《VRゲームでもかしたくない。》第6章9幕 念話<telepathy>

「悪魔? ベルダートのことかい?」

「そうですが?」

そう答えながらアマガミが火屬魔法でデスペナルティーから戻ってきたプレイヤーを再びデスペナルティーにします。

「詳しくおしえてもらえませんか?」

私がアマガミに聞くとアマガミはしテンションをあげて答えます。

「チェリーさんに聞かれたら答えるしかありませんね! まずどこから話しましょうか……」

そういってし考えたアマガミは二つのことを教えてくれました。

一つ目は、元々廃棄されるはずだった真珠に目を付けたこと。これは私達も知っていることでした。

そして二つ目は、真珠を得るために、生産地で食用とされている貝までも買い叩いたこと。これには私達も驚き聲を失いました。

「チェリーさん達は知らなかったんでしょう。この商人がどれだけ人を殺めて來たか。ですから商業組合の使者を殺し、事実を隠そうとしました」

「そうだったんだ……」

「ん。そうですね。もう一つチェリーさんには報をあげましょう。サービスです!」

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右手の人差し指で口元をりながらアマガミが私に向かって、私にだけ聞こえる≪念話≫を発して言います。

『アミとアミの主人は、この商人を守るクエストをけてはいますが、その目的は守るためではありません。最終的にはアミはこいつを殺し、娘を手にれます。そしてベルダート家を闇クエストの品を捌くのに使いたいのです』

『どうしてそれを私に言うの?』

『今はまだ敵対するときじゃないからです。そして、いまはこの商人を守ることがお互いのクエスト功のためには必須です』

私達のクエストの容が知られている事にそれほどの驚きはありませんでした。しかし、彼は……アマガミが素直に私達と手を組もうと考えているとはどうしても思えませんでした。

