《地獄屋語》第5話 恵side 前編

恵side

なんだか昨日の放課後は々あった気がする

エリカさんとか先輩とかエリカさんとか

それから…

ポケットにれてし折れ曲がった紙を出した

『地獄屋』

なんだったんだろう

その紙には住所…みたいなものが書いてある

といっても…なんか雑に明らかに手書きで

『〇〇市△丁目1.5番地らへん』

え?らへんって何?

なんかからかわれてんのかな

でも…地獄、復讐

この言葉が私の頭から離れようとしない

でもやっていいことではない…

でもこのままは嫌だ

でも、でも

この繰り返しだ

私がどんなに悩んでいても學校に行く時間が來る

あー行きたくない

憂鬱な気持ちで教室に

「それでさあー」

「エリカさんすごい!」

私に気づく

しかしフッと目をそらしクスクスと笑っている

う…

泣きそう

我慢我慢!

ドアのところで気をれ直していると

「邪魔」

あ、このクールな聲は

山野ミナキ

私は振り向いて顔を確認した

ドキッ!

…え?

山野ミナキを見てなぜか昨日の地獄屋を名乗ったフードの人を思い出した

そして復讐、地獄の言葉

心臓がドックンとなった

「ねぇ邪魔」

あ、

どっかに意識が行きかけてた私を山野ミナキが引き戻した

「行かないんだ」

え?

珍しく山野ミナキが喋ってきた

「みんなのとこ」

エリカさんのことだ!

「やっぱりバカにしてるじゃない!エリカさんの…」

そこまで言いかけた私を遮るように山野ミナキが口を開く

「みんなって言ったけど?…一番意識してんのあんたじゃん」

ぎく!

確かにそうだ

山野ミナキはみんなのとこって言った

頭の中心にあるのは前も今もエリカさんだ

「笑笑恵、山野さんとこ行ったの?」

「いいんじゃない?キモ子同士笑笑」

う…

山野ミナキっていつもこんなじだったのかな

橫目で見て見る

メガネと前髪で何のも見えない

なんかかっこいい…

「このままでいいの?」

え?

山野ミナキと目が合…ッ

ズレたメガネの向こう、前髪の間からしだけのぞいている山野ミナキの素顔

ブス子と呼ぶにはあまりにも抵抗がある

そんな吸い込むような綺麗な瞳…

え…この人が山野ミナキ?

ブス子っていわれてる?

私の方が圧倒的にブスじゃないか

このままでいいの?

無意識にあの紙を見ていた私

すると

どん!

わ!

何かにぶつかった

…エリカさんだ

「どいてくれる?今から宇佐先輩に會いに行くの」

宇佐先輩

エリカさんはニヤニヤと笑っている

怖くて何も言えなくて…

その時

エリカさんの顔がいきなりぶりっ子モードになった

「尚人くーん♡」

は?

「今日は遅いねーねぇねぇ聞いてくれルゥ?」

は?

宇佐先輩が好きなんじゃないの?

なんで尚人くんにまで?

地獄屋の紙を握りしめた

放課後

私はあの紙に書いてある1.5番地に行ってみることにした

…んだけど

そんなとこない!

やっぱりからかわれただけ?

あるのはちょっと古い建とちょっと新しい建

人気はないし、なんか暗い

やっぱ帰ろう

「お客さん?」

え?

この聲…どこかで

振り向くと、

!昨日のフードの人!

でもこの聲はもっと違うところで聞いた気がする

「帰るの?好きにすればいいけど」

う、

フードの人は私を通り過ぎて

え?建と建の間に立った

「ちなみに地獄屋はこっちだよ?」

その間の道を進んで行く

頭をよぎるのは先輩の顔とエリカさんの顔

「ま、待って」

黒い後ろ姿を追いかけた

長くない?この道

どれだけ続くの?

しばらくほんとしばらく歩いてやっと景が変わった

…わあ

なんだか不思議な空間

倉庫みたいな変な建がある

『地獄屋』

って書いてあるよ

本當に地獄屋なんだ

なんか怖いな

「どーぞ」

う、怖

ちょっとビクビクしながら足を踏みれた

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください