《終わった世界の復讐者 ―僕はゾンビをってクラスメイト達に復讐する―》第26話 慘劇の痕跡

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

8月27日 水曜日

……なんとか生きている。

自分でも、どうしてまだ生きているのかわからない。

どうして俺は生きているのだろうか。

とりあえず、狀況を整理してみようと思う。

今は、8月27日の朝だ。

俺はなんとか逃げ出して、今は空き教室の一つにを潛めている。

外にいるゾンビたちには気付かれていないが、ゾンビたちがここにってこないかと、気が気ではない。

……なにがあったのか、俺にわかる範囲で書いておく。

26日の夜から27日の朝にかけて、數多くの生徒たちが命を落とした。

化けたちと、それをの手によって。

奴らは、たしか、そう……『セフィロトの樹』とか名乗っていた。

その名前もどこかで聞いたことがあるような気がするが……思い出せない。

思い出せそうで思い出せない、この覚がもどかしい……。

奴らは、寢ていた生徒たちを皆殺しにした。

その中には、俺の友達もたくさん含まれていた。

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今思い出しても、憎しみと怒りで頭がおかしくなりそうだ。

なんであんなことをしたのか、俺にはまったくわからない。

救いがどうとか言っていたような気がするが……その時はそれどころじゃなかった。

まあ、理由なんてきっと俺には理解できないに違いない。

どんな理由があったにせよ、あいつらが俺の目の前でたくさんの人たちを殺したことは間違いないのだから。

特に、あの

俺たちのことを、まるで蟲ケラか何かだと認識しているかのような……いや、おそらく本當に蟲ケラだと思っていたのだろう。

でなければ、同じ人間に対して、あんな恐ろしいことができるものか。

……しかし、憎んでいるだけでは何も起こらない。

今の自分の現狀を冷靜に把握して、狀況の打破に力を注ぐべきだ。

狀況は厳しい。

食糧もほとんどない。

水も、もうなくなった。

選択しなければならない。

生きるためにここを出るのか、ここでこのまま死を迎えるのか。

……。

8月28日 木曜日

水と食糧が完全に盡きた。

外に出てみようと思う。

もしかしたら、他にも生き殘りがいるかもしれない。

いや、きっといるはずだ。

この日記はここに置いていく。

もしかしたら、自衛隊の人や救助の人がここに來て、この日記を見つけてくれるかもしれない。

彼らのほうに何の報もっていないということはないだろうが、念のために俺が知っていることを書ける限り書いておこうと思う。

……。

自衛隊の方、または救助に來てくださった方へ

もうお気づきかもしれませんが、一応記しておきます。

この世界には、ゾンビ以外にも何か得の知れない者たちがいます。

奴らは人間ではありませんが、人間のように高い知能を持ち、ここの生徒たちを慘殺していきました。

それに、『セフィロトの樹』は、このパンデミックについて何か重大なことを知っているようです。

もしかしたら、このパンデミック自も奴らが引き起こした可能すらあります。

可能であれば調べて、真相を突き止めていただきたく思います。

……生きていたら、またどこかで會いましょう。

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「…………はー」

最後まで日記を読み進めたトバリは、大きくため息をついた。

気が重くなる事実が、トバリのに重くのしかかってくる。

「安藤が見たのとは、また違う『セフィロトの樹』の人間がいるってことか……?」

おそらく、『セフィロトの樹』には複數人の構員がいる。

まあ、し考えてみればわかることだ。

組織の人間が、法の男一人だけであるはずがないのだから。

敵が何人いるのかまでは、日記からはわからなかった。

その目的も。

安藤の話を聞くだけでは不明瞭だった、犠牲者の規模もおぼろげながら見えてきた。

おそらく奴らは、ここに篭城していた生徒たちを、ほぼ全員殺している。

……いったい、何の目的があってそんなことをしているのか。

トバリが考えを巡らせていると、ユリが鼻歌を歌いながら教室の中へとってきた。

「トバリ、どうしたの?」

「お、ユリ。ちょうどいいところに來たな。ちょっとこれを見てくれ」

トバリは、男子生徒の日記をユリに渡した。

ユリはそれをけ取って、日記の文字に目を走らせていたが、

「……ここ、なんて読むの?」

「ん? ああ、えっと、ここはね……」

ところどころ詰まるらしく、そのたびにトバリが読み方を教えてやった。

小學生であるユリには、し読めない字が多かったようだ。

「……ひどい、ね。ゆるせない」

「ああ。僕もそう思う」

その日記の容を理解したユリは、顔をしかめていた。

トバリも、概ねユリの怒りに同意だ。

ただトバリの場合、復讐対象であるクラスメイトたちの安否のほうが気がかりだったが。

トバリは日記は持ち帰らず、そのままここに殘しておくことにした。

スマートフォンで寫真を撮影して、後になって見直すことができるようにだけしておく。

それからも、しばらく校舎の中を探し回ったが、

「ここにはもう何もなさそうだな……。そろそろ帰るか」

「うん」

それ以上の収穫がないことを悟ったトバリとユリは、高校を後にした。

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