突如出現した扉の先。そこは隣接しているリビングだった。先程のキッチンよりもかなり広い。

「ここに何か手がかりがあればいいが…その前に出口の扉を確認しないと」

廊下の方向に向かって進むと、廊下へと出る扉があった。手をノブにかけるが開かなかった。

「ちっ。ここも鍵かよ。でも鍵はあるから鍵さえ見つかれば出できるか。」

部屋中をライトで照らし、改めて見つめる。ブラウン管テレビとソファー、広い機が置いてあり、枯れた観葉植、大きな薪ストーブまで設置されていた。

「煤がすげえな。まさかそのままなのか？警察の捜査は…」

「そんなもの、ないよ。」

後からき通る聲がした。振り向くと、全を黒く染め、フードをかぶった人が立っていた。別はわからなかった。

「ないって…てか、おまえだれだよ。｣

黒きその人は一息置いてこう話した。

「…あまり長居しない方がいいよ。助けも呼べないこの狀況じゃ、この呪いの元兇に呪われちゃうから。」

「呪いの…元兇に…。おい、それってどう言う…」

黒き人に目を向けた時、そこにもうその人はいなかった。

「…警察の捜査がなかったって、言ってたよな。なにか理由があるはずだ。探そう。」

事件が起こったのは日本中に知られていたはず。なのに警察の捜査がなかったなんて有り得ない。なにか、あったのか？