《首吊り死が呪う村、痣のスミレの狂い咲き》契約
「え……」
瀬戸さんが言っていることを聞いて、僕は唖然とした。
「これは契約だよ。私は香壽君がやってる事を一切人に教えない。その代わり、香壽君は私に村の事を教えて」
「わ、分かりました」
瀬戸さんはにっこり笑った。そして鍵を指差すと、
「その鍵、盜んできたんでしょ」
僕は頷く。し罪悪をじた。
「もしかして神社の中から? 二階の窓に近い木を登って?」
「そ……そうです」
説教をされてるような気分になりながら俯く。怒られるのかと思いきや、瀬戸さんは落ち著かない様子で辺りを見渡していた。
「……取り敢えず、ここを離れようか。鍵はここに置いていったらいいから」
瀬戸さんが僕の手を引く。
「野辺送りが始まったら見つかるかもしれないからね。梅園家にお邪魔させてもらっていいかな」
「え、野辺送り?」
「香壽君知らない? 野辺送りって言って、お葬式が終わったら親族の人とかがごを運ぶの」
「知らなかったです」
立ち上がって、來た道を帰る。
「あの鍵、どうして置いてったらいいと思ったんですか?」
「だって持って帰ってもなんにもいいことないでしょ。鍵が盜まれた時點で何かに使われたと思うだろうから、むしろあそこでホッとするんじゃないかなぁ、金銭を盜まれたとかじゃないし」
「どう……ですかね」
もしあれが墓石で、それを神として崇めているのだとしたら、金銭を盜まれるよりもそれが見つかる方が嫌かもしれない。
「……何かありそうな顔してるけど。ま、後で聞くね」
「ありがとうございます」
そこからしばらく他のない話をして、墓まで出た。どうやら瀬戸さんはこんなに人が死んでいるのに警察があまりいていないことを不審に思っているらしい。
更に歩き、花畑まで出たところで、瀬戸さんは立ち止まった。
「香壽君、手、錆臭いでしょ。ニオイスミレで臭い消しした方がいいよ。帰る途中で誰か人に會ったらまずいから」
「でも僕が鍵を盜んだなんてその人は知らないんじゃ……」
いやいや、と瀬戸さんは橫に大きく首を振る。
「後から神主さんが鍵を盜まれたことに気付いて、それを村中に広められるかもしれないでしょ。そしたら、そういえば香壽君の手が錆臭かったような……って言い出す人が出るんだよ」
「念には念を、だね」と付け足した。
僕は指示される通りにニオイスミレを手でんだ。手を嗅ぐとやっぱり臭いけど、わざわざ嗅がないと分からないくらいにはなっている。
「凄い!」
「でしょー」
満足げに瀬戸さんが笑う。
「ありがとうございます、僕一人じゃ危なかったかもしれません」
「お禮なんていいの。香壽君は強運だね」
「強運?」
「香壽君が登った木、あれ、あんなに家と近いのに切られてないのが不思議だと思わない?」
「言われてみれば……」
ちょっと窓の方に枝がびてて、変わった形だった。僕みたいな泥棒がりそうなのに、なぜ切ってないんだろう。場所もし邪魔なのに。
「仮説でしかないんだけど……。
昔から日本では自然のを神として崇める習慣があるけど、特にああいう変わった形の木とかが対象にされるの。切らないのはそのため。そして多分、信心深いこの村の人はそんな大切な木を登らないから防犯上の心配もなかったんじゃないかな」
登っちゃったなぁ……。
「ただの木じゃ無かったんですね……」
「ただの木じゃないかなあ。勝手に崇めてるだけで」
包帯の下の君は誰よりも可愛い 〜いじめられてた包帯少女を助けたら包帯の下は美少女で、そんな彼女からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜
雛倉晴の通っていた小學校には、包帯で顔を覆った女の子――ユキがいた。小學校に通う誰もが一度もユキの素顔を見た事がなく、周囲の子供達は包帯で顔を覆うユキの姿を気味悪がって陰濕ないじめを繰り返す。そんな彼女を晴が助けたその日から二人の関係は始まった。 ユキにとって初めての友達になった晴。周囲のいじめからユキを守り、ユキも晴を頼ってとても良く懐いた。晴とユキは毎日のように遊び、次第に二人の間には戀心が芽生えていく。けれど、別れの日は突然やってくる。ユキの治療が出來る病院が見つかって、それは遠い海外にあるのだという。 晴とユキは再會を誓い合い、離れ離れになっても互いを想い続けた。そして數年後、二人は遂に再會を果たす。高校への入學式の日、包帯を外して晴の前に現れたユキ。 彼女の包帯の下は、初めて見る彼女の素顔は――まるで天使のように美しかった。 そして離れ離れになっていた數年間で、ユキの想いがどれだけ強くなっていたのかを晴は思い知る事になる。彼女からの恩返しという名の、とろけた蜜のように甘く迫られる日々によって。 キャラクターデザイン:raru。(@waiwararu) 背景:歩夢 ※イラストの無斷転載、自作発言、二次利用などを固く禁じます。 ※日間/週間ランキング1位、月間ランキング3位(現実世界/戀愛)ありがとうございました。
