《終わった世界の復讐者 ―僕はゾンビをってクラスメイト達に復讐する―》第46話 手紙
「ただいまー、っと」
「ただいまー」
トバリとユリは、自宅へと帰ってきた。
意識を取り戻した三田、それに城谷と辻たちと共に大學病院へとたどり著いた後、彼らと別れて行している。
「ただいま、剎那」
トバリの目の前には、リビングの椅子に腰掛けている剎那の姿がある。
その外出前と変わらない様子に、トバリは安堵した。
「それじゃ、使えそうなものは片っ端から車に詰め込んでいこう。多分もう、ここに戻ってくることもないからな」
「うん」
ユリにそう聲をかけ、トバリは使えそうなものを選別していく。
持っていけるものは全て持っていくつもりだった。
トバリとユリは、これからしばらくの間、城谷や辻たちと一緒に大學病院で生活することに決めたからだ。
セフィラをそのに宿している以上、トバリたちはこれからも『セフィロトの樹』にの人間たちに追われ続ける。
ならば、集団でいたほうがこちらにとっても都合がいい。
不本意ではあるが、しばらく城谷と辻への復讐はお預けすることにした。
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『セフィロトの樹』と対立した以上、ここにずっと殘るのは危険すぎる。
それに、トバリたちが『知恵コクマー』を殺したことが『セフィロトの樹』に知られれば、トバリたちが放置されるはずがない。
トバリたちを排除するために、ここを狙ってくる可能は十分にある。
もちろん、剎那も連れて行く。
大學病院なら、部屋數も十分にある。
一部屋に剎那を匿っていたところで、まずバレる心配はないし、剎那には「人間を襲うな」と命令しておけば、萬が一他の避難民に見つかってもそこから染が拡大したりすることはないだろう。
「セフィラを埋め込んだ三田の経過も見守らないといけないしな……」
三田にセフィラを埋め込んだのは、実験の一環でもある。
つまり、死後數分の死にセフィラを埋め込んだ場合、その死は生命活を再開するのか、という実験だ。
今のところ問題が生じている様子はないが、これから先、三田に何が起こるかはわからない。
自分が化けになったことで神を病んでしまう等の可能は十分にある。
そして、もし何も問題が起きないようであれば、次はが欠損していないゾンビにセフィラを埋め込んでみるつもりだ。
今の剎那の狀態に近いのは三田よりもその辺にいるゾンビだろうが、三田にセフィラを埋め込んだのは、これからしばらく協力していく集団に恩を売っておくという選択肢は悪くないと判斷しての行だった。
――そう。
もし、その辺のゾンビにセフィラを埋め込んで生命活が再開するのならば、剎那を生き返らせることもできるはずなのだ。
正直、散々自のをぶつけてきた剎那と顔を合わせて話すのは、し怖い。
でも、それでも、トバリは剎那に會いたかった。
會って、自分の想いを伝えたかった。
「ユリ、これも頼む」
「わかった」
備蓄していた食糧、食類などの日用品を車に詰め込んでいく。
剎那にも手伝ってもらった。
一階にあるものはほぼ詰め終わったので、今度は服類などを回収するために二階へと向かう。
普段著ているものはもちろん、これから寒くなってくるであろうことを考えると、冬の類も持っていったほうがいい。
そうして自分の部屋で類をしていた、そのときだった。
「――ユリ」
「……トバリ? どうしたの?」
トバリのただならぬ様子に気付いたのだろう。
ユリが心配そうな表で、トバリの顔を覗き込んだ。
トバリは震えていた。
どうしようもないほど、震えていた。
そこにあるものを、見つけてしまったから。
トバリの部屋の、機の上。
それは、まるでそれがそこにあるのが當たり前のことであるかのように、置いてあった。
なんの変哲もない、ただの白い紙だ。
だがトバリには、そんなところにそんなものを置いておいた記憶がない。
「…………」
トバリは震える手で、それを手に取った。
そして、そこに書いてある文字を、ゆっくりと認識する。
「……ユリ。すぐに家を出る。準備してくれ」
「え? わ、わかった」
トバリの言葉には、有無を言わせない迫力があった。
ユリはそのまま、近くにある荷を車に詰める作業に戻る。
「…………」
トバリは改めて、その紙を見る。
――『見つけたよ』。
そこに書いてあるのは、ただそれだけの言葉だった。
見覚えがある筆跡の、あのが好きそうな言い回し。
そして、それだけの言葉があれば、トバリを震え上がらせるには十分だった。
トバリたちは、夜のうちに、逃げるように自宅を後にした。
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