《シェアハウス【完】》

「ーーで、新しい家はどうなの?」

攜帯を弄りながら、私をチラリと見た香澄が口を開いた。

『それ絶対怪しいよ、やめときなよ』

ネットで見つけたシェアハウス募集サイトを見せた私に、香澄は以前そう言って反対をしていた。

シフトが被らなかった事もあり、それから香澄と會うのは約二週間ぶり。

その間に勝手に居を決めて引っ越しまでしてしまった私に、『信じらんない。私止めたのに』と怒りながらも、今こうして私が著替えるのを更室で待っていてくれる。

本當に心配してくれているんだな、と思いながら、私は制服のボタンを留めて口を開いた。

「……うん。靜香さんて言うんだけどね、凄く綺麗で優しいよ」

「本當に家賃三萬なんだ?」

「そうなの。未だに信じられないけど……凄く助かる」

大學に通いながら週四日のアルバイトに出ているだけの私には、家賃三萬は本當に有り難かった。

田舎から上京してきて三年目。

東京の家賃は想像以上に高く、とてもじゃないけど一人暮らしなどできない。

大學の寮に戻ろうともしたけど、生憎全て埋まっていて居できなかった。

同棲なんてするんじゃなかった……。

そう思っていた時にたまたま見つけたあの募集サイト。

即決して良かったと思う。

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