《シェアハウス【完】》2
ーーーピンポーン
「ーーはい」
「あ……あの、樋口真紀です」
「あ、ちょっと待ってね」
インターホン越しに聞こえるその聲は、先日電話口で聞いたのと同じ穏やかな聲で……。
張で固まっていた私は、ホッとするとから力を抜いた。
「ーーいらっしゃい、真紀ちゃん」
目の前の扉が開くと、中からとても優しい笑顔をしたが現れた。
想像以上に綺麗なその姿に、私は再び張で固まると思わず見惚れてしまった。
スラリとびたモデルのような手足に整った小さな顔。
サラサラの長い黒髪を耳に掛ける仕草にドキリとする。
「迷わなかった?」
「……っあ、はい! 大丈夫でした」
ペコリと小さくお辭儀をすると、クスリと笑った靜香さんは、「どうぞ中にって」と優しく私を迎えれてくれた。
「ーー真紀ちゃんの部屋はここ。自由に使ってね」
そう案された部屋には、ベッドと大きめな棚が用意され、その橫にはクローゼットまで付いている。
壁にはベッドと同系の可らしいピンクのカーテンが掛かり、全的にとてもの子らしい部屋だった。
「あの……本當に三萬でいいんでしょうか?」
こんなにいい部屋を本當に三萬で貸してもらえるのだろうか?
もしかしたら私の聞き間違いかも。
この部屋を見るとそんな気がしてくる。
「安心して、熱費込み三萬で大丈夫よ」
私の不安な気持ちを察したのか、靜香さんはフフッとらかく笑うとそう言った。
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