染めの館》第1話「染めの館」

ねえねえ聞いた?あの館の噂。なんかユーレイでるらしいよ。

6月のった空気がを覆う暑い夏の日。私たちの耳にその噂はってきた。

ユーレイなんてただの思い込みだ。ついこのあいだまで私はこう思っていた。あんな事件が起こるまではー

高校生になって初めての夏。もうすぐ夏休みが始まる時期に私たちオカルト研究部が集められた。

「最近この高校でとある噂が絶えない。その容はわかってるよな。」

この人は部長の相模 莉子(さがみ りこ)さん。赤く長い髪が綺麗な17歳。

「ああ。染めの館のユーレイの話だろ。」

この人は加藤 かなめ(かとう かなめ)。瞳が青味がかっている以外、特に特徴がない17歳の先輩。

「確か、主人の霊が現れるんでしたっけ?」

この子は雨 林檎(あめ りんご)ちゃん。ミサンガ作りが得意な15歳。ニックネームはりんごあめ。

「そう。そして今この學校で多々発生している生徒失蹤事件も、その主人の呪いと言われている。」

「なぜそう言えるのでしょうか。何か関連があるんですか?」

こいつは真面目年の佐野 淳(さの あつし)。15歳。

「主人の霊が現れるという噂が流れたのと失蹤事件が起きたのは丁度同じ時期だ。しかもその殺人事件は、今から丁度50年前に起きた事件なんだ。関係がないとは言い切れないだろう?」

50年前、主人である淺野 隆(あさの たかし)さんと、その妻、恵子(みえこ)さん。お子さんの尋(ひろ)くんと飼い犬のチロが兇悪殺人犯によって殺された事件。大量の痕は見つかったものの、はどこからも出てこない。しかも、犯人はいまだに捕まっていない。何度聞いても震いがする。

「で…でも、私たちは何をすれば良いんですか?」

これが私、鏡 信(かがみ しん)。普段は「にも」とか「しん」って呼ばれる。(漢字2文字だから)

「50年前の事件と、この失蹤事件の関連を見つけ、対策を練る。」

剎那、沈黙の時が流れる。その靜かさを裂くようにかなめさんが口を出した。

「俺賛。この時期肝試しに丁度いいし。」

私は嫌だった。私は昔から幽霊とかお化けとかそういう類のものが嫌いだった。でも、怖いわけじゃない。ただの思い込みが、人の心理を傷つけるものになるのだから。

「あ、あの…その…」

聲を出そうとしたその時だった。

『コンコン』

部室の扉を叩く音がした。

「にも、出てくれ。」

先輩に逆らえるはずもなく、扉を開けた。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください