《地獄屋語》第7話 宇佐side

宇佐side

  ー 晝休み話がある

何ですか??♡ ー

  ー 昨日アクセショップで何をした?

何の話ですかぁ?? ー

  ー 盜っただろ、俺は見た

  ー 萬引きしただろ

既読はついた

でも返信はこなかった

やっぱり見間違いではなかったか…

俺はため息をついた

晝休み

「おい…田沼」

田沼のクラスに行った

一応バスケのエースだし?結構な人気のあるらしい俺が來るのは珍しいのか後輩どもが騒いでいる

その時

バチっ

1人の子と目があった

ん?どっかで見たことあるような…

あ!あのバスケコートにいた!

ちょっとあの…うん、可いかな?って…

って、話がそれるところだった

「ちょっと來い」

田沼が嫌そうに來る

普段のキャピキャピはどこいった?

後輩達の視線をけまくりながら田沼とその場を去る

「何で萬引きしたんだ」

俺の問いに答える様子はない

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うーん黙かよ…

「まあ、俺にとったらお前がなんのために萬引きしようが関係ないけど、やめたほうがいい。いつかお前が苦しむことになるぞ」

するとやっと口を開く

「頼まれたんです」

は?

「やれって頼まれたんでスゥ〜」

田沼は涙目で俺を見上げる

は?

どういう事だよ

「盛岡恵っていう子にぃ脅されたんでスゥ〜」

は、は?

俺の前で泣きじゃくる田沼

ど、どうすりゃいいんだ!

とりあえずなんとかなだめて教室に返す

教室でも泣いてたらしい

え、俺が悪いのか?

盛岡恵に脅された…?

いやいや、まて、盛岡恵は田沼のせいで俺に嫌われて落ち込んでて…?

それなのに田沼を脅すような力があるのか?

いや…もしかして、いや、多分…

そんなようなことを考えながら中庭にやってきた

すると

「清々しいほどクズだな、その

!?

「うわぁぁぁ!」

え、いつの間に!?昨日のフードがいた

って、え?

奴は昨日と同じフード付きのパーカーで顔は見えない

でもその中に著ている服が…制服?

こいつこの學校なの?

いや、変に疑われないように変裝している可能もある

でも、ネクタイのからして…一年だよな

田沼と同じだ

「田沼の言った事を信じてんなら…」

ん?いや、違うぞ

「待て、俺そこまで馬鹿じゃない」

フードが固まる

だって田沼が脅されるって時點でまずおかしい

それに相手が盛岡恵ってそんなわけない

昨日の慣れた手つきとか…

いきなり変わったぶりっ子口調

俺は簡単には騙されないぜ?

「意外だったな、君は田沼エリカの主張を信じて、挙げ句の果て私を盛岡恵だとか言い出すんじゃないかと思ってたけど」

お前が?盛岡恵?

ハッ笑笑んなわけないじゃねーか

お前が盛岡恵だったら俺も田沼も苦労ねーわ

「盛岡恵が誰かわかんねーんだけど」

それが分からないと解決しようがない

「それなら君、一度會ってるよ?」

え?

「だいぶ前だけど中庭のバスケコートで會ったって盛岡恵が言ってたけど、まぁお前は覚えてないわな」

中庭?

って言ったらあの子の事しか覚えてない

田沼の教室にいたあの子

「盛岡恵の寫真なら見たけど」

「ハッあんなの合だよ」

「あれは確かに盛岡恵がこけた瞬間だけど、それをさらに田沼エリカが合してブサイクにしてあるんだよ」

へ?

フードは俺にスマホを見せてきた

俺が見た寫真だ

あ、本當だ

確かに顔の橫の風景が不自然になってる

田沼の仕業か…

「田沼は何でそんな事…」

「君と盛岡恵が話しているのを目撃したらしく、それでムカついて元から脅すように持ってた寫真をさらに合して君に見せた」

は?それだけで?話してただけで?

