《VRゲームでもかしたくない。》第6章27幕 迎え<greeted>

しばらく出口で待っていると、お化けのコスチュームを來たスタッフがエルマとサツキの手を引きやってきました。

「あっ。すいません」

私がそう聲を掛けると、スタッフは「大丈夫ですよ」と返事をし、中へ戻っていきました。

「ちぇりいいいい」

「ぐすん」

エルマが大聲で、サツキは目を真っ赤にして私に怖かったということを伝えてきます。

「おーよしよし」

二人とも私より年上じゃなかった?

これでいいの?

そんな想を抱きつつ、頭をぽんぽんしめながら出口をでて、外へ戻ってきました。

涼しい室にいたからか、多外が暑くじられますが、冷えた肝には丁度いい音頭です。

都合の良いことにすぐベンチがありましたので、そこに二人を座らせます。

「飲みでも買ってくるからまってて」

私がそう一言告げ、飲みを買いに行こうとすると、腕をガシッと摑まれます。

「置いて行かないでええ!」

エルマが私の腕を摑んだので、「すぐそこだから」と言い、振り払い、飲みを買ってきました。

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ほっとするようにホットの飲みでも買おうと思いましたが、外がし暑めなので、アイスティーを買いました。

ベンチに帰り飲みを手渡すと、二人とも飲み、し落ち著きを取り戻したのか、ふぅと息を吐き、こちらを見てきます。

「チェリー。なんで置いて行ったの?」

「えっ? 飲み買うためだから」

「何をいっているんだ? お化け屋敷の中でのことだぞ?」

サツキもエルマと同じように、きょとんとした顔でこちらに言ってきます。

「鏡のところまで一緒でそのあと來た道戻ったのは二人でしょ?」

私がそう返すと、今度は二人の顔からの気が引いていきます。

「鏡? 引き返した?」

「そんなもの、なかったぞ?」

「えっ」

その後、ステイシー達が戻って來るまで沈黙が続きました。

「なかなかおもろいお化け屋敷だったわ。ん? どしたん? 青い顔して」

出口から出たもこちねるが私達に気付き、こちらのベンチまでやってきていいました。

「なんか私がみた鏡をエルマもサツキも見てないんだって」

私がそう教えると、「あー」といったステイシーが答えます。

「三人がった時、実は別々の場所に通されてるみたいだよ。トランシーバー風のホログラム信機でペアを映してー」

そういうことか!

私はステイシーの一言で納得しました。

つまりあのトランシーバーを持っていることで一緒にった自分以外の二人のホログラムを連れて歩いているということですね。これは気付きませんでした。

「で、でもり心地は?」

エルマがそう言うと、もこちねるが答えます。

「錯覚でもしたんちゃうの?」

「あれは絶対チェリーの腕だった!」

「そうかいそうかい。うちらは全然ビビらずゴールしてもうたなぁ」

もこちねるがステイシーとマオを見るとコクリと頷きます。

「でもちょっと意外だったかも、マオってこういうの苦手だと思ってた」

「そんなこと、ないわ。だって、見えるもの、本が」

そう言ったマオの顔は本気の顔で、私の後ろにいる二人が、完全にフリーズしました。

フリーズしたエルマとサツキが再起するまで休憩し、その後観覧車やパレードなどを見て時間を潰します。

日が沈み、夜の匂いが空間を占める頃、誰からともなく、食事のいが出ましたので、レストランを探します。

「こうも広いとどこがいいのかわからんね」

完全に復帰したサツキがそう言いながら端末を作します。

同様に復帰を果たしたエルマも端末をいじります。

「ここなんかどうかなー?」

ステイシーも探していたようで、端末からホログラフの地図を出し、場所を記します。

「おっ。悪くないんやないか?」

もこちねるがそう言いながら、自分の端末でそのお店を開き、空き報などを確認します。

「あいとるな。今から行けばすぐれ層やで」

「じゃぁそこにしようか」

エルマがそう言って端末に表示させたお店の場所まで歩き出したので、ついて行きます。

お店にはスムーズにることができました。

非日常を売りにしている大きな遊園地であったこともあり、食事の容も面白いでした。

マスコットキャラクターの顔を模して造られたハンバーグなど、味だけでなく、見た目でも楽しませてくれます。

一心不に食べ、今日の想を皆で分かち合い、疲労もあるので今日は早めに家に帰ることになりました。

遊園地をでて、駐車場まで行くと、見送りの時と同じ場所、同じ姿勢で永谷が待っていました。

「お疲れ様でございます。では皆様ご自宅までお送り致しますのでお乗りください」

そう言って車の扉を開け、私達を乗せてくれました。

近い順番で送って行くそうで、一番最初はマオ、次にもこちねる、次いでステイシー、そして私を送り、最後にサツキを送るそうです。エルマは最後に実家に戻るそうです。

そう順番を告げ、走り出した車の中では私とマオを除く全員がスヤスヤと寢息を立てていました。

「マオ。今日は楽しかった?」

「ええ。今日、だけじゃなく、て、昨日も、楽しかった、わ」

「そっか」

「また、來たいわ」

「そうだね」

私とマオはない言葉をわし、窓の外の景を眺めていました。

「では智恵理お嬢様。もうじき付になりますので、お降りのご準備をお願いいたします」

永谷の聲がぼぅっとしていた私の耳に聞こえ、「はい」と私は活していなかった脳から言葉を絞り出します。

って言ってもこのポシェットだけなんだけどね。

そう思いポシェットを開き中を確認します。

特に忘れや落としなどもなかったので、私はポシェットを肩から下げ、降りる準備を整えておきます。

するとそのタイミングで車が止まり、永谷がドアを開けました。

「連日、ありがとうございました」

私が永谷にそう告げると、ふっと笑い、「それがお仕事ですから」と言い、深いお辭儀をしました。

私も車から降り、永谷に深いお辭儀を返し、狹い我が家へと至る階段を上っていきます。

部屋の電子ロックを解除するために、鍵を取り出している間も階段の下を見ると永谷がお辭儀をしたまま、待っていました。

ちゃんと家にるまで見送ってくれるのはしうれしいですね。

そう思い、部屋にる前にもう一度永谷に向かってお辭儀をし、私は鍵を開け、部屋へとりました。

二日間の疲労がドッと押し寄せて來たのか、私は化粧を落とし、服をぐと、そのままベッドにり、楽しかった思い出を反芻するかのような夢の世界へと落ちていきました。

to be continued...

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