《VRゲームでもかしたくない。》第6章25幕 遊園地<amusement park>

夢の中に板私を外からノックで呼ぶ聲が聞こえます。

「智恵理お嬢様、ご起床の時間にございます」

「ふぇあ!」

聞きなれない聲に驚き、私はベッドから飛び起きます。

「ご朝食の準備も整っております。ご準備できましたら、扉の前の者へお申し付けください。食堂までご案いたします」

「わかりました」

私はそう返事をし、ベッドから出て、鏡をチェックします。

寢癖が酷い。

一応手櫛で整え、扉を開けます。

「おはようございます。智恵理様。ではご案いたします」

そう言ったメイドに連れられ、私は、食堂へと歩きます。

「やぁ。チェリー。遅かったね」

サツキが片手を持ち上げながら、そう言います。

「おはよう。あれ? ステイシーは?」

「まだ起きてきていないようだね」

「和久井が起こしに行っているのですが、まだでございます」

「きにしなくていいんじゃなーい?」

永谷の答えに、エルマが返します。

「先にお食事をと言われましたので、瑠麻お嬢様、智恵理お嬢様、月見お嬢様、琴音お嬢様の分のお食事をご用意させていただきます」

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永谷がそう言うとコック服を著用した人が4人、食事を持って現れます。

朝食なので軽めに作ってくれたようなので、寢起きの胃も驚かずに消化を始めてくれました。

朝食を食べ終え、食後のコーヒーを飲みながら、今日の予定を話し合います。

「今日は特に決めてないんだよね。うちの別荘にご案したかっただけだし」

「ならこういうのはどうだ? 遊園地にでも行かないか?」

サツキがそう提案をしてきます。

「遊園地? どうして?」

「いやね。し取材があってね。良かったらご一緒してくれないかとね」

「私はいいよ。遊園地とか小學生の時に行ったきりだったし」

「あたしもかまわないよ。じゃぁ永谷準備して」

「かしこまりました」

ステイシーとマオ、もこちねるの意見を聞かず、エルマが永谷にそう告げます。

「うちには聞かんのかい」

「マオ、も、聞かれなかった、わ」

そう言うわけで、特に多くもない荷をまとめに一度部屋へ帰ってきました。

ちなみに部屋に帰る際、ステイシーは朝ごはんを食べ損ねることになるので、サンドウィッチを用意する、と永谷が言ってくれました。

著替えて、出かける準備をした後、荷を持って私は部屋を出ます。するといつからそこにいたのか、またメイドが立っていまして、荷を持ってくださるそうなので、おとなしく引き渡します。

リビングへとやってくると、すでにサツキとマオ、もこちねるがまったりくつろぎモードで待っていました。

「おまたせ」

私がそう聲を掛けると、もこちねるが、右手をひょいっとあげ、返事をします。

「ステイシー、まだ起きてこないの?」

「あぁ。まだ起きていないらしい。そろそろ部屋に突してもいいんじゃないか?」

サツキがそう一言呟くと、もこちねるが立ち上がります。

「そんならまかしとき」

なぜか腕まくりとサムズアップをしてもこちねるはリビングを出て行きました。

5分ほどすると、ステイシーがもこちねるによって、半ば引き摺られるように持ってこられました。

「眠いー」

「車ん中で寢れるやろ?」

おかんかよ。

そうこうしていると、エルマが遊園地で遊ぶに適した格好へとチューンアップして屋て來ました。

「ふっふっふ。おまたせ諸君! さぁ遊園地へれっつごーだ!」

エルマの高いテンションをけて、私もし、気持ちが高ぶってきます。

さきほどメイドに預けた荷はすでに車へと積み込んであるとのことなので、そのまま、永谷が待っている車まで歩き、乗り込みます。

「皆様、お忘れはございませんでしょうか」

一応の確認かそう聲を掛けられますしたので、私達は各々、ない、と伝えます。

「では出発致します。3時間ほどでおつきになりますのでおくつろぎください」

そう言って永谷は車を走らせ始めました。

寢ているステイシーにいたずらをしながら、皆で遊んでいると3時間というものは一瞬で過ぎ、遊園地へと到著しました。

「懐かしいなー。遊園地ー」

バッと目を覚ましたステイシーが一番最初におりてそう言いました。

私達もステイシーに続いて降り、遊園地の雰囲気を確かめます。

「無理を言ってすまないね。場券はワタシが全員分支払おう。とはいっても、これは取材のだから、あとから返って來るんだけどね」

そうウィンクをしながらチケット売り場へとサツキは歩いていきました。

「でもほんと遊園地なんて久しぶりだよー」

「そう、ね。まだ真琴が、中學生に、なる前、だもの」

「いや。僕そのあとに友達といってるから」

姉弟の微笑ましい會話を聞きながらサツキを待っていると、永谷を含めた全員分の飲みも買ってきてくれました。

「永谷さんもくるかい?」

「いえ、私は一度本家にお戻りし、そちらでやることがございますので」

「そうか。それは殘念だ。これを」

そういって飲みを渡すと、け取った永谷は深くお辭儀をし、車の中へと戻っていきました。

「さて、みんな行こうか」

サツキがそういい歩き出すと、「おー!」と聲をあげたエルマともこちねるがサツキに並ぶようについて行ったので、殘った私達も、続いていきます。

「まずはやはりジェットコースターだろうか」

サツキはそう言いながら、この遊園地で一番人気のジェットコースターへと向かいます。

週末、ということで人は多く、待ち時間もほどほどに長かったですが、みんなで話しているとその時間は苦ではなく、むしろ楽しい時間と思えました。

「やっとのれるで!」

もこちねるがそう言い、列の先頭でぴょこぴょこ跳ねてアピールしています。

このジェットコースターは椅子が二人掛けなので、サツキとエルマ、私ともこちねる、ステイシーとマオの三組に分かれ、乗り込みます。

「チェリーこのジェットコースター、寫真撮ってくれるんやで」

「そうなの?」

知らなかったことなので、もこちねるに聞き返します。

「あんた近くに住んでるのに來たことないんか?」

「いや、覚えてなくて」

「それはしゃーない。二度目の落下の時撮られるから、何かおもろいことしたろ?」

そう言ってにひっと笑うもこちねるの提案に私は乗りました。

to be continued...

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