《魔力、、君、私》1人

~side H~

戦闘班について歩く。目を逸らしたくなるような現実があった。そんな場所で...戦っているのか....

「...」

その橫をリルは涼しい顔して歩く。いのに...普通だったらしゃがみこんで泣き出してもいいはずだ。死の山、火の海を通り過ぎてしばらくしてから聲をかける。

「...なぁリル。」

「...これが戦爭なんだよ」

こちらを見ずにリルは言った。

「...多くの命が奪われるのが戦爭。

   人が死ぬ度にわざわざ

   嘆いている暇なんてない...

   死ぬ覚悟を持ってここに立ってる。

   そんな覚悟がないなら

   ここに立つ意味はない...」

「...」

の言う意味を理解して、やっとわかった。彼は戦うのに、戦爭という狀況に慣れているのだと。こいつの過去は戦っていたことしか知らない。きっと想像出來ないくらいひどい過去を味わっていたのだろう。

「急に変な事言ってごめん...行こう。」

「あぁ...わかった」

~side R~

その時、後方からの気配は何もじなかった。魔力の気配すらなかったのだ。

「...ぅ...」

誰かの小さな悲鳴。何かが倒れる音。

音のした方を振り返り息を呑む。真っ赤になった元々人間だった『塊』

一瞬のことで訳が分からない。を隠して辺りを見渡す。宙を高速で舞う5人...刀に手をかけてきを追う。...速い、人間とは思えないきだった。これが敵軍の言ってた『実力者』なのだろう。

どんどん味方が減っていく。何とかしなければ...

「ハルマ、」

靜かに呟く。

「私は、奴らを止める...

   だから...味方を守って...にげろ。」

「...」

當然の反応だろう。危なすぎる。

でも私は別に死んでも構わない。

「...っ、わかった。気を付けろ...

   戻ってこい。」

「...あぁ、」

予想外の回答だったが同意されたのだ。頷いて地を蹴る。刀を振りあげ目につけた敵を切りつけていく。ざくざく....と骨に當たる覚。だが1人を相手してるうちに近づく敵の気配もじていた。軽くステップを踏み攻撃を躱す。そちらも切りつけていく。

「...く.....」

腕に何かが刺さる覚。遠くから弓で狙っていたのだろう。バランスを崩したせいか相手の刃が目の前に迫っていた。ギリギリで躱して、勢いに任せて切りつける。あと3人...何処にいるか気配を探る。

「...いた....」

さっき私の腕を抜いた奴だろう。

居場所が分かればこっちのもんだ。遠距離攻撃なら背後から狙えば大丈夫。

「リルっ!!」

班長アノスとハルマの聲。何事だ。

「救援に來たよ。

   みんな撤退したはずだ、あと何人?」

「2人やった、あと3人なはず」

「怪我してるじゃん、下がって。

   相手の武は何があるか

   わからないんだから。

   1人でやろうとしないで。」

「...ごめん」

何人かの班員が敵を追っていく。

「...オレらはほかの人探そう」

痛みが増していたことに今気づく。思えば思うほど痛みが増してくる。

「....っ、リル!!」

気づいた時には遅かった。

「...ぐ...っ....は...」

「はる....ま...?」

自分を庇った...

罪悪が込み上げてくる。

目の前の真っ赤なハルマは膝をつきその場に倒れ込んだ。なんて、迂闊だったんだろう。

「....くそ....」

目の前で口角を上げて嘲笑う敵に歯向かう。

班長アノスがハルマを背負ったのがわかった。

『生きて戻ってこい。

   こいつはオレが責任をもって

   連れて帰るから。お前なら大丈夫。』

殺してやる...そうじた。

痛みはもうじなかった。

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