《VRゲームでもかしたくない。》第6章37幕 鏡の國<Mirror World >

「契約立だな」

ムンバがそう言って握手を求めてきます。

代表して握手をしたもこちねるの手を執拗に握っていましたが、もこちねるは諦めたのか抵抗しません。

「『鏡の國』のボスに會いに行くぞ。ついてこい」

なかなか等級の高い防を包み、ムンバが立ち上がります。

「『鏡の國』のボスっちゅーのはどこにおるんや?」

「『マスティア』だ。あいつは決闘中毒だからな」

そう言ったムンバが移用に持っていたのかスクロールを開き、魔法を発します。

「≪ディメンション・ポータル≫。れ。ボスのホームまでの直通だ」

ムンバがスクロールから出した≪ディメンション・ポータル≫に足を踏みれながら言いました。

それに続き私達も≪ディメンション・ポータル≫に乗ります。

「全員乗ったな。≪起≫」

次の瞬間、土煙の埃っぽさや、金屬の解けた匂いが一変し、油の匂いで鼻が満たされます。

「相変わらず臭せぇな」

そう言ったムンバが正面の扉を思い切り叩きます。

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「俺だ。ムンバだ。おい。出てこい。きこえねーのか」

「なんだよ。もう。うるさいね」

扉の向こうから聲がし、プレイヤーが出てきました。

昔、私が來ていたようなメイド服に近い意匠の洋服にを包み、小柄のプレイヤーが出てきました。

「うわ。大人數だね。どうしたのかな」

し、私達を見てきょとんとしますが、言葉を発します。

「こいつらが聞きたいことがあるみたいだ」

「ムンバが誰かの為にくなんて珍しいね。でもらせてもらった?」

「もっと良いを貰った。そんなことはどうでもいい。上がるぞ」

ムンバがずんずんと彼の家に上がり込みます。

「やれやれ。さぁ皆も上がって。お茶菓子とかはないけどね」

そう言って彼が招きれてくれたので私達もお邪魔します。

「それで聞きたいことって何かな?」

ムンバにソファーを占拠された彼はリビングをくるくる歩き回りながらそう聞いてきます。

「『仁義』に所屬してるかもしれへんプレイヤーについて聞きたいんや」

「『仁義』? 知ってるところだと3人くらいいるけど……直接聞きに行くのは辭めた方がいいと思うよ」

「なんでや?」

もこちねるがそう返すと、彼し間を開けて答えました。

「自分の正義を振りかざし、NPCからの略奪を正當化しているような奴らだよ。そして私が知っているのはその中でも特にやばいプレイヤーだから」

「それはどうやばいのー?」

ステイシーが彼を見つめそう聞きます。

「私でもたまに負けるからだよ」

「あんたの実力がわからんから何とも言えんな」

もこちねるがそう言うと、彼はステータスを見せてきました。

さすがにそのステータスに私は、私達は驚きました。

「Lv.419!?」

エルマが大聲を上げます。

それだけではなく、【ギフト】も持っていました。

「改めて自己紹介さえてもらうね。私はアリス。アリス・キャロル。ここ『マスティア』の闘技場トップを維持させてもらってる」

『攻殻都市 マスティア』は闘技場などの設備が富で、ほぼ毎日のように決闘大會がなされています。そこで頂點にいると言うことは間違いなく強者です。恐らくここにいる誰よりも。

「その私が負けることがあるプレイヤーに接するのはおすすめできない」

「それでもこいつらはそいつらの誰かに會わないといけない、そうだろ?」

ムンバがこちらを振り返り、そう言ってきます。

私は無意識に頷き、同様にエルマやステイシーも頷いていました。

「そう。なら止めない。とりあえずその中で一番強くて、一番『仁義』に詳しい人の名前と居場所を伝えるね。名はマーリン。スタイルは完全遠距離攻撃。そしてそいつはここ『マスティア』にいる」

意外と近くですね。あまり遠くまで行かなくて済むのは助かります。

「そいつに會うにはどうしたらいい?」

サツキがそう聞きます。

「明後日、マーリンが出る決闘大會がある。そこに私も出るし、まだ參加の申し込みは間に合う」

「この中で強いのは誰だ?」

ムンバがそう言うと、私とステイシーに視線が集まります。

「お前らか。スタイルは?」

「僕は完全遠距離の魔法系ー」

「私は元【暗殺者】の魔法系です」

「相がわるい。ムンバもでて」

「俺はそこまで強くないぞ」

「たぶん相的にはムンバが一番合う」

「そうか。じゃぁ俺もエントリーするか」

そう言ってムンバが占拠していたソファーから立ち上がります。

ムンバについて私とステイシーは大會のエントリーの為に闘技場へとやってきました。

「おい。明後日の大會、まだ間に合うか?」

「もちろんです」

「よし3人分頼む」

「かしこまりました」

ムンバが闘技場の運営NPCに聲を掛け、書類を3人分持ってきました。

「これに名前をかけ。お前ら二つ名は?」

「あんまり書きたくないー」

「私も」

「なら空欄にしておけ。ないと舐められるが、それも戦法だ」

そう言いながらムンバは〔変態を付與する者〕と二つ名の欄に書いていました。

私とステイシーも必要事項だけは書ききり、書類を提出します。

「では明後日大會の始まる1時間前にこちらの出場者タグをお持ちになっていらしてください。

「あぁ」

そう言って各自タグをけ取り、その場を離れ、アリス・キャロルのホームへと戻ります。

「戻ったぞ」

「ざっと何人くらいだった?」

「50人前後だ」

「いつもと変わらないね。気合れないと決勝まで行けないかも」

「抜かせ。途中であたったら普通に、容赦なく倒すからな」

「ムンバとはあたりたくないかな。じゃぁまた明後日」

そう言ってホームを追い出されたので、私達は宿を探します。

「闘技場の近くは宿も多い。そっちで取るぞ」

そう言って歩くムンバについて、宿へ向かいました。

to be continued...

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