

「32000點じゃ子の役満ですねー」

そう言って店員はけらけらと笑っています。

「それは麻雀する人にしか伝わらないと思います」

「だねー」

「伝わるってことはお二人も打てるじですかー?」

エアーツモ切り作を見せてくれます。

「まぁ多は打てます」

「あたしも」

「いいですねー! ネットの麻雀で會うかもしれませんね! 毎度ありがとうございましたー!」

袋にれられた品け取り、店をでます。

「なんていうか、すごい人だったね」

「うん。自分のペースに引き込むのが上手い」

「エルマ他に買うものある?」

「んー。百貨店に來てるついでに、食材とかその辺り買っておきたいかも!」

「んじゃお酒も買おうか!」

「さんせーい!」

そう言って私達はデパ地下と呼ばれる、食の聖地で々なものを買いあさり、たまたま百貨店にはいっていた高級スーパーでしこたまお酒と食材を買い込み車へ戻ってきました。

「いっぱい買っちゃったねー」

「そうだね。でも旅行でこんなに買い込む必要あるの?」

「ふっふっふ。実は……」

「実は?」

「まだ緒!」

「えー」

エルマの悪魔的な微笑みが直撃し私はそれ以上の追及をやめました。

方向的には、西の方へ行くみたいですね。

車を運転するエルマとおしゃべりしながら、目的地まで刻々と移り変わる景を眺めています。

to be continued...

    人が読んでいる<VRゲームでも身體は動かしたくない。>
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