じゃあ盛岡恵は…噓の寫真で俺に嫌われて…傷ついてたってことかよ

最低だ、俺めっちゃ最低じゃん

前にフードに言われた事を思い出す

俺は自惚れてたんだと思う

バスケをやるだけでキャーキャー言われて調子乗ってた

「俺…」

「田沼エリカに話をつけろ、お前の口からな。それからそいつのクラスに盛岡恵もいるから、どうするのが最善か自分で考えな」

フードは俺に背を向けた

「あ、待てよ!お前一何者なんだよ」

ちょっと張して聞く

「地獄屋…他言無用でよろしく」

そう言って消えた

地獄屋?

なんなんだ…それ

地獄…屋

翌日

俺は再び田沼のクラスへと足を運んだ

案の定ざわめく後輩ら

「おい、田沼ちょっと來い」

し意味がわからないといった顔をして

こちらにやってくる

どんな風にごまかされようが俺は間違わないぞ

「お前の萬引きの話は昨日も言った通りどうでもいい。だがな盛岡恵を悪く言ったり脅したりするような事はもうやめろ。俺は全部知ってるんだ」

田沼は目をまん丸にしている

しかし…

「私はそんな事しないですぅひどぉい〜」

うっわ

ぶりっ子口調でました!

「はぁこんな真似したくなかったんだけど」

仕方ねぇな

「萬引きした事…バラされたくなかったら全部話せ」

「え」

脅しの手を使う

汚ねえ奴だけどさ、これが一番効果的だろうな

「証拠もないのに?」

「証拠ならあるぜ?お前が盜んだを持っていけばまず買われたものじゃねえ事くらい分かるだろうな、最近は発展してるからな。防犯カメラよくよく見ればわかるんじゃねーの?」

田沼の顔が歪む

「言っとくけどな、俺は全部知ってる。お前が噓をつけば分かる。でもその上でお前の口から聞きたい。お前がやった事を教えてくれ」

しばらく黙っていた田沼だけど観念したらしく大きなため息をつく

「分かりましたーはぁ、そのかわり絶対萬引きのこと言わないでね」

めっちゃめんどくさそうな喋り方になった

…うわっこえーなこいつ

それから俺は田沼が盛岡恵にした事を全部聞いた

なんで萬引きしたかとかは全く分からなかったけど、盛岡恵がストーカーじゃなく、ただ俺に憧れてくれてた奴だってことがわかった

田沼が盛岡恵にした事はひどかった…

盛岡恵の気持ちを考えるとが痛くてたまんねー

田沼と話をつけ、次は盛岡恵だ

一度會ったことあるって言ってたけど…誰なんだ?

もう一度田沼の教室に行く

「ねえ、盛岡恵ってどの子?」

すると

「え、私?」

そう言って俺の方を見た…

え、バスケコートの…あの子?

噓だろ…

なんか張してきた

「ちょっといい?」

冷靜を裝って聞く

「はい」

頷いてこっちに向かって走ってくる

う、ヤベー

「あのさ…ごめんな」

「へ?」

「お前…君のことなんか勘違いしてひどいこと言った。田沼から聞いてると思うけど…」

俺がストーカーだって勘違いして盛岡恵をキモイって言ったこと田沼はこの子に伝えたって言ってたからな

「え…」

「俺、間違ってたんだよ。自惚れてるかもしれないけど純粋に俺を見てくれてた奴のことを調子乗ってストーカーとか言ってキモがってた。君に限らずなんだけどな。だから謝っときたかったんだ」

俺が頭を下げると彼はアタフタとして言った

「頭あげてください先輩。そりゃ私も落ち込みました」

う、ズキ

「でも先輩がこうしてわざわざ會って伝えにきてくれたなんてすごく嬉しいです。ありがとうございます」

なんでお禮なんて言うんだよ

俺はお前にひどいことしたんだぜ?

「先輩は悪くないです。知らなかったんだし変に自分を責めないで下さい」

そう言って笑う

なんかドキッて鳴った心臓

「でも良かったです。先輩に嫌われてるからこうして話せるなんてっ」

!!

「嫌ってなんかない!!」

俺は自分でも驚くくらい大きな聲でそうんでいた

うっわはっず

「いや、その…な」

誤魔化すようにオドオドする俺に彼は笑いかける

「ありがとうございます!」

また心臓がドキッて鳴った

そういえば…あのフードって

地獄屋って…

なんなんだろう 

つゞく

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