《スターティング・ブルー〜蒼を宿す青年〜》二十六章 ─ 決戦間近 ─
二人がかりでも撃破出來ない所を見た限り、このレリウスという男、強い。それもかなり場慣れしている。
技大佐と聞いていたが、カルルより人形の扱いが上手い。流石と言うべきか。
「どうした、そんなものか?」
「ったくよ…コレは取っておきたいんだよな、本気で」
スタンが一回やった全を獣に変える方法。
それを応用し、展開していた剣をに纏う。剣はそのまま鎧となり、西洋の騎士に近い見た目になる。
「おおう…なんかすげぇな、それ」
「だろ。んじゃ、やりますか!!」
の丈より長い大剣を構え、距離を詰めた。
波兵デトネーターは兎に角堅かった。
銃撃を幾ら加えようとも行不能にならない。このままだと私の方が不利だ。息は上がっているし、きも遅くなってきている。対する波兵はと言うと、エネルギーはまだあるらしく、未だキレのあるきだった。底なしかと疑うくらいだ…
「(……あの力…使う時かな)」
一旦武を仕舞い、神を集中させる。
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次に目を開く時、瞳のは碧から蒼へと変わっていた。服裝も出が高いものに変わる。そして額には《十二》と書かれた額當てを。私ノエルが、『μ=12ミュー・トゥエルブ』に姿を変えた瞬間だ。
勿論、ムラクモユニットは健在。
「……(やっぱり恥ずかしいなぁ、コレ…)」
心恥ずかしいと思いながらもムラクモユニットをそのに纏い、波兵もといイグニスを追い込んでいく。行不能に追い込む途中、撃でサポートしてくれるユニットを幾つか展開し、悠人とスタンの闘いも補助する。
「…コレで、終わりっ!!」
八本の剣に力を溜め、前方を切り裂く。
イグニスはマトモに喰らい、きを完全に停止した。
それを確認した後に悠人達の元へ向かう。機力は格段に向上していた。
「む…」
イグニスがやられた。クサナギは厄介だなと心思いつつ、目の前の二人を相手取る。
桐生悠人の方は方知っているからいいものの、スタンという男が危険極まりない存在だ。
蒼の男、ブラッドエッジと似ているようで似ていない能力を持つこの男、単純な力だけ考えると悠人より上だろう。先程も私特製の機械腕を容易く砕した。しかも、結界に退避させても直らない。コレもスタンの能力か。
「余所見厳だぜ?」
「ぐっ…」
「おらぁ!!」
「ちっ…こいつ等…」
それよりも厄介と言えば、息ピッタリなコンビネーションだろう。見たところ出會ったばかりだと言うのにお互いの事が分かるかのようにいている。
何故かと考えながら固有結界も使う。手段など無意味だ、倒したら勝つ。シンプルでいい。
段々と追い込む手応えをじつつ、スタンと協力して渾の一撃を叩き込んだ。
吹き飛ぶレリウス。壁に叩きつけられたがふらつきながらも立ち上がる。不死かと疑うが、反吐を吐いてる辺りを見る限り、不死じゃないと確信出來る。
「悠人!!」
「ノエル…って、なんだその姿?!」
「き、気にしないで…」
今までとは打って変わって出多めになった服裝のノエル…いや、μミューを見てすぐに俺も本來の姿、οオミクロンになる。レリウスに止めを刺すべく大技を放った時だ。
事象干渉が起き、レリウスの姿は消えた。だが、スタンはその場に殘ったままだ。俺でさえ影響を食らったのに。異世界の來訪者というのは間違いじゃないらしい。
「あ…?奴は何処行った?」
「逃げたんだろ。先行くぞ、スタン」
「お、おう」
戸うスタンを連れてその場から離し、頂上を目指す。スタイルチェンジをした俺とノエルは空を飛べるからいいが、肝心のスタンはどうするのかと思いきや、自分の能力を応用してクライミングを始めた。
そこまでやるのかと呆れ半分で眺めつつ、先を急ぐ。間に合わないと、何かを失う気がしたからだ。
「…っ」
「ノエル?」
「何か…寒気が……」
「寒気…?って、俺もだ……」
二人して寒気をじたその直後。
遙か彼方から飛來する何かがイカルガに落ちて來た。いや、"落とされた"のか。あの時じた気配も漂い始めている。もしかしたら、奴が此処へ落とされたのかと考えた。帝の事だ、それくらいは平気でやる。
「おい、どうしたよ。先行くぞ?」
「あ、嗚呼。先行ってくれ」
スタンに急かされたが、先に行けと促す。
奴を放っておけない。進路を変更し、飛來した先へ向かう事にした。"奴の線をけたから分かる"。
その頃のラグナ。
迷子になっていたセリカと共に統制機構へ向かっていた。とはいえ目を離したらすぐに何処かへ行ってしまう為、しっかり手を繋いでいる。
「ったくよ…方向音癡それ、どうにかなんねぇのか…」
「って言われてもね…」
「…いや、知ってるからいい。"何処かで會った気がする"からよ。見捨てる気にもならねぇ…」
「…ラグナも?」
「なんとなくだけどな」
セリカは厳に言えば今の世には存在しない。刻の幻影クロノファンタズマと呼ばれる存在だ。(この事を知っているのはココノエとレイチェル、ハクメンくらいしか居ない)ラグナが何故"何処かで會った気がする"と言ったのかは分からない。だが、この時のラグナの心には確かにセリカとの思い出があるのだ。
「それよりもだ。本當に大丈夫なんだろうな…?」
「うん、大丈夫だよ?」
「……ならいいんだけどよ」
ラグナが確認している事はまだ分からない。
だが、この先重要になる事なのは分かる。それをセリカが忘れていないか確認しているのだろう。
「帝も無茶するよな。まさか奴を使役するとは…」
帝の一連の行を観察していたテルミ。
予想外の事をした事に驚きを隠せていないようだ。
帝が呼んだもの、それはノエルや悠人…次元境界接用素達には悪夢でしかない存在。
カグツチにて滅びの線を放った存在と同一である。その名は、《アークエネミー・ハイランダー・タケミカヅチ》。事象兵アークエネミーのオリジナルであり、人類が産んだ負の産。その強大な力故に宇宙へ衛星として封印されていたが、どういう訳か、帝が使役する権利を得て此処へ呼び寄せた。
「其奴を奴等に仕向けるんだろ?コントロールは大丈夫なんだろうな?」
「無論。余を舐めるでないぞ、テルミ」
「別に舐めてねぇっての。そこまでやるのかと気になっただけだ。てめぇがあいつらに《死》を與えるだけで終わるだろ?」
「普通ならそれで済む。だが、此度は《守護者》が居るであろう?源と繋がっている彼奴は余と同じく事象干渉を行える。干渉されて死をゼロにされるのがオチだ」
「嗚呼、あの鬼か。流石《守護者》ってか?もはや化だろ。俺様が言えた義理じゃねぇけどな」
帝がタケミカヅチを呼び寄せた理由。
守護者として帝に牙を剝いている悠人対策だった。事象干渉を行える悠人でさえ、タケミカヅチが來ないという事象に出來ないと踏んでの事。大規模な事象干渉をするのは一部を除いて不可能だ。帝ならともかく、源と繋がっているがその力をししか扱えない悠人は無理だろうと考えているらしい。
「守護者を亡き者にすれば後はトントン拍子で進むであろう」
「……それもそうか」
決戦の時は、刻一刻と近づいていた…
……何処向かってるんだろう、コレ
収集がつかなくなってきたじが否めないです、はい
なんとか書ききってみます…
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