《首吊り死が呪う村、痣のスミレの狂い咲き》後ろには

『私の考察を話すね。まず、一度紫首神社に參拝してから參拝を辭めると、その人は縄垂らしに殺される。そして、縄垂らしは祠の向こう側には行くことができない。かつてあったかもだけど、今は祠のない紫霊峠から逢園村には、縄垂らしがれて、隣の村から向こうには、峠の祠があるため通れない。

參拝をできなくなったから、茂さんは縄垂らしに殺された。おそらく隣の村を超える峠にあった祠も嵐で壊されたから、參拝できていなかった梨さんは殺された。これまでは縄垂らしが祠の向こうに行けなかったおかげで、梨さんは守られていたんだと思う。』

どんどん鼓が速くなる。

『竹園祐三さんがいるでしょ。家出した人。あの人も、養子らしいの。竹園家の後継候補は二人いたけど、二人が同時に熱を出したときに、心配した子さんが引き取ったんだって。そのときから親の言うことを聞かない子だったらしくて、參拝も意地になって一度もやらなかったらしい。

実はね、逢園村から外に出た人のことを全く聞かなかったから、なんとなく香壽君が村の外に引っ越すのはあぶないんじゃないかと思っていたの。でも祐三さんが亡くなった知らせがらなかったから、參拝と縄垂らしは関係が無いと思っていた。実際は、逢園村から外に出れば、噂が屆く範囲なら縄垂らしに殺されて、祠を越えれば噂もって來ないからだったの。

それに、嵐が來ないで峠の祠が崩れなければ、香壽君は大丈夫なはずだったんだよ。』

そこを読んで、頭が真っ白になった。

祐三さんと言う功例があったから瀬戸さんは僕も大丈夫だと思っていたけど、祐三さんは例外だった。

つまり、僕のも危ない。

『汽車で橫切るときに見たから、隣の村の祠が壊れたのは本當のことだよ。そして一回も參拝をしなければ村にいても大丈夫なのも事実。それは私が逢園村にいる間、を持って実験したの。

私の考えを全て話すだけでも何か違ったかもしれないのに、本當にごめんなさい、香壽君。でも逢園村にいても殺されるんなら、私には対処法は考えられません。こんな無責任な報だけ殘すだなんて卑怯だよね。恨むなら、私を恨んで。』

そんな、そもそも元兇さえ無ければこんなことにはならなかったのに。

『私の考察が全て間違っていて、縄垂らしが香壽君に何も影響を與えない事を祈ります。』

最後の方の文字は震えていて、滲んでいた。滲みは乾燥している。この雨じゃない、

瀬戸さんの涙だ。

でも結局、逢園村にいたらもっと前に死んでいたんだ。僕が逢園村で初めて參拝をした日、僕は呪われた。

どこにいたって死ぬなら、瀬戸さんは何も悪くない。

——べちゃ。

水の付いた足で歩いたような、妙な足音がした。お母さん達が帰ってきたのか……。

振り返りかけて、やめる。

もちは? お母さん達なら、帰って來たとき、もちは毎回ワンワン鳴いてうるさくなかったか。

もちの鳴き聲はしなかった。扉に向けた背中が妙に寒い。

——べちゃ、べちゃ。

その音は近づいてくる。背中がぞわぞわする。

振り返りたい。振り返りたい。きっと大丈夫。お母さんか、お父さんなはず。

それでも、振り向いたら何かと目があってしまう気がして。

——べちゃ、べちゃ。

背にした扉をすり抜けたかのように、急に僕の背後で音がした。

心臓がうるさい。手に力がって手紙がぐちゃぐちゃになっている。

まさか。

最悪の事態が目に浮かんだ。

——今後ろにいるのは、何……?

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