乃亜が何回もキーボードを弾いているに時間は経ち、気付けば既に外に太の顔はない

魁人「諦めて、他に行かね？」

魁人が何回か提案したが、乃亜は聞く耳を持たずにただひたすらにキーボードを弾き続けた。その目はどこか希を帯びているようだった

乃亜「…よし！プロバイダ作完了！起きた！って…えぇ………」

乃亜が希を帯びた聲を上げたと思ったら、そのままデスクに突っ伏した。他の4人でコンピュータの晶を覗き込む。晶には「本パスコード力畫面」の文字とその力欄と思しき枠が表示されている。続いて「パスコードは半角英數字10桁」と追記されていた

斗哉「半角英數字で10桁って事は…単純計算でローマ字が26×數字が10の…10乗？えーと………」

果萌「約14秭じょ。天文學的な數字になるわね」

魁人「秭じょ？………なんだそれ、數字の単位なの？」

湊音「中學で習ったろうよ、億のずっと上の位」 

乃亜「………よし、億だろうが秭じょだろうが知らない。やるしかないんだから」

乃亜はそう言って、目線を晶に戻してまたキーボードを弾きだした

3時間後………

斗哉「なあ、もう夜遅いぜ？」

果萌「うん、夜の11時。そろそろ明日に備えて寢なきゃ」

乃亜「…うん、また明日か」

乃亜も渋々納得し、5人で事務所で寢る事にした

事務所の壁時計の時刻は午前2時。俺はふと目を覚ました

ヴアォォーーーーン！

遠くから獣にも似たびが響いてきた

目をってレミントンとグロック18Cを取り、外に出る

當たり前だが、外は『闇』という言葉が似合うくらいの真っ暗闇。ある筈の街燈の影すら目視では確認できない。目線を左右に振っていると、暗闇の中に赤くる粒が2つ並んでいるのを見つけた。徐々にだが、こちらに近づいてきている

湊音「ん？」

グロック18Cを構えて、ソレが來るのを待った。すると………

湊音「えっ…」

現れたのは牛と人間を足して2で割ったような、いわゆる「牛人」。長は俺の2倍はある。表面は腐敗しているのだが、中は強靭そう。そんな筋が見て伺える

牛人「ヴヴゥ…ヴァァーーオ！」

牛人は雄びと共に、俺にその拳を振り下ろしてきた。凄まじい速さを俺は避けれず、視界がそこでブラックアウトした

湊音「……………はっ…ん？」

俺がガソリンスタンドの事務所で目を覚ました。他の4人はまだ眠っている。事務所の壁時計はさっきとは違い、午前3時を指していた

湊音「…夢か」

その後は眠れず、皆が起きるのを待った