《首吊り死が呪う村、痣のスミレの狂い咲き》瀬戸晴
……何これ。
多分、左の方は『まつぞのすみれ』で合っている。右は竹園までは分かるんだけど、これは『たかとし』だろうか、『こうじゅ』だろうか——。
それにしてもこれ、まるでお墓じゃないか。線香まであるぞ。
で、どっちが本だろう。
上の石か、下のお墓らしきか。でもどう考えたって扱いが違いすぎる。上のなんて簡単に開く扉の中だ。盜ろうと思えば簡単に盜れる。その點、下の墓石らしき石は鍵がかかっていて厳重に保管されているじがする。
でも、そもそも石は下にくっついているじだったし、もしかしたら祠が後から上に付けられたのかもしれない。
そうなると考えられるのは、何らかの理由で祠の場所がここでないといけなくて、泣く泣く上に作った場合と、そもそも墓石が神で、それを隠す為に上に祠を建てた場合だ。それか上の石も下の石も両方重要だった場合。
……それは無いか。上のが大事なら、鍵くらいかかっているだろう。
——とにかく、報酬は間違いなくあった。
あとは帰るのみだ。……見つからずに。
取り敢えずは鍵をかける。
で、鍵をどうするかだ。また茂さん家に戻すなんて危険は冒したくない。
でも戻さなければいずれは鍵が無くなったことに気がつくだろう。そして探した時に僕が鍵を持っていれば——。
「あのー、そこの君!」
もちをついて振り返る。見つかった!?
「何してるの?」
振り返って見えたのは、くしゃくしゃとした短い黒い髪のの人だった。丸い眼鏡をかけて、その奧で目をキラキラさせている。
「え、えっと……」
口ではそう言いながら、僕はまじまじとその人を見ていた。村の人かと思ったが、見慣れない洋袴ずぼんを履いている。
青のような紺のようなで、膝や太のあたりがれて白っぽくなっている。
「おっと、私の自己紹介がまだだったね。私は瀬戸晴せとはる。瀬戸際の瀬戸に、晴れるの晴。寫真家の娘。この村の人じゃないから安心して」
「こ、この村の人じゃないんですか……?」
「そうだよ。ここのニオイスミレの花畑が凄いって聞いたから來てみたの。でも來てみたら、村が殺人で大変みたいで」
「殺人? 首吊り自殺だって噂ですよ。それか……」
「縄・垂・ら・し・でしょ。私は違うと思うなあ」
瀬戸さんは顎に手を當てて探偵のような格好をして見せた。
「お名前、聞いても?」
「う、梅園香壽です。香るの香に、壽命の壽で」
「ねえ香壽くん。君、いけないことしたんじゃない?」
瀬戸さんが笑顔で言う。僕はぎくりとをめた。
「あのね……。お願いがあるの」
「なんですか?」
脅されるのか。
「私、この村のことが気になるんだ。君がやったこと誰にも言わないから、私に香壽君が知っているこの村の事、今起きている事を教えてしいの」
- 連載中10 章
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