《染めの館》第8話 悪夢
私とりんごちゃんは、りこ先輩を探しに行った。りこ先輩がっていった、扉の奧へと。
「うう、靜かなのが逆に怖いよぉ」
「だ、大丈夫です。わ、わた、私がついてます」
「にもほど頼りないのはいないよ…」
………ショックだ。
結局どの扉に手をかけても開かなかった。そして、突き當たりの扉。
「こ、ここに、いますよね?りこ先輩…」
のぶに手をかける。扉は案外軽かった。
中は真っ暗だ。
「せんぱーい、どこですかぁ?」
りんごちゃんが奧を照らす。
「ひっ…うそ…」
私には何も見えないけど、間違いなくりんごちゃんは怯えている。
「せ、先輩?大丈夫です…」
言葉が出なかった。りこ先輩は倒れていた。中がえげつない角度に曲がり、真っ赤なかそこらじゅうに散らばっていた。
「うぐっ」
りんごちゃんが口を抑えるも、胃の中のものは出てしまった。
「り、りこ、りこ先輩…なんで…」
「にも!帰ろう!私たちだけで帰ろう!きっともうかなめさんもこうなっちゃってるよ!あたし死にたくない!帰る!!」
「りんごちゃん…」
私がりんごちゃんにれようとすると
「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!」
びながらエントランスの方へと走っていってしまった。
「うぅ、に、にも…」
「っ!」
りこ先輩は生きていた。もう蟲の息だか。
「せ、先輩!な、な、なにが…」
「に…げろ…ここ、に…いちゃ…こ……ろ…」
りこ先輩は何も言わなくなってしまった。髪はによってより赤黒く染まっている。
私は、手だけ合わせてりんごちゃんのあとを追うように走り去って行った。
「に…逃げなきゃ…この屋敷から…出なくちゃ!」
ただそれだけを考えていた。
そして、あることを忘れてしまっていたのだ。
【書籍化】俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」
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