《VRゲームでもはかしたくない。》第4章17幕 スクワット<squats>
久しぶりの『騎士國家 ヨルダン』にやってきました。
特に制限されることもなく國できました。
「すぐに王城に行こう!」
ラビがそう行って戦闘を歩き始めます。
それに続くように私達は久しぶりの『ヨルダン』を満喫しつつ歩いていきます。
「そういえばステイシー。さっきポテトになにか言われた?」
私がそうステイシーに聞くと、首を橫に振りながら、答えます。
「んー。大丈夫ー。なんでもないよー」
いや。あの顔は大丈夫じゃないですね。まぁ本人に言う気がなさそうなので今回はこれ以上の追求は止めておいてあげましょう。
店での買い食いなども楽しみ、王城までたどり著きます。
「ラビエル様!」
警備を擔當しているであろう騎士がラビの名前を呼びます。
「お久しぶりでございます。急ぎお父様にお會いしたいのですが」
「かしこまりました! すぐ手配いたします。≪開門≫」
そう言って門を開け、私達を中へと迎えれてくれました。
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「おかえりなさいませ。お嬢様」
すぐに馬車が到著し、者を務める老齢の男、ヨシダが降りてきました。
「チェリー様、お久しぶりでございます。宮仕えの者が出ておりまして、力量不足で些か恐ですが、私が者を務めさせていただきます」
「お久しぶりです。お願いします」
「本日はいかがされましたか? お嬢様のわがままにお付き合いいただいているというかんじでしょうか」
「いえ。今日は私とこのステイシーのわがままをラビお嬢様に聞いてもらっているのです」
「ほう。承知しました。かの一件についてでしたか」
「ご存じでしたか?」
「ええ。それはもちろん。明日辺り、『ヴァンヘイデン』國王に対し正式な書を送りまして、お二方を正式に『ヨルデン』國民として迎えるとお伝えする所存でございました」
「ほんと!?」
ラビがヨシダに飛びつくのではないかというほどを乗り出してきます。危ないからやめなさい。
「もうこちらでの手続きはお二方のサインだけで済むようになっておりました。この期にどうでしょう。『ヨルデン』の國民となってみるというのは」
「実は……」
私はそう言って、事の顛末を話します。
「なるほど。『ヴァンヘイデン』の籍を抜けられないから亡命扱いでも、というわけでございますね」
「はい」
「『ヴァンヘイデン』國王から正式な返事がいただけない限り、正規の手段での移籍はできませんからね。さすがチェリー様です。思い切りがよろしゅうございます」
「ほめてないですよね?」
「いえ。滅相もございません。では到著でございます。この先も私が案させていただきます」
馬車を止め、私達を馬車から降ろし、王城部へと歩いていきます。
「先ほど陛下にご連絡をれました所、謁見の間にて待っていると申しておりました」
「なるほど」
「公務ではないのでそのままの服でよろしゅうございます。こちらへどうぞ。扉を開けよ!」
「はっ!」
今度はヨシダが指示をだし、扉を開けさせます。
てくてくと何事も無いように歩くラビとステイシーに囲まれた私は、背中から汗をダラダラと流しながら、しうつむき加減で室し、跪きます。
「あっ……。ちょ……公務ではないのだから、そういうのいらんぞ?」
跪いた私に、『騎士國家 ヨルダン』の現國王がし困った聲で言ってきます。
「いや。でも……」
「とりあえず顔をあげてくれ」
「はい」
そう言って顔をあげると海パンのようなものを召した國王がスクワットしていました。
「はい?」
「だから公務ではないと言っているだろう。いまはプライベートというやつだ」
「あっはい」
プライベートで海パンスクワットはさらに意味が分かりませんね。
「あっ。そう言えばお店の援助ありがとうございます」
思い出したので言っておきます。
「なに。気にすることではない。妻に緒で私がこっそりためたへそくりから出しているものだ」
あれ、へそくりだったんですか。
「そのうち、こちらにも支店を開いてもらいたいものだ。して、『ヴァンヘイデン』國王から通達があったことについての相談だと考えてもよいのか?」
スクワットを終え、高級そうなタオルで脇をごしごしと拭きながら國王陛下は聞いてきます。うん。威厳とかもうこれっぽちもないですね。
「はい。それで私とこちらのステイシーは『ヨルダン』に移籍を希しております」
「ふむ。『ヴァンヘイデン』側の返答次第ではすぐに移籍できるように手配はしておるのだ。もう數日中に返事が來るのではないか?」
「お父様、実は……」
先ほどラビの部屋で行った會話を掻い摘んで説明してくれました。
「なるほど。亡命か。その手があったな。ヨシダ」
「はっ。こちらに」
「うむ。どこにかけばいいのだ?」
「こちらでございます」
「すまないな」
そう言って、サラサラと書き込んでいます。
「まさか『エレスティアナ』も拒否するとはな。まぁあそこ厳しいししかたないな」
後半は獨り言でしょうか。
「ラビエル」
「なんでしょうか、お父様」
「推薦狀を書いたそうだな?」
「はい」
「見せてみろ」
「かしこまりましたわ」
そう言って取り出した二枚の紙をヨシダが國王の元へと持っていきます。
「うむ。良く書けている。私がラビエルと同じ年の頃は、こんな上手に書けなかったぞ。社會勉強の果か」
そう言ってまた何か書き込みを行っています。
「連名推薦という形になる。私とラビエルのだ。これがあればむこうでも他國の王族並みのもてなしをうけれるだろう」
えっ。まさか國王様までサインしてくれるとは……。
「すぐに立たねばならんだろう。そうだ。忘れていた」
「お持ちします」
何かを取りに消えたヨシダが數分して戻ってきました。その手にマントのようなものをもって。
「それをチェリー殿とステイシー殿に進呈する」
「これは一?」
ヨシダからけ取ったローブを広げ、ヨシダに確認します。
「こちらは我が『騎士國家』公認の王族騎士の証明になるローブです。式典等で著用いただければと」
えっ。そんなものまだ國民にすらなっていないものに渡していいんですか?
「他國で何かトラブルに巻き込まれた時はそれを見せよ」
「はい」
「あと、お願いと言って何なんだが……」
「なんでしょう?」
「チェリー殿の彫刻か絵畫を作ってもよいか?」
「はっ?」
「よいだろうか?」
すごい気迫ですね。
「ま……まぁそのくらいでしたら……」
「本當か! ではすぐに手配を……いや……時間を取らせるのも悪いな……」
「でしたら私の分置いていきましょうか?」
「そんなことができるのか!?」
「はい」
「是非、お願いしよう」
「≪シャドウ・ドール≫」
そして生み出した私の分をぽいっと放ります。
「彫刻を作るくらいまでは持つと思います」
「おお。ヨシダ。すぐに手配を」
「はっ」
「ごほん。では二人の亡命を認める。ラビエル書類を」
「かしこまりましたわ」
ラビが歩いていき、國王様に書類を手渡します。
「よし。大丈夫だ。どこにかけばよいのだ?」
「こちらです、お父様」
「うむ。そうか。よし、これで正式に二人は我が『騎士國家 ヨルダン』の國民となった。後日住む家等の手配にヨシダを回そう。チェリー殿に関しては支店も見繕っておく」
「ありがとうございます。支店を作っても、生産の拠點は『ヴァンヘイデン』ですので、在庫とか諸々大変そうですが」
「無論それはこちらで手配する。基本的には『セーラム』の余剰生産商品をこちらに回してもらうだけで構わん」
「わかりました」
「しばらくは『ヨルダン』所屬の者として戦爭行為ができないが問題ないだろうか?」
「大丈夫です」
「うむ。では以上だ」
「ありがとうござました」
「ところでラビエル」
「なんでしょう?」
「もう帰っちゃうの?」
ちょっと寂しそうな聲と顔ですね。
「『ヴァンヘイデン』でやることがありますので」
「そうか。仕方ないな。に気を付けて頑張るんだぞ」
「ありがとうございます」
ヨシダに案され、城を後にします。
「これで『ヨルダン』所屬ですね。良いことです。『エレスティアナ』に直接お向かいになりますか?」
「あっ、いえ。ラビを『セーラム』に返してから行きます」
「そうでしたか。ではお嬢様、また近いうちに。おにお気をつけてくださいませ」
「はい」
「じゃぁ一瞬だけど『ヴァンヘイデン』に帰ろっか」
「そうだねー」
「うん!」
「≪ワープ・ゲート≫」
to be continued...
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