私自に起こっている現実は、誰に話しても笑われると思う出來事に私は追い詰められていた。ここで逃げ出しても彼らに追いつかれるのは、先ほどの追いかけっこで理解できた。

だからと言って、彼らを救える事などなんの取柄もない私には無理だろう・・・

私を見據えている優を前にして立ち盡くしていると、重い沈黙を破るように低く恐ろしい聲が私の耳にって來たのだ。

「なら、救ってみせろよ・・・・」

零士がゆらっときだすと、いままでしゃがみこんでいた優も立ち上がり

「こんなことをしてもな・・・・」

優は強引に私を後ろから羽い絞めにし腕を取ってきが取れない様にすると

首筋に舌を這わせたのだ。私は蛇に睨まれた蛙のように恐怖でき一つ取れずされるがままになっていた。

「が我々を狂わせても・・・・」

その言葉を聞いた瞬間、私のの痣が突如痛みを発し呪縛に解けたように我に返った。

「やだ!!!!!やめてぇぇぇぇ!!!!!」

私はの痛みに耐えながら大聲でび必死で抵抗を試みる、その痛みは神が何かを訴えているかのように・・・・

「神は言う、敵をせよと・・・・」

また、私の口が勝手にいた。そして、その言葉と同時に痛みを伴っていた痣が今度はを放ったのだ。眩く暖かいを部屋全に放っていた。そのに浴びた彼らは當然のように怯み、から目をそむけながら徐々に後ろに下がって行く

「なんや、このは・・・太のとは違う・・・」

零士はを浴びて苦しみながら言う

「からってる、あの痣からってる！」

青空は眩しいを避けながら私を見ると仲間に伝える。を浴びている吸鬼たちは各々に苦しみだしていた。すると、今まで私を避けるように仲間の後ろに隠れていた快が前に進み出ると

「神のだよ・・・僕たちの終焉のだよ・・・」

そう悲しそうに仲間を見つめ伝えた。するとは何故か嬉しそうに笑いながら

「何百年も生きてきて、終わりがこんなにあっけないなんてな・・・」

諦めているかのような発言に私は彼らの終わりが見えた気がした。

すると歩夢が深紅の目から涙を流しを噛みしめながら仲間の前に出て來た。それは、私から発するの苦しみかと思われたが、私の前に立つと口を開き

「貴が言うが全てを許すなら・・・俺が全てをし仲間を救う・・・」

力強い言葉を伝えると、私のを遮ろうとの痣の部分を手で押さえたのだ。

一人でを浴び続ける歩夢のには強烈な痛みが走っているかのように、言葉にならない聲でび続けていた。その姿を見た優は駆け出し歩夢を痣から離そうと肩を摑むが歩夢が力強く跳ねのけた。

「やめろ！お前だけが灰になってしまう！」

心配する優に歩夢はしだけ仲間の方に顔を向けると、痛みに耐えながらゆっくりと微笑んで見せた。

「で救われるなら・・・これで救われるはずだよ・・・俺は仲間を裏切らない、何があっても、これからも・・・」

歩夢の姿がだんだんと衰弱していっているは誰の目にも明らかだったが、誰も何も出來ずにいた。

「皆への・・・で・・・で・・・・す・・・救われる・・・」

歩夢の息遣いも荒くなり、言葉すらハッキリ聞き取れなくなっていく

その様子を見ていた快が突如、を震わせ瞳を深紅に染めると

「嫌だ!!!!!!!!　誰も終わりにはさせない!!!!!!!!」

びながら、私の命を奪うために首筋に飛び掛かり喰らいつこうとしたのだ

「やめろ！」

青空が怒った顔でぶ

「もう、終わらせよう、こんな事は・・・・俺らは滅ぶべき存在だから・・・それをけれるべきなんや・・・・」

悔しそうに、そう呟くと青空は顔をそむけるように下を向いたのだ。その言葉で快は悲しそうな瞳のままゆっくりくと、歩夢の背中に膝をつき彼のをささえるように背中に寄り添った。

「アホぬかせ！みんな目を覚ませよ！なんで俺らが消えなあかんね！」

今までの様子を見ていた零士は、仲間に怒鳴り散らした。

「俺は絶対に認めんからな！俺らの存在が消えることは！」

零士には信じられなかった、いや信じたくなかったのだ、仲間が消えるという現実をどうけれて良いのか分からず、をふさぐことしかできず、イライラとした様子を見せていた。そんな、零士に快は自分の腕の中で弱っていく歩夢をじながら

「そんなことより・・・歩夢だよね？歩夢が消えてしまうよ・・・

皆は、それでいいの・・・？」

快は涙を流しながら皆に訴えたのだ。その瞬間、私は我に返り目の前の歩夢の姿に驚いたのだ。歩夢が私のを押え、その後ろで快が涙を流している・・・・パニックになりそうな私の目に次にって來たのは、を押えている歩夢が衰弱し床に鈍い音を立てて倒れたのだ。

力なく床に倒れている歩夢に仲間は駆け寄る。彼らは口々に何かをんでいるが、それは無聲映畫のワンシーンのように私の鼓は全く音として捉えることが出來ない、それよりも私は歩夢を見て、彼を失う怖さが心を一気に支配したのだ。

その心にかされるように、彼を助けたい一心で辺りを見回すと、私は彼らと爭った時に割れた硝子の破片を摑んだのだ。私の行に一早く気が付いたが私の手を摑んだ。

「お前、なにするつもりや・・・」

彼の言葉に私はキッと睨みつけると強引に引き離した。私の力強さには驚いていたが、その彼の前で私は躊躇なく自分の手首を切った。

「!!!!!!!!」

驚くの前で、私は歩夢を助けることしか頭にはなかった。

目の前で、倒れている彼の瞳をもう一度だけ見たい・・・彼の優しい聲を聞きたい・・・

そう願いながら、歩夢の口元に傷口を持っていき私のを與えたのだ。

「神様・・・どうかお願いします・・・」

神に祈りながら、歩夢にを與え続けた。このまま彼と別れてしまう恐怖に耐えながら・・・

「、だ！をよこせ!!!!!!!!」

私のの香りに理を失ったように零士が暴れだし始めたが、恵吾が必死で制止していた。

他の者は、誰も私の行に逆らうことなく見守っていたのだ。

「う・・・・ぐっ・・・・ゴホッ・・・」

私のの味に酔いながらの痛みに耐えるように苦闘の表を浮かべる歩夢

そんな、彼を見つめながら私は必死で神に祈りを続け、自らの心のままに行をしていた。

その行為が神に背いている事だとも知らずに愚かな道に走り出していた。

ただただ歩夢を救うためにいていたのだった。