8 95【書籍化】「お前を追放する」追放されたのは俺ではなく無口な魔法少女でした【コミカライズ】
【書籍化・コミカライズ】決定しました。 情報開示可能になり次第公開致します。 「お前を追放する!」 突然、そう宣告を受けたのは俺ではなく、後ろにいた魔法使いの少女だった。 追放の理由は明白で、彼女が無口で戦闘の連攜がとれないこと、リーダーと戀人になるのを拒んだことだった。 俯き立ち去ろうとする少女を見た俺は、リーダーが魔法使いの少女に言い寄っていたことを暴露して彼女の後を追いかけた。 6/17 日間ハイファン2位総合9位 6/19 日間ハイファン1位総合3位 6/22 週間ハイファン1位 6/24 週間総合5位 6/25 週間総合1位 7/5 月間ハイファン1位月間総合5位
8 147世界にたった一人だけの職業
クラスでもあまり馴染むことができず、友達にも恵まれず高校生活を送っていた高校二年生の主人公の柏沢蓮斗。そんなある日、クラスでいつも通り過ごしていると先生の魔法詠唱によって足元に魔法陣が現れた。魔法陣に吸い込まれた後、目を覚ましたら異世界の王宮の中にいた。皆それぞれ職業に目覚めており、主人公もまた例外ではなかった。だが、主人公の職業はー 異世界の複雑な事情に巻き込まれていく ストーリーです。 新作 「スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、超萬能スキルでした~」も興味のある方は見に來てください。 お気に入り1000突破! ありがとうございます!!
8 134獣少女と共同生活!?
ある日、朝倉 誠は仕事帰りの電車で寢てしまい、とある田舎に來てしまう。 次の電車まで暇つぶしに山へ散歩に行くと、そこにはウサギのコスプレをした少女がいた。 彼女から帰る場所がなくなったと聞いた誠は、自分の家に招待。そして暫くの間、一緒に過ごすことに。 果たして、彼女との生活がどのようなものになるのか? ※作者からの一言 この作品は初投稿で、まだ不慣れなところがあります。ご了承下さい。 また、投稿間隔は気まぐれですが、金曜日に投稿出來るように努力します。毎週ではないですが……。 1話あたりの文字數が1,000〜2,000文字と少ないですが、ご了承下さい。 リクエストなども隨時受け付けています。全ては不可能ですが、面白そうなものは採用させて頂く予定です。 また、小説投稿サイト「ハーメルン」でも投稿しているので、そちらも宜しくお願いします。
8 160殺しの美學
容疑者はテロリスト?美女を襲う連続通り魔が殘した入手困難なナイフの謎!--- TAシリーズ第2弾。 平成24年七7月8日。橫浜の港でジョニー・アンダーソンと合流した愛澤春樹は、偶然立ち寄ったサービスエリアで通り魔事件に遭遇した。そんな彼らに電話がかかる。その電話に導かれ、喫茶店に呼び出された愛澤とジョニーは、ある人物から「橫浜の連続通り魔事件の容疑は自分達の仲間」と聞かされた。 愛澤とジョニーは同じテロ組織に所屬していて、今回容疑者になった板利輝と被害者となった女性には関係がある。このまま彼が逮捕されてしまえば、組織に捜査の手が及んでしまう。そう危懼した組織のボスは、板利の無実を証明するという建前で、組織のナンバースリーを決める代理戦爭を始めると言い出す。ウリエルとの推理対決を強制させられた愛澤春樹は、同じテロ組織のメンバーと共に連続通り魔事件の真相に挑む。 犯人はなぜ3件も通り魔事件を起こさなければならなかったのか? 3年前のショッピングモール無差別殺傷事件の真実が暴かれた時、新たな事件が発生する! 小説家になろうにて投稿した『隠蔽』のリメイク作品です。
8 133格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜
東堂院力也は、地球最強の男だ。 ある日、居眠り運転のトラックから少年少女を助けるために、彼は犠牲となった。 「…………む? ここは……?」 彼が目を覚ますと、見知らぬ森にいた。 狀況整理に努めているときに、森の奧から女性の悲鳴が聞こえてきた。 「きゃあああっ!」 「むっ! 女の悲鳴か……。今向かうぞ!」 東堂院力也は駆け出す。 しばらくして、女性の姿が見えてきた。 數人の男に押さえつけられている。 服を脫がされ、半裸の狀態だ。 「そこまでだ! 賊どもめ!」 東堂院力也が大聲でそう言う。 男たちが彼を見る。 「何だあ? てめえは!」 「けっ。通りすがりの冒険者かと思ったが……。見たところ丸腰じゃねえか」 「消えろ。ぶっ飛ばされんうちにな」 賊たちがそう言って凄む。 果たして、東堂院力也はこの賊たちを撃破し、女性を助けることができるのか。 格闘チャンプの異世界無雙が、今始まる。
8 73