染めの館》かなめ編 第1話

「さてと・・・これからどうするか。」

扉の中にっても、相変わらず埃っぽい。ハウスダストアレルギーには辛い。

「取り敢えず探索しますか。」

まずは部屋の間取りと裝を調べよう。まあまあ広い。シンクや食棚のようなものがあるから、ここは恐らくキッチンだ。テーブルや椅子はそのまま殘っている。テーブルの上にはランチョンマットが置かれていて、先程食事が終わったかのようだった。

「50年前のままなのか。なんでこの家取り壊さなかったんだろう。管理する人間もいないはずなのに。」

俺はずっと疑問に思っていたんだ。この染めの館は、50年前に淺野主人がなくなってから誰も管理していない。でも、扉には最近打たれたであろう板や針金が殘っていた。

「…泥棒でも住み著いてたのか?だとしても足跡も何も見つかってないもんな。」

考えていると、何かが目に付いた。

「あ?なんだありゃ。」

ケータイの電気で照らしてみる。先程までランチョンマットしかなかったはずのテーブルの上に本が乗っていた。

「なんこれ。日記?」

そこには「淺野隆 1965年〜」

「えっと、今が2018年で事件が起きたのが50年前だから…えっとぉ。。。事件の起きる前か。」

事件前に何が起きたかわかるかもしれないという好奇心と、他人の日記を見るという罪悪で潰されそうになる。そこには

「おいおい。まじかよ。」

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