《魔力、、君、私》

~side A~

ハルとリルは上手く打ち解けたようで安心している。同じアマツ族だから、という訳では無い。

あの二人は期を共に過ごしていた。

これはハルと出會ったとき...ハルを助けた時にハルがうわごとのように呟いた名前に聞き覚えがあったから。

 エレナ...

こいつは間違えなくリルの姉である...

オレもハルの過去は知ってる...

記憶が無いって言ってるハルだけどその姉妹はリルとエレナのことだろう...

何故知ってるかと言われると説明しがたい。簡単に言えばエレナに「2人をよろしくな...」と頼まれたからである。

エレナとは期に剣をえたこともある仲。あの2人はエレナの魔法でお互いのこともエレナのことも、し曖昧になっている。完璧に忘れてないのはそれだけ互いがの存在が2人にとって大切な存在であったのだろう。思い出すのも時間の問題だ。

ただ、リルの場合...思い出したら余計に苦しむかもしれない。

「...こんな時間か」

もう支度をして行かなければ。

まだハルが回復してないから、リル1人で敵陣に向かうことになる。危ないからついて回ろう。

リルの部屋をノックする。

「リル、支度終わってる?」

「今行く」

エレナが著ていた黒いロングコート。気だるそうな三白眼。ほんとに似ている。

「...行こっか」

「あぁ。」

笑わなくなったのも、男言葉になったのも...全てはあの戦のせい。

今日は特にやることも無い。ただ戦闘班の後方援護をしていればいいだけだ。

ただリルの場合、敵がどんな相手でも突っ込んでいく。そしてリルは滅多に自分から引かない。いい事でもあって悪いことでもある。

「...今日は突っ込まないでね」

「...あぁ...」

今日は大丈夫だろう。ハルも心配だから早めに切り上げて戻るとしよう。

~side H~

窓の外を見る。

森の中でもこの辺りの景は綺麗だし敵にも見つかることはない。

「...」

久しぶりにこんな気持ちになった。

アマツ族でずっとひとりだった。

思えば、初めてだ。特に張もせずに初対面の人間と話すのは。

ずっと橫になっているのも暇だ...と思いを起こす。もうほとんど痛みが無い。まだ激しくはけないが盜聴や敵の尾行くらいならできるだろう。明日あたりにでも、リルを連れて敵陣アジトを調べてみよう。今後のきも気になる。

「よぉハルマ」

ノックもせずに誰かと思えばこいつは...同じ班のレウス。口は悪いし態度もでかいけど悪い奴ではない。

「...どうした?なにかあったのか?」

「気になるもん見つけちまった。

   これ見ろよ。」

それは一冊のノート。なんだ、これは。

「...何処から見つけたんだこれ...」

「昨日倒したヤツらの。まぁ見ろよ。

   面白ぇぞ。」

「...」

『12/19

   敵軍へ後方から攻めることが決まった。あの軍には、魔力を持つ者がいる。充分な警戒が必要だろう。後方に向かうのは実力派では無い。まだ実力派を出すときではなかろう。実力派は4方向に分かれて向かえばいいだろう。...』

ここまで読んだだけで息を呑む。ただ者じゃないだろう。

「...これって...」

「やべぇよな。

   前の輩は実力派じゃねぇ。

  本當の実力派はこれから來る、、、、、、、、、、、、、、、ってこと。警戒しとけ。」

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