「ふぅー、疲れた……」

湯船に浸かりながら、トバリは息を吐いた。

今日は久しぶりに外に出たせいか、疲労のが濃い。

剎那のの先端を弄りながら、トバリは幸福に包まれていた。

剎那も、トバリと一緒に湯船の中にっている。

元が人間だからか、ゾンビは多の水にさらされても問題ないようだった。

の腐敗が始まっていないところから見ても、何か他の生きに生まれ変わったというほうが、トバリにとってはしっくりくる。

剎那のに顔を埋めながら、トバリは思案する。

「食料はなんとでもなるな……あとは、報が必要だ」

今のところトバリが持っている報は、ネットで知った今の世界の現実と、実際に外を歩いて見てきたものと、葛城から聞いた登校日の件ぐらいだ。

特にトバリは、登校日の件について考えを巡らせていた。

「剎那が制服を著ていたのは、多分それが理由だったってのはわかった」

ちなみに、剎那には既に清潔な服を與えてある。

剎那の制服のポケットに家の鍵がっていたので、剎那に自分用の類を取って來させたのだ。

さすがに何日も著ていたらしい制服をずっと著させ続けるのは抵抗があった。

そもそも、部活に所屬していなかった剎那が、夏休みにもかかわらず制服をに著けていた時點でおかしかったのだ。

つまり剎那は、一度學校に行っていたということ。

そこでトバリの頭の中に、嫌な想像が浮かんだ。

トバリのことをいじめていたクラスメイトたち。

彼らが高校を制圧し、暴の限りを盡くしているのではないかと。

「あいつらなら平然とレ◯プでも殺人でもやりそうだな……。とりあえずは出てたから、剎那に関してはそういうことをされたりはしなかったみたいだけど」

奴らなら平然と人を傷つけることができるという確信が、トバリの中にはあった。

とにかく、剎那がこちらまで逃れてきたということは、高校で何かしらの急事態が起きていると見て間違いない。

そこで何があったのか、知る必要がある。

「とにかく、報を集めるべきだな。あとは、武」

武には、思い當たることがある。

ゾンビだ。

トバリはゾンビをることができる。

これを使わない手はなかった。

普通の武として、サバイバルナイフや拳銃なども手したいところだ。

ナイフはともかく、拳銃となるとなかなか難しい。こちらはできればでいいし、トバリはあまり本気で手しようとは考えていなかった。

クラスメイトたちに復讐するのは、こちらの制を整えてからでも遅くはない。

しばらくは高校以外の場所に篭城している生存者の集団と接して、報の換を行いたい。

まあ、そんなものがどこにあるのかはトバリにも見當がついていないが、それはおいおい見つけていこうと、トバリは考えていた。

「ふー……」

今後の方針はとりあえず決まった。

そう判斷したトバリは力して、剎那ののらかいを楽しむ。

「……剎那」

に埋めていた顔を上げて、トバリは正面に座っている剎那のに口づけした。

すべて壊れてしまった世界の中で、彼だけがいまだにしい。

「ん？」

頭に、何か重いものが置かれたがあった。

見ると、剎那がトバリの頭をでているのがわかった。

慈しむように。

「剎那……」

したトバリは、風呂の中でそのまま行為に及ぶことにした。