《Duty》chapter 19 絆 -3

3 9月16日 夢

天から何かが降り立ったようなそんな覚を味わい、病院のベッドで眠っていた乙黒は目を見開いた。

まるで今まで呼吸を止められていたかのように息苦しかった。

辺りを見回したとき、ベッドの脇に人が立っていることに気づいた。

二人である。

一人は大人、中年の男。

一人は、高校生くらいの年だった。

乙黒は汗を拭って笑うようにしていった。

「はっ……どうあろうとも家族ってか。一時は妻を侮辱したアタシを襲ったくせに、今度はアタシに助けろってか?」

『……』

『……』

乙黒の意識が朦朧とし始めた。

これは夢かもしれない、と乙黒は思い始めた。

「悪いが無理だ……。今のアタシには……できない」

『……』

『……』

「アンタたちが借りたなんだろ? 任せてみろよ……絶対に大丈夫だ」

『……』

『……』

「最後まで信じろよ。『神谷太』と……『胡桃沢桜』を」

ベッドの脇に立つ二人はゆっくりと頷いたと思うとまるで煙のように消えていった。

そして、小さく消えるような年の聲で、

『ありがとう』

と聞こえた気がした。

「……うるっせー、それはアタシに言う臺詞じゃねえだろ」

乙黒は笑みを浮かべた。

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