一旦荷を部屋へ置くと、一通り家の中を案してくれる靜香さん。

リビングは二十畳程あり、そのあちこちには綺麗な花や観葉植が置かれている。

その広さには圧倒されたものの、センスのよい部屋に居心地の良さをじた。

一階にはリビングと居室が二部屋にお風呂とトイレが。

二階には寢室が三部屋とトイレがあった。

こうして見てみると、家賃三萬で住めるのが本當に夢のようだ。

隣で説明をしながら微笑む靜香さんを見ると、私は奧の部屋を指差して口を開いた。

「あの、あの部屋は……？」

先程から家を案してくれている靜香さんは、全ての扉を開いて中を見せながら私に説明してくれていた。

二階奧にあるあの部屋を除いて。

「……あそこは私の趣味の部屋。恥ずかしいから覗かないでね」

私の指差す方向に目を向けた靜香さんは、私へ視線を移すと困ったように微笑んだ。

「あっ……はい！ 絶対に覗きません！」

失禮な事を言ってしまったと焦って頭を下げる私を見て、靜香さんはクスリと笑うと「お茶にしましょうか」と言って私をリビングへとった。