『疑うのは大事なことです。でもいまは本當に疑っている場合じゃない。國がなりふり構っていないんだよ。このままじゃ……』

そう言って言葉を止めたアマガミの最後の言葉を私が発します。

『戦爭』

『そう言うことです。今はまだここで戦爭を起こすべきじゃないんです。どうかわかってください』

『このことは皆には言わない。とりあえずアマガミさん。貴の言ったことを信じてみます』

『チェリーさんは優しいですね。アミみたいな重罪判定をけているプレイヤーは基本何言っても信じてもらえませんよ』

『私もされたこと、ありますから』

『そうでしたね。では一度休戦で。私はこのままベルダートをアミの主人がいる『ブラルタ』まで護衛します』

『じゃぁ私は帰って、訓練のクエストを完了させるよ。と言いたいところだけど、ベルダートさんとし會話をさせてもらいたいんだけど』

『はい。いいですよ。あっそうだ』

アマガミがそう言って私にフレンド登録を送ってきます。

『いつでも聲を掛けてきて。チェリーさんの言うことならなんでも聞くよ』

私はフレンドを承認し、アマガミとフレンド登録を完了します。

『アミの主人とはまだ敵対しないでね。そう遠くないうちに敵対しないといけないから。それまでの間に、強くなってね? アミを倒せるくらいに』

そう言ってアマガミは≪念話≫を解除しました。

「チェリー? どういうことだ?」

「今説明するよ」

サツキとエルマからしたら無言で私達が見つめ合って、突然アマガミが移し始めた様に見えたはずなので、容は伏せつつ、説明しました。

「≪念話≫ね。フレンドだったの?」

「っ! うん」

≪念話≫はフレンドもしくはパーティーを組んでいないとまともに機能しないはずです。一方的にしか送れないのだから。

私はそこで思い出します。アマガミが【死神】の【稱號】を持っていると言っていたことを。

アマガミは私に一方的に≪念話≫を送り、私からの返事は【死神】で心を見ることによって會話を立させていたようです。

とは、敵対はしたくないのですが、遠くないうちに絶対戦わなければいけない時が來るという、確信にも近い思いを私は抱いていました。

アマガミが護衛しているベルダートののった馬車が私達の前までやってきました。

しお話、よいだろうか」

サツキが馬車の前に立ちます。

「また蟲が湧いて來たようだな! やれ!」

ベルダートがそう聲を発します。

「ベルダート様。彼たちは大丈夫です。私兵訓練の依頼をけたもので、アミの協力者です」

アミがそうベルダートに説明すると、納得したようでこちらを見てきます。

「なんだ下賤の民よ。我の時間を奪うほどの価値のある話でなければ轢き殺すぞ」

ベルダートはどうも王様気質の人の様です。

「価値があるかどうかは、貴方の頭で考えることだ。だが、今後の貴方に関する重要な容だと考えてほしい」

「言え」

そうしてサツキはあらかじめ聞くと約束していた二つの質問をします。

「まずなぜ使者を殺したのだ?」

「我の財をくすねようとする蠻族共には當然の仕打ちである」

「……。國の出頭命令を斷ったのは?」

「我に罪を被せ、自分らが潤う為だと言うのが目に見えているからだ」

「そうか。私兵訓練の依頼はしっかりとこなすと約束しよう」

「そうか。勵め。報酬の〔ユニークモンスター〕の報は私兵隊の隊長かレルカレンに聞け。もういいか?」

「ああ。時間を取らせてすまなかったな」

「価値もない話に付き合い、我は非常に腹が立った。おい。殺せ」

「仰せのままに」

そう言って短剣を両手に攜えたアマガミが馬車を降ります。

「すぐに追いつきますので、行ってください」

「うむ」

ベルダートの返事を聞いた者が馬車を走らせ、離れていきます。

しかしアマガミはかず、視界から馬車が消えると、二本の短剣をしまいます。

「厄介な人です。アミの主人の為には仕方ありませんが。殺したことにしても?」

「はい」

「ではまた會いましょう。次會うときにはまだ仲間だと嬉しいです」

そういってアマガミは馬車に向かい走っていきました。

「どういうことだ? なぜあいつは私達を斬らなかった?」

「今私達がこの依頼をクリアできないことがアマガミさんとその主人には不利益になるんだって」

このくらいなら話してもいいだろうと思ったことだけを話し、私達はベルダートの為人ひととなりをステイシーとマオに話すため、『商都 ディレミアン』まで≪ワープ・ゲート≫で戻ります。

ベルダート家の訓練場へと戻るとそこにはすでにステイシーとマオがいました。

「ただいま」

「おかえりー。どうだった?」

「なかなか厄介なプレイヤーがベルダートの護衛をしてくれていたよ。おかげでベルダートは死なずにすんだ」

サツキがステイシーの質問にそう答えます。

「ならよかったー。これをみてー」

ステイシーが何かの寫しのようなものを見せてきます。

「過去に國に黙って流通経路を確保し、消滅させられた商家の一覧ー」

私達が知る限り、VR化前、後に関わらず、消滅した商家はなかったはずなので設定的なものになるとは思いますが、その數は18もありました。

「さすがに多すぎじゃない?」

エルマも同じ想を持ったようでそう聲に出します。

「僕もおおいなーって思ったけど、この國では新商品や新しい販売ルートを開拓したら報告して、稅を納めるって決まりがあるみたいだからー」

「ここを、みて」

マオが指をおいた場所を私達は見ます。

「プレイヤーも、含まれて、いるわ」

よく見てみると18の消滅した商家の半數以上はプレイヤーのモノでした。

つまり大事になっていないだけで、VR化前にもVR化後にもプレイヤーの商店が消されていた、ということになります。

「いろいろと分からなくなて來たね。ワタシ達は、どちらの味方をすればいいんだ……」

「今はクエストけたこともあるし、ベルダート家に味方すべしかなー? ところでそっちの報はー?」

「ああ。すまない。言うのを忘れていた」

そう言ってサツキがベルダートとの會話を再現しました。

「なんていうか味方でいるのが頗すこぶるる嫌だけど仕方ないねー。盜賊との戦闘は完全に終了ー。盜賊は警備隊に引き渡されたよー」

「そうか。なら私兵訓練の依頼を終えて帰りたいところだ」

「帰れるといいんだけどー」

ステイシーは何か思い當たる節があるのかどこか遠くを見ながらそう言いました。

to be continued...

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