《地獄屋語》第11話

クラスの中心、王的存在

巨大財閥の令嬢である田沼エリカ

宇佐智之との関係を切られたにもかかわらず榊葉尚人に猛烈アタック中である

相変わらず山野ミナキへの當たりが厳しく今日も自己中に騒ぎ立てている

変わったことと言えば取り巻きの1人であった盛岡恵が抜けたことだ

今はクラスで1人でいることの多い恵

しかし宇佐智之との流がかなり増えた

そんなある日

「はぁー」

取り巻きと別れ1人歩いていた田沼エリカが盛大なため息をこぼした

いつものイキの良いエリカと違いオーラもない

「意外な一面だね」

ふと誰かに聲をかけられ振り向く

そこには制服の上に黒いパーカーを著てフードを被った人がいた

「誰よあんた」

フードの人が顔を上げた

「…!山野ミナキ」

ニヤッと笑う

「ねぇ…どう?」

「は?」

「あんたも地獄…買ってみる?」

「地獄…まさかっアンタッ」

「田沼様はウチの常連様ですから…でも君が使うのは初めてかな?」

「あんた…地獄屋の…人間なの?」

「他言無用のはずだけどやっぱ知ってたんだね」

「ッ!」

「君は…どうしたいの?」

「どうって…」

フードを被ったは再びニヤッと笑うと背を向けてさっていった

「あ、ちょっと!」

そこにはすでにフードの姿はない

「山野ミナキ…